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始まったはずの何かと現実の
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「……抜け出せたまでは上出来でしたわよね」
無駄に独り言が多いのは、結局のところ不安を紛らわそうとしているだけと分かっていますけれど、意地だけでそれを止めるにはあまりにも疲れています。
考えた末、家から抜け出すのは難しいと判断いたしました。
なにせ曲がりなりにも公爵家。使用人も護衛の数もそれなりにいるわけで、誰にも見つからず抜け出すのは難しいでしょう。
何よりもお義兄さまと意外と鉢合わせするものですから、いなくなったらすぐにばれてしまいますわ。
なので家ほどわたくしの動向を気にされない学内から抜け出すことにしましたの。
迷惑をかける人数は多くなりますが、その分責任が分散されるでしょうので、最終的な罪悪感は少なくなると思いましたし。
すこしずづ荷物を学校に運び込んでおけば持ち出しやすいですし。
抜け出しやすい場所の情報は貴族が通う学校でも出回りますのよ?
こうして情報の真偽を我が身で確認するに至りましたものの。
「わたくしが方向音痴だなんてすっかり忘れていましたわ」
前世からの筋金入りです。とりあえず距離を稼ごうとあやふやなまま進んであれよあれよと現在地が分からない事に。
リーゼロッテになってからは下手をすれば家の中ですら先導がついたのですもの。そんな事綺麗に忘れておりました。
自分の目で下見をすることは無理と分かっていましたので、何とか簡易ながらも地図を入手して、冒険者ギルドが予想通り存在していることの確認と、そこへの道順はシミュレーションしましたの。
けれど地図が古かったのが、ごく最近何かあったのか目印にしていたはずの木が見当たりませんでしたの……もしかして既に間違えていたのかしら?
見つかる危険を冒してでも一度学校に帰ろうかと思ったものの、もうどちらから来たのやら。
無駄に独り言が多いのは、結局のところ不安を紛らわそうとしているだけと分かっていますけれど、意地だけでそれを止めるにはあまりにも疲れています。
考えた末、家から抜け出すのは難しいと判断いたしました。
なにせ曲がりなりにも公爵家。使用人も護衛の数もそれなりにいるわけで、誰にも見つからず抜け出すのは難しいでしょう。
何よりもお義兄さまと意外と鉢合わせするものですから、いなくなったらすぐにばれてしまいますわ。
なので家ほどわたくしの動向を気にされない学内から抜け出すことにしましたの。
迷惑をかける人数は多くなりますが、その分責任が分散されるでしょうので、最終的な罪悪感は少なくなると思いましたし。
すこしずづ荷物を学校に運び込んでおけば持ち出しやすいですし。
抜け出しやすい場所の情報は貴族が通う学校でも出回りますのよ?
こうして情報の真偽を我が身で確認するに至りましたものの。
「わたくしが方向音痴だなんてすっかり忘れていましたわ」
前世からの筋金入りです。とりあえず距離を稼ごうとあやふやなまま進んであれよあれよと現在地が分からない事に。
リーゼロッテになってからは下手をすれば家の中ですら先導がついたのですもの。そんな事綺麗に忘れておりました。
自分の目で下見をすることは無理と分かっていましたので、何とか簡易ながらも地図を入手して、冒険者ギルドが予想通り存在していることの確認と、そこへの道順はシミュレーションしましたの。
けれど地図が古かったのが、ごく最近何かあったのか目印にしていたはずの木が見当たりませんでしたの……もしかして既に間違えていたのかしら?
見つかる危険を冒してでも一度学校に帰ろうかと思ったものの、もうどちらから来たのやら。
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