54 / 59
あったかもしれないしなかったかもしれない話
わたくしの知識チートが結局始まりませんわ
しおりを挟む
結局この世界はゲームに背景としてあるいはそれすら登場しない物でも中世ヨーロッパ風のイメージを邪魔しない程度にアレンジされた現代日本でもすこしは使われているものという感じでしたわ。スマホとか明らかにシロウトでも突っ込むしかないようなものはありません。
……たまにどうやって動いているのか分からない代物も確かにありますけど、その類いは突き詰めればテレビがどうやって映るのか説明出来るのかとかそういう話になりますから、考えすぎるのはやめておきます。とりあえずお父様に技術と技術者は保護するように言っておきましょう。
要するに創作内での魔法のない中世ヨーロッパ風といわれるものをイメージすれば大半は当てはまるとでも言えばいいでしょうか?
リアル中世ヨーロッパなら、貴族といえど身体を壊すのが早いか、精神を壊すのが早いかみたいな生活になっていたでしょうから、そこはよいんですけど。
おかげで知識チートをする余地がありません。
雰囲気を壊すような代物はわたくしの知識では当然作れるはずもなく。現代日本の脆さをつくづく思い知りましたわ。
何か一つぐらいないのでしょうか?
わたくしは付加価値が欲しいのです。
公爵家なので政略結婚を無理にしなくてもいいという考えは恐らく間違っていませんけれど、政略じゃない結婚というのは愛でなされたといえば聞こえがよいですけれど、その分分かりやすいメリットがあるとは限りませんの。
……ある程度見栄えがよいでもメリットですけれど、リーゼロッテは作中でかわいいとか美しいとか言われている場面はありませんでしたし。
確かに今家族はかわいいと言ってくれますし、前世の感覚でいえばものすごい美人だと思いますけれど……ほとんど周り中そうなんですもの。
使用人も見た目で選んでいるのか、それとも未だこの世界になれないせいかみんな美形に見えます。お義兄さまは別格ですけれど、そこはもう仕方がありませんわ。
なので、見た目が付加価値になるとは思えません。
公爵家自体は欲しい人にはとんでもなくメリットでしょうけれど、手に入れて満足するだけの物体ではありませんもの。領民や義務やいろいろなものも背負う覚悟のない相手に差し出すことは出来ない以上、わたくし自身の価値とは言い切りづらいのです。前世の感覚かもしれませんけれど。
なのでいくら自由になる金額が国一番多いと言われる公爵家でもそれを食い潰すためだけに結婚を考える輩は対象外です。
そうなるとわたくしに相手がいますからしら?
乙女ゲームの世界ですからいろいろな意味でのいい男は攻略対象非攻略対象問わずいるのは知っていますけれど……乙女ゲームの世界ですからそれが悪役令嬢に当たる可能性が高いとは決して思えないわけで。
でしたらわたくしがどう思おうとお義兄さまを婚約者に据えようと考えたりされないかしら?
それではお義兄さまの選択肢が結局変わりませんわ。
……チートは無理でしたけど。
頑張るしかありませんわね。
……たまにどうやって動いているのか分からない代物も確かにありますけど、その類いは突き詰めればテレビがどうやって映るのか説明出来るのかとかそういう話になりますから、考えすぎるのはやめておきます。とりあえずお父様に技術と技術者は保護するように言っておきましょう。
要するに創作内での魔法のない中世ヨーロッパ風といわれるものをイメージすれば大半は当てはまるとでも言えばいいでしょうか?
リアル中世ヨーロッパなら、貴族といえど身体を壊すのが早いか、精神を壊すのが早いかみたいな生活になっていたでしょうから、そこはよいんですけど。
おかげで知識チートをする余地がありません。
雰囲気を壊すような代物はわたくしの知識では当然作れるはずもなく。現代日本の脆さをつくづく思い知りましたわ。
何か一つぐらいないのでしょうか?
わたくしは付加価値が欲しいのです。
公爵家なので政略結婚を無理にしなくてもいいという考えは恐らく間違っていませんけれど、政略じゃない結婚というのは愛でなされたといえば聞こえがよいですけれど、その分分かりやすいメリットがあるとは限りませんの。
……ある程度見栄えがよいでもメリットですけれど、リーゼロッテは作中でかわいいとか美しいとか言われている場面はありませんでしたし。
確かに今家族はかわいいと言ってくれますし、前世の感覚でいえばものすごい美人だと思いますけれど……ほとんど周り中そうなんですもの。
使用人も見た目で選んでいるのか、それとも未だこの世界になれないせいかみんな美形に見えます。お義兄さまは別格ですけれど、そこはもう仕方がありませんわ。
なので、見た目が付加価値になるとは思えません。
公爵家自体は欲しい人にはとんでもなくメリットでしょうけれど、手に入れて満足するだけの物体ではありませんもの。領民や義務やいろいろなものも背負う覚悟のない相手に差し出すことは出来ない以上、わたくし自身の価値とは言い切りづらいのです。前世の感覚かもしれませんけれど。
なのでいくら自由になる金額が国一番多いと言われる公爵家でもそれを食い潰すためだけに結婚を考える輩は対象外です。
そうなるとわたくしに相手がいますからしら?
乙女ゲームの世界ですからいろいろな意味でのいい男は攻略対象非攻略対象問わずいるのは知っていますけれど……乙女ゲームの世界ですからそれが悪役令嬢に当たる可能性が高いとは決して思えないわけで。
でしたらわたくしがどう思おうとお義兄さまを婚約者に据えようと考えたりされないかしら?
それではお義兄さまの選択肢が結局変わりませんわ。
……チートは無理でしたけど。
頑張るしかありませんわね。
16
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします
ほーみ
恋愛
その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。
そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。
冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。
誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。
それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。
だが、彼の言葉は、決定的だった。
「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します
天宮有
恋愛
私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。
その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。
シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。
その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。
それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。
私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる