我が罪への供物

こうやさい

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祈りの空

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 今日も空は青い。
 水底から見上げてもこんな色をしているのだろうか?

 八月で夏だった。
 そんな当たり前の子供の日常に、その年違う事が一つあった。
 存在を知らなかった母方の従妹が遊びに来て泊まっていった。

 正直従妹どころか母に妹が居ることすら知らなかったのでびっくりした。
 葬式でも法事でもないのにそんな人が泊まりに来たということにも。

 得体の知れなさを感じ警戒していたのだが、実際に会ってみると従妹を一目で気に入った。
 暇さえあれば一緒にいた。
 ずっと前から友達だったような気がしていた。
 実際一緒にいたのは三日間ぐらいの間だったけど、夏の空の下友情を誓ったし未来を祈った。

 あたしはその時知らなかった。
 うちの血族には女性だけに伝えられる伝承があること。
 数十年ごとに花嫁を一人海神に捧げること。
 そして従妹が花嫁になる事がうちに来たときに決められたこと。

 従妹は自分が水に沈むことを何時知ったのだろう?
 もしかしてあたしがのんきに未来を口にしたときには既に知っていたのだろうか?
 誓った友情なんて当時から欠片も存在していなかったのだろうか?
 知らなかったとはいえあたしは従妹の犠牲の上に生き残ることが決まったのだから。

 実際その後従妹には会えていないし、嫁いだと先日知った。
 あの日望んだものはもう何も残っていない。
 同じ空を見ることもできない。

 水底から見上げたら海が同じ色をしているだろうか?
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