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無知の代償
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あたしはクラスの誰よりも身長が大きい。
身長だけじゃなく、大人びて見えるんだって。
年上に見られるのって嬉しいけど、もっと大きくなったらイヤに思うってホントかな?
高校生のお姉ちゃんと並んだらあたしの方が年上に見られるって言われたけど、本当にそうなのかな?
だから休みの日に、たまに借りている黒くて長いスカートを履いて、お姉ちゃんの真似して。
大人にならなきゃ行っちゃダメって親友が止められたらしい場所に、夜に抜け出して行ってみた。
そこは想像すらしていなかった場所で。
初めてのいろいろなものにドキドキした。
そこに親切なお兄さんたちがいて、ジュースをおごってくれた。
飲んだら眠くなったからちょっと大きな椅子で眠らせてもらった。
目が覚めたらずいぶんと遅い時間だったので慌てて帰る。
妙な体勢で寝たせいか体のあちこちが痛い。走ったら特に。
抜け出したのはばれなかったけど、服が皺くちゃになって汚れていたので怒られた。
親友に行けた事を教えた。
彼女は相変わらず入れないらしく、また内緒で行ってそこで変わったことがあったら教えてと頼まれた。
だから時々お姉ちゃんの違う服を借りて向かう。
夜だからかやっぱりすぐに眠くなっていつもおごってくれるジュースを飲んだら眠っちゃうことがほとんどだけど。
時々目が覚めると体がぺたぺたしてて、ふしぎに思ってたら、飲み物をうっかりこぼしてかけてしまったのだと謝ってくれた。
こんなところで寝っ転がっている以上邪魔でもしょうがないから、あたしも謝ったらにこにこ微笑って許してくれたけど。
シャワーもを貸してくれたし、服にまで汚れがついていたことがあった時は洗濯までしてくれた。
いい人たちだった。
何度がそんなことを繰り返したけど、寝る時間が妙になったせいかだるくで頭が痛い事が多くなった。
やめた方がいいんだろうけど、それはイヤ。だって楽しい、ほとんど寝てるだけのはずだけど。
そんなある日、お姉ちゃんの服を借りたらきつかった。
胸囲はもともときついのもあったんだけど、今度はおなかがきつかった。
太ったのなら新しい服をねだろうとお母さんのところに行った。
上着を捲りあげおなかを見たおかあさんは怖い顔をした。
あの場所でこっそり間食したのがばれたので怒ってるのかと思ったけど、それで病院に連れて行かれるのが分からない。
何か言われたらしく、ずっと怖い顔をしていたままだったけど、あたしには怒らなかった。
慌てててそれどころではないように見えた。
その日、話があるとお姉ちゃんと一緒に横並びに座らされた。
向かいにいるお母さんが真剣な表情で話す。
特別な人にしか言ってはいけない事だけど、あたしとお母さん側の親戚の女の子は誰かが海神様にお嫁に行くんだって。
そしてそれ以外の女の子は自分に女の子が産まれたらそのことを教えなきゃならないんだって。
初めて聞いた話で驚いたけど、お姉ちゃんはそんな風じゃなかったのであたしが子供だから教わってなかったのかもしれない。
けれどその後の言葉にはお姉ちゃんも驚いた。
あたしのお腹の中には赤ちゃんがいるからもう海神様にお嫁には行けないって。
意味が分かる前に立ち上がったお姉ちゃんに体がふっ飛びそうな勢いではたかれた。
ただお姉ちゃんを見上げ。ほっぺを押さえぽかんとする。
お姉ちゃんを抱き抑えたお母さんは、だからお姉ちゃんが海神様のところへ行くことになったのよ、と静かに言った。
翌日、休まされた学校のプリントを持ってきてくれた親友に尋ねた。
おなかの中の子供って、無くすことできない?
子供がいなければきっとお姉ちゃんが怒ることはない。
冷たい海の水にずっと浸かってると赤ちゃんを流せることがあるらしいよ、と言われる。
とてもいい考えだと思った。
おなかの中に居なくなるし、赤ちゃんが海神様のところたどり着くなら、お姉ちゃんは行かなくとよくなるかもしれない。
また夜中に抜け出す。すっかり手慣れてしまった。
夏の昼間ですらあまり人の来ない砂浜にたどり着く。
夜の海は想像以上で、つま先を付かせただけでしばらく固まってしまう。
そろそろと前に進み、膝を抱え込むようにしゃがむ。
冷たいと思ったのは思ってたより短い時間だった。むしろ水から出ている顔や肩が寒い。
砂は何かを流そうとしている。
月が揺らめきながらこちらに光を伸ばしてる。
今ならばこれに乗ってどこにでも行けるかもしれない。
けれどその前に名前を呼ばれる。
首だけで振り返るとおねえちゃんがいた。確かにお姉ちゃんならこの場所を知っている。
また叩かれるかと思ったけれど、お姉ちゃんは繋ぐ時のように手を伸ばしてきただけだった。
慌てて立ち上がりながら体全体で振り返ろうとする。
けれどそうできず、その場に膝を付きおなかを抱え込んだ。
目の前が暗くなるときに、なぜか飲んだジュースの味を思い出していた。
子供がいた自覚なんてない。
けれど流れたのは男の子だったらしいと聞き。
あたしは初めて泣いた。
身長だけじゃなく、大人びて見えるんだって。
年上に見られるのって嬉しいけど、もっと大きくなったらイヤに思うってホントかな?
高校生のお姉ちゃんと並んだらあたしの方が年上に見られるって言われたけど、本当にそうなのかな?
だから休みの日に、たまに借りている黒くて長いスカートを履いて、お姉ちゃんの真似して。
大人にならなきゃ行っちゃダメって親友が止められたらしい場所に、夜に抜け出して行ってみた。
そこは想像すらしていなかった場所で。
初めてのいろいろなものにドキドキした。
そこに親切なお兄さんたちがいて、ジュースをおごってくれた。
飲んだら眠くなったからちょっと大きな椅子で眠らせてもらった。
目が覚めたらずいぶんと遅い時間だったので慌てて帰る。
妙な体勢で寝たせいか体のあちこちが痛い。走ったら特に。
抜け出したのはばれなかったけど、服が皺くちゃになって汚れていたので怒られた。
親友に行けた事を教えた。
彼女は相変わらず入れないらしく、また内緒で行ってそこで変わったことがあったら教えてと頼まれた。
だから時々お姉ちゃんの違う服を借りて向かう。
夜だからかやっぱりすぐに眠くなっていつもおごってくれるジュースを飲んだら眠っちゃうことがほとんどだけど。
時々目が覚めると体がぺたぺたしてて、ふしぎに思ってたら、飲み物をうっかりこぼしてかけてしまったのだと謝ってくれた。
こんなところで寝っ転がっている以上邪魔でもしょうがないから、あたしも謝ったらにこにこ微笑って許してくれたけど。
シャワーもを貸してくれたし、服にまで汚れがついていたことがあった時は洗濯までしてくれた。
いい人たちだった。
何度がそんなことを繰り返したけど、寝る時間が妙になったせいかだるくで頭が痛い事が多くなった。
やめた方がいいんだろうけど、それはイヤ。だって楽しい、ほとんど寝てるだけのはずだけど。
そんなある日、お姉ちゃんの服を借りたらきつかった。
胸囲はもともときついのもあったんだけど、今度はおなかがきつかった。
太ったのなら新しい服をねだろうとお母さんのところに行った。
上着を捲りあげおなかを見たおかあさんは怖い顔をした。
あの場所でこっそり間食したのがばれたので怒ってるのかと思ったけど、それで病院に連れて行かれるのが分からない。
何か言われたらしく、ずっと怖い顔をしていたままだったけど、あたしには怒らなかった。
慌てててそれどころではないように見えた。
その日、話があるとお姉ちゃんと一緒に横並びに座らされた。
向かいにいるお母さんが真剣な表情で話す。
特別な人にしか言ってはいけない事だけど、あたしとお母さん側の親戚の女の子は誰かが海神様にお嫁に行くんだって。
そしてそれ以外の女の子は自分に女の子が産まれたらそのことを教えなきゃならないんだって。
初めて聞いた話で驚いたけど、お姉ちゃんはそんな風じゃなかったのであたしが子供だから教わってなかったのかもしれない。
けれどその後の言葉にはお姉ちゃんも驚いた。
あたしのお腹の中には赤ちゃんがいるからもう海神様にお嫁には行けないって。
意味が分かる前に立ち上がったお姉ちゃんに体がふっ飛びそうな勢いではたかれた。
ただお姉ちゃんを見上げ。ほっぺを押さえぽかんとする。
お姉ちゃんを抱き抑えたお母さんは、だからお姉ちゃんが海神様のところへ行くことになったのよ、と静かに言った。
翌日、休まされた学校のプリントを持ってきてくれた親友に尋ねた。
おなかの中の子供って、無くすことできない?
子供がいなければきっとお姉ちゃんが怒ることはない。
冷たい海の水にずっと浸かってると赤ちゃんを流せることがあるらしいよ、と言われる。
とてもいい考えだと思った。
おなかの中に居なくなるし、赤ちゃんが海神様のところたどり着くなら、お姉ちゃんは行かなくとよくなるかもしれない。
また夜中に抜け出す。すっかり手慣れてしまった。
夏の昼間ですらあまり人の来ない砂浜にたどり着く。
夜の海は想像以上で、つま先を付かせただけでしばらく固まってしまう。
そろそろと前に進み、膝を抱え込むようにしゃがむ。
冷たいと思ったのは思ってたより短い時間だった。むしろ水から出ている顔や肩が寒い。
砂は何かを流そうとしている。
月が揺らめきながらこちらに光を伸ばしてる。
今ならばこれに乗ってどこにでも行けるかもしれない。
けれどその前に名前を呼ばれる。
首だけで振り返るとおねえちゃんがいた。確かにお姉ちゃんならこの場所を知っている。
また叩かれるかと思ったけれど、お姉ちゃんは繋ぐ時のように手を伸ばしてきただけだった。
慌てて立ち上がりながら体全体で振り返ろうとする。
けれどそうできず、その場に膝を付きおなかを抱え込んだ。
目の前が暗くなるときに、なぜか飲んだジュースの味を思い出していた。
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けれど流れたのは男の子だったらしいと聞き。
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