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彼女にとってのバターの切れ味
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「バターって切ったことある?」
「は?」
常々彼女の事を理解したいと思ってはいるが、なんでそんな話になったのかが分からない。
いや、時間がちょうど良かったから今日はランチを頼んで、彼女はパンを選んだので、付いてたバターを見て思い出したのだろうなとは思うが。
「……言われてみると、ないな」
とりあえずそちらの疑問は棚上げし、問われたことに答える。あんま大昔までは覚えてないけど。
毎食外食というわけではないが、正直自炊が出来るとは言い切りづらい有様なので料理には使わない。
朝は時間がないせいもあってトーストが多いが、塗るのはマーガリンだし。
外でパンを食べるときにバターが出てくる事もあるが、好きなだけ切り分けて使えるような気前のいい店は知らない。大概は分けられた後か既に塗られている。
バターを使ってある料理なら言いだしたら切りがない。
「普段は慣用句というか、比喩というか、テンプレだしというかって感じで流してるんだけど」
とりあえずオンノベの話だということは分かった。
「良く切れる剣を初めて使ったときとかに『バターのように切れる』って感じの表現あるじゃない」
「確かに」
基本読んでいるのは、彼女から紹介された話と、そこからたぐれる話が多いから、そのせいもあるだろうが、ある。
「硬い物が簡単に切れるほど切れ味がいいっていいたいのは分かるんだけど、いってる人バター切ったことあるのかなぁ、と」
「うーん?」
それこそテンプレとして恐らく中世ヨーロッパ風だけど都合のいいとこだけ近代化してたり魔法で何とかなってたりする世界観前提だよな?
「野営があるからとか?」
冒険者が飯テロ繰り広げる話もあるし。
「塊持ち歩くの?」
……荷物だな、それ。俺の読んだ飯テロメインのヤツは何か都合よく材料も調味料も持ってたし入手してたけど。
「けど固形の油だと思えば……」
実際は知らないが、ファンタジーなんだからパンに塗るのからランプの油にまで出来るシロモノがありそうだ。あとフライパンに油を塗る必要があるのも覚えた。
「冷蔵庫ないのに?」
「あー」
確かに熱加えれば溶けるんだから、常温なら持ち運びやすい堅さじゃなさそうだ。
そもそも日持ちするのか? ファンタジーだから出来ると言われるとアレだが。
「その辺魔法でどうにかしてる話もあるけど、貴重な魔力を道中常にバター冷やすのに使うのってどうかなと思うし、チートでイベントリとかにどんどん入れられる人は材料じゃなくて調理済みの入れてるじゃない」
作品に心当たりがありすぎる。
「そういう人が家で自炊してるってイメージもないし」
宿か冒険者ギルドの酒場で飲みながら食べてると確かに思う。
「それで、どこでどういう状態のバターを切ったことがあるんだろうって」
……欠片で出てきたバターを更に切ってという可能性もあるが、それにたとえられると名剣というよりしょぼく感じる。柔らかくなっていたりしたら尚更だ。切ってるものがバターじゃないのだからそうじゃないはずなんだけど。
製造や調理にもっと関わる人はバターを切ったことはあるかもしれないが、今度は剣を使っているイメージが湧かない。良く切れる包丁で言ってたりする話とかあるんだろーか?
「たまにそーゆーのがものすごく気になる時があってねー」
そりゃあるよな。心理テストじゃないが、目に付いた単語は今気になっている事に関係していますってヤツだ。
「ついでに現実で切ったことある人ってどれくらいいるんだろうと」
確かに今まで聞いたことも聞かれたこともない。
「で、切ったことは?」
なので聞いてみた。
「……お菓子ってね、手作りするとバターと砂糖の量に戦くのよ?」
もしかして、また太ったとか思ってるのだろうか?
「は?」
常々彼女の事を理解したいと思ってはいるが、なんでそんな話になったのかが分からない。
いや、時間がちょうど良かったから今日はランチを頼んで、彼女はパンを選んだので、付いてたバターを見て思い出したのだろうなとは思うが。
「……言われてみると、ないな」
とりあえずそちらの疑問は棚上げし、問われたことに答える。あんま大昔までは覚えてないけど。
毎食外食というわけではないが、正直自炊が出来るとは言い切りづらい有様なので料理には使わない。
朝は時間がないせいもあってトーストが多いが、塗るのはマーガリンだし。
外でパンを食べるときにバターが出てくる事もあるが、好きなだけ切り分けて使えるような気前のいい店は知らない。大概は分けられた後か既に塗られている。
バターを使ってある料理なら言いだしたら切りがない。
「普段は慣用句というか、比喩というか、テンプレだしというかって感じで流してるんだけど」
とりあえずオンノベの話だということは分かった。
「良く切れる剣を初めて使ったときとかに『バターのように切れる』って感じの表現あるじゃない」
「確かに」
基本読んでいるのは、彼女から紹介された話と、そこからたぐれる話が多いから、そのせいもあるだろうが、ある。
「硬い物が簡単に切れるほど切れ味がいいっていいたいのは分かるんだけど、いってる人バター切ったことあるのかなぁ、と」
「うーん?」
それこそテンプレとして恐らく中世ヨーロッパ風だけど都合のいいとこだけ近代化してたり魔法で何とかなってたりする世界観前提だよな?
「野営があるからとか?」
冒険者が飯テロ繰り広げる話もあるし。
「塊持ち歩くの?」
……荷物だな、それ。俺の読んだ飯テロメインのヤツは何か都合よく材料も調味料も持ってたし入手してたけど。
「けど固形の油だと思えば……」
実際は知らないが、ファンタジーなんだからパンに塗るのからランプの油にまで出来るシロモノがありそうだ。あとフライパンに油を塗る必要があるのも覚えた。
「冷蔵庫ないのに?」
「あー」
確かに熱加えれば溶けるんだから、常温なら持ち運びやすい堅さじゃなさそうだ。
そもそも日持ちするのか? ファンタジーだから出来ると言われるとアレだが。
「その辺魔法でどうにかしてる話もあるけど、貴重な魔力を道中常にバター冷やすのに使うのってどうかなと思うし、チートでイベントリとかにどんどん入れられる人は材料じゃなくて調理済みの入れてるじゃない」
作品に心当たりがありすぎる。
「そういう人が家で自炊してるってイメージもないし」
宿か冒険者ギルドの酒場で飲みながら食べてると確かに思う。
「それで、どこでどういう状態のバターを切ったことがあるんだろうって」
……欠片で出てきたバターを更に切ってという可能性もあるが、それにたとえられると名剣というよりしょぼく感じる。柔らかくなっていたりしたら尚更だ。切ってるものがバターじゃないのだからそうじゃないはずなんだけど。
製造や調理にもっと関わる人はバターを切ったことはあるかもしれないが、今度は剣を使っているイメージが湧かない。良く切れる包丁で言ってたりする話とかあるんだろーか?
「たまにそーゆーのがものすごく気になる時があってねー」
そりゃあるよな。心理テストじゃないが、目に付いた単語は今気になっている事に関係していますってヤツだ。
「ついでに現実で切ったことある人ってどれくらいいるんだろうと」
確かに今まで聞いたことも聞かれたこともない。
「で、切ったことは?」
なので聞いてみた。
「……お菓子ってね、手作りするとバターと砂糖の量に戦くのよ?」
もしかして、また太ったとか思ってるのだろうか?
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