あらすじから逆算する『結局悪役令嬢?』

こうやさい

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双子入れ替わり[エセミステリ?]

隣の花は赤い 前

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「何だって!?」
 執事のその言葉に耳を疑う。
「ですからお嬢さま――ぼっちゃまの婚約者であられるお嬢さまだった可能性のある死体が見つかった、と」
 この執事は昔から我が家に仕えてくれているが、今更私を『ぼっちゃま』とは呼ばない。
「私の婚約者はとても元気に生きていて、今夜も結婚式の打ち合わせのためにうちで一緒に食事をする予定だったはずだが?」
 つまりそこに含みがあると。
 私をぼっちゃまと彼女をお嬢さまと呼んでいたのはずいぶんと昔だ。
「確かにご令嬢とのお食事とのご予定を承り、只今わたし以外の使用人総出で用意しております」
 つまり彼女が来ることは分かっているわけだ。ぼけを心配しろというわけではないらしい。
「正確に言えば、ぼっちゃまがお嬢さまに差し上げて大変気に入られていましたが、療養から帰ったご令嬢が特に興味もなさそうになくしたとおっしゃられたブローチを付けた女児の死体が見つかった、でしょうか」
 覚えている。あんなに気に入ってくれていたのにと思ったものの、療養で離れていた期間が長かったし、女性の流行の移り変わりは早いので、大人になるとはこういうことなのだと納得したのだ。
「だが、幾ら離れていた期間があったとしてもあれほど似た別人はあり得ない」
「本当にですか?」
 確かに違和感はあった。けれど少女時代の不安定さは妹で分かっていたし、そのうち落ち着いて来たのだからそれだけだと思っていた。
「……ご令嬢の実のお母上は他国の出身なのだそうです」
 それは知っている。婚約した当時は意味が分かってなかったが、彼女の生みの母は外国出身で産後の肥立ちが悪く亡くなって、今の母は後妻で、諸事情で財産は彼女が継ぐことになっているので折り合いが悪いとか。
「その国には双子は不幸を呼ぶという言い伝えがあるのだと」
 ……確かにそんな話を聞いたことがある。
「これはあくまで想像ですが、双子を産んだことを気に病みお母上は亡くなった。それを不幸だと思われた閣下は双子の片方を殺すか捨てるか、処分しようとした」
 いくら何でも妄想がすぎる。侮辱と言われたいのかと止めるべきなのに動けない。
「ちなみにその時期、お屋敷では従僕が一人行方不明になったと」
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