あらすじから逆算する『結局悪役令嬢?』

こうやさい

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死に戻り[ループはSFですかファンタジーですか?]

本当に愛していました 前

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「おいっ!!」
 目の前を優雅に歩いていた彼女のむき出しの肩を掴む。
「何でしょう?」
 特に慌てるでもなく彼女は振り返る。
 彼女はさりげなく肩から手を外すとこちらに向き直り礼を取る。
「ごきげんよう殿下、先ほどぶりですわね」
 何の乱れもない完璧な礼だった。
「どうしてそんなに落ち着いている!?」
 もう一度、今度は両肩を掴む。
「たった今、婚約破棄されたんだぞ!?」
 私との。
「もう婚約者でないと分かってらっしゃるならば、幾ら殿下といえど気軽に女性の肩を掴むものではありませんわ」
 やんわりとたしなめられた。やんわりだぞ!? 無茶苦茶余裕だぞ?
「もう少し他に反応はないのか!?」
 思わず持ったままの肩を軽く揺する。
 この、私との、婚約を破棄されたんだぞ!?
 彼女が片手を頬に当てる。
「では取り乱せばもう一度婚約してくださいますの?」
 無邪気にすら聞こえる口調で言われ言葉につまる。

 事の経緯はこうだ。
 この国の王子である私は、どうやら先日訪問された宗主国の姫に見初められたらしい。
 とてもかわいらしい方で将来はとても美人になるだろう。
 そう将来。
 今は些かというか、かなり幼い。
 なのに私と結婚すると言い張って、側妃も妾も許さないらしい。誰が教えたそんな言葉。
 はっきり言って誰もが驚いたし、誰もがもう少しすればはしかのように過ぎ去り忘れてしまうであろうと予想を付けた。
 とはいえそれでも宗主国の姫である。ないがしろには出来ないし断れない。
 王族は一夫多妻もあり得ることを身近な見本がいるのに納得しないだろうし、仮にしたとしても自分が一番でなければならない質の子供だろう。
 だから私に婚約者がいてはいけない。
 なので今日婚約破棄を告げた。
 彼女は淡々とそれを受けた。
 取り乱さないのは貴族の矜恃からかと思ったが、今も完全に落ち着いているようにしか見えない。
 この、私との、婚約を破棄されたんだぞ。
 仮に姫が途中で飽きてこの婚姻が成立しなかったとしても、私によって付けられた傷により、私とは結婚出来ないのだぞ? 私以上の良縁はもうないし、今後縁のあるのは精々後添え程度だぞ?

 ふと、彼女はため息を付く。
「そうですわね」
 どこか遠い目をする。
「……一度目は殿下と離れたくないと泣いてすがりましたわ」
「一度目?」
「けれど覆らないどころか排除されたので、失意のあまり自殺しました」
 何を言っている?
 どう見ても生きているではないか?
「何故かその後目が覚めて……一年前に戻っていましたわ」
 言っていることが明らかにおかしいが、おかしすぎてどこから突っ込めばいいのか分からない。
「その時、莫迦な私は姫様さえいなくなればいいと暗殺を企てましたの。もちろん露見して縛り首になりましたけど。あの後も世界が続いていたならばこの国は滅んでいるでしょうね」
 微笑みながら怖い仮定を話す。
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