戦闘猫乃物語

猫乃つづり

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反撃編

突撃≪エクスプローラ≫

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「案外、料理番衆はジャパニーズ旨い飯を作れてかつ戦うこともできると言ったから、期待してみたものの、雑魚だったとはな」

 吐き捨てるように倒れた相手に唾を吐きかける巨人のように巨大な体を武装してるといった方が正しいと言えるのは果たして人間かのだろうか?と疑ってしまうのであった。

 「まぁてめぇらの防衛力も弱すぎて話に何ねぇな、最も使い捨て《スパイ》にもきづかねぇとは終わってるじゃねぇかアハハハ!」

 ボロクソに言う、この巨人を相手にして、馨は何も言えなかった。
 ただ、歯がみをして、自分の無力さを呪うしかなかったのだった。
 
 「すいません、私がもう少し早く動けていたら、何しろもう既にあの時、スパイの特定はできて自分から動けばよかったというのに」
 
 しかし、誰一人責めるものなどどこにいただろうか?
 ミーは馨に語りかける

 「馨、今、目の前にいることに集中しろ、じゃなきゃあとで後悔する」
 「そんなこといわはるのは、アタイをナメてるからじゃありませんこと?」   
 
 ミーの話など聞いていなかった。
 馨はぶちぎれていた、巨人のような鋼の肉体を持つ男がしでかしたことに、

 「へったかが、使用人如きにそこまで、きれるとはなぁ、あんたの方がどうかしてるんじゃねぇのか?お嬢ちゃん?ん?」

 「おい、てめぇもう一度行ってみろよ」

 馨はこの男への怒りの臨界点をMAXにさせて、突き進む。

 「よせー!馨」

 何の情報もない敵に対して、突っ込むことなど、自殺行為に等しい。

 「へっ、無謀な」
 「桜吹雪!」

 その男がニヤリと笑う。

 「おい、どうしたんだ、西園寺の力とはこの程度かよ」

 「なっ何!?何がおこりはったの!?きゃあ」

 西園寺の武器でもある、桜吹雪は前にも見たことがある。
 しかし、能力が発動しなかったのは衝撃的であった。

 「なっ何が起こったんだよ!」 
 「多分、敵は恐らく、能力封印の使い手がいるのでしょう」

 パチパチと、突然叩く音が聞こえる

 「ご名答、さすが、能力を見破ることができる副長がいて、よかったねぇ竜崎くーん」

 その言葉を察するに、竜崎は汗を伴った険しい顔をする。
 どうやら、因縁がある相手のようだ。   
 みるかぎり、先程の巨人のような男とは違って迫力にはかけるが、銀縁眼鏡の奥は狂気じみた眼をしていた。

 「あの、竜崎さん、何か相手名前知ってる感じ、ご存知ですか」

 「あぁちょっと待ってろ」

 煙草をひとまず、吹かせて、煙りをなびかせて、一言いう。

 「いや、知らん」 

 「だが」
 
 「女や、関係のない料理人に暴力を振るうなぞ、見過ごせんな!」

 竜崎のサングラス越しから映る眼には炎が宿っていた。

 「竜崎さん、サポートします!」

 副長の星川が、後方で魔方陣を構築させて、陣を敷く

 「ここは俺に任せてくれないか局長」

 竜崎は龍の紋章を刻んだ大剣を肩にかけて、決意の言葉を口にする。

 局長は、ニコリとした眼をしながらも、口元は真剣さがこもっており、

 「くれぐれも注意しろ、一番隊は目の前の敵を殲滅せよ、その間に、体制を立て直す、竜崎、死ぬなよ」 

 「あぁ任せな!」 


一番隊と謎の襲撃部隊との戦いが始まるのであった。
 

 



 
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