スペア~ふたつの月~ 本編前に死ぬモブキャラに生まれ変わった私は、かわいい妹の為に絶対死にません。

花かつお

文字の大きさ
41 / 50
本編

(41)猫かと思ったら!?半分はちがいました。

しおりを挟む
 ※読む前のお知らせです。今回のお話では、人によっては、微妙な内容がございます。ご了承下さい。



 あれから、すぐ私は、リンさんとルリちゃん達に連行されて、犯行現場にやって来たのだった。そして、私がやったと思われる「召喚」した証拠、絨毯に描かれた「魔法陣猫ホイホイ」がーー


「つい、でき心だったんです!まさか、本当に猫さんを呼び出すとは思わなかったんです。ごめんなさいっ!」


 自供した私に、リンさん達は


「リイアちゃん、やってしまった人間は、よくそう言うんだ。けど、初犯だから、情状酌量として、大丈夫だと思うけど、うーん。普通は、来る相手側にも、この、魔法陣を設置した場所がないと、発動しないはずなんだけど、賢者様に聞いてみないと、分からないかな」

「そうね、賢者お父さんなら、どこで設置した魔法陣か、分かるかもしれないわね。とりあえず、リイアちゃんは、仮釈放いたしますか」

 お二人にそう言われて、私もホッと一息ついたのだった。


 ◇



 自供して、仮釈放されたリイアと、何処から来たのか、今だ不明の猫科の獣族けものぞくのモカさんと
 みんなで、今日のおやつを食べる事になりました。

「いただきますにゃ、ふわっ、このお菓子の中は小豆ですか?これは、それも一緒に美味しいクリームも入ってますにゃ、おいしーですにゃ♪」

 モカさんは、小さな両手で、塩バタークリームドラ焼きをパクパクと食べていた。

 私もレーア、フォルも、「おいしー!これレーア大好き!」「ほんと、美味いな。バターめっちゃふったかいあるわ」「悔しいけど、マジ美味い」ドラ焼きを味わうのだった。


 ドラ焼きと一緒に出されたお茶を飲みながら
 話題は、やっぱり何故モカさんが召喚されたのか?

「リイアちゃん、確認するけど、魔法陣猫ホイホイ以外に、何か一緒に言ってた?たとえば、可愛い猫とか?そんな風に」

「えーっと、猫じゃなくて、精霊よ来よ!と言った覚えはありますねけど、実際来たのは、モカさんですね」

 チラリとモカさんを見た。可愛いな、けど私が知ってる猫さんとは、やっぱり何か違う気がする?そう、考えていたら、モカさんが


「ぼく、獣族けものぞくのジャコウ猫族とネコヤナギの精霊の子供だから、もしかしたら、精霊の血がその魔法陣に反応して、召喚されたかもしれませんにゃ」


 にゃにゃにゃんですと?!

 ジャコウ猫族?ネコヤナギの精霊の子供!?
 つまり、獣族けものぞくさんと精霊さんのハーフさん?

 レーア以外、みんな吃驚してた。




 ◇




「モカさんって、あの幻のジャコウ猫族の?今は、南の隠れ里にしか居ないと言われてる」

 モカさんを、普通の猫科と違うと思ったのは、正体がわかった。前世でも、いたやん。ジャコウネコさんが

「南の隠れ里は、わかりませんが、ぼくらは、タータ様の所で、コピ農家しているジャコウ猫族ですにゃ」

「コピって?なに、ねえ様」

 レーアが聞いてきた。私も分からん?
 コピ?コピ?響き的に可愛いな?
 農家って言ってたから、作物だよね。
 私が必死に何の作物か考えていたら、
 レーアの隣にいるフォルが大きな声で

「コピって、あれだ!苦い汁の事だ!大人が飲んでるだろ、茶色な真っ黒なヤツ」

 苦くて、汁で、茶色な真っ黒なヤツって
 もしや、コーヒーのこと?


「あら、フォル君は、コピを知っているのね。確かに苦いけど、牛乳とお砂糖入れたら美味しいわよ」

 ルリちゃんが、さらに私の確信に答えてくれる。


 そして、モカさんの、名前!モカだし
 どう考えても、コピは、コーヒー豆だ。
 更に私は、思い出した。ジャコウネコって事は
 あの幻のジャコウネコのコーヒー豆?!えっ本当に?えっあのお高いコーヒー豆、異世界でもあるの?

 そう、前世の地球では、コーヒー好きが死ぬ前に一度は飲みたいコーヒー、「コピ・ルアク」それも一杯、千円以上したり、もっと高いので1万円以上するコーヒーだったはず、何故、幻なのか、それは、ジャングルに住むジャコウネコさんが食べたコーヒーの実がお腹で発酵されて、ジャコウネコの〇から出てくるコーヒー豆なのだ。まさか?!異世界も?


 えーっと、どうしたらいいんだ。
 私は、モカさんに、コピの実を食べて、コピを作ってるんですか?と聞くのは、恥ずかしい。だって、内容が内容だから、一人だけ悩んでると

「そうにゃんです。コピは苦いけど、香りが良いからうちのコピは、美味しいって評判ですにゃ、うちは、家族総出で、コピを採ってますにゃ加工も、全部手と機械で作ってますにゃ」
 
 モカさんのとこは、地球と違かったー!
 2本足で立つ獣族けものぞくのジャコウネコさんは、人間と一緒の製法だった。ある意味、セーフ。


 そう、思うと地球のジャコウネコさんは、大変だ。どっかじゃ高く売れるからって、コーヒーの実しか食べさせないとか、ブラック企業らしい。正直怖っ。ちなみに、私は、ジャコウネコさんのコーヒーは、飲んだこと無いでござる。何せ、貧乏性だから、そんな高い飲み物は、怖くて飲めなかった、だけですよーーっ
 フン。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

それは思い出せない思い出

あんど もあ
ファンタジー
俺には、食べた事の無いケーキの記憶がある。 丸くて白くて赤いのが載ってて、切ると三角になる、甘いケーキ。自分であのケーキを作れるようになろうとケーキ屋で働くことにした俺は、無意識に周りの人を幸せにしていく。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...