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第一章「光あれば、幸あり」
一話「出会い」
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微かな光が、部屋を照らし始める。
起き上がり、カーテンを開けると何時ものように外で幼なじみの友が待っていた。
俺達は毎日モンスターを倒し、己を磨き上げていた。
モンスターを倒すと、魔力レベルカウンターが上昇し、魔力レベルカウンターが最大になると魔力レベルが上がる。
魔力レベルが上がるに連れて新たな力を得たりする事が出来る。
「きーくん、もう一押しで倒せるよ!!」
きーくんとは俺の希依(きい)から付けられたあだ名。
この時、友と二人で☆2のクエスト[鬼人]というのを受けていた。
とある洞窟に潜む人形の鬼モンスターを倒すだけのクエストのはずだった。
友は近距離を得意とし、身体の身軽さを利用した短剣使い。
素早く斬り刻み、じわじわと敵を倒すのが特徴的である。
俺は友と真逆のスタイル。
5本の剣に魔力を込め、自由自在に操る事が出来るが、魔力を込めるのに時間を費やしてしまう為、近距離は苦手の部類。
近距離が得意な友が囮となり、遠方から俺が一気に畳み掛ける作戦を練っていた。
ーだが、甘くみていた。
鬼人の体は硬く、友の短剣ではかすり傷一つさえ付く事は無かった。
友はそれでも斬り続ける。
(あいつが囮になってる隙に…)
自身の周囲に浮かぶ5本の剣に魔力を集中する。
剣に魔力を溜めていくと、白、青、緑、赤へと光輝きだす。
赤が最大まで魔力が溜まった光。
(俺の今の限界はまだ緑か…)
幾ら集中しても、赤へと変わることは無かった。
(緑でも、あいつが頑張ってるんだから!!)
「魔剣、連斬!!」
詠唱をすると、5本の剣は瞬時に消え、目に見えない速さで敵を斬る。
「凄い!!」
思わず叫ぶ友。
鬼人は、抵抗するべく身体を動かしながら両手を振り回す。
しかし、鬼人の身体を目に止まらない速さで斬り傷が増え、血が周囲に吹き渡る。
魔力が尽き、5本の剣は光を無くし、周囲に浮かび戻る。
「弱ったぞ、一気に仕留めよう!!」
そして、友が距離を詰めて斬り付けようとした時だった。
ー鬼人は、雄叫びを上げると両目が赤く光り、全身が黒い炎に包まれる。
ーと、全体が黒い霧に包まれ、視界を奪われた。
「きーくん、急いでここから逃げるんだ!!」
黒い霧の中から大声を上げる友の声。
俺は、恐怖で身体が震え、身動きが取れない。
「早く!!」
「置いて行ける訳ない!!一緒に逃げよう!!」
「早く」の言葉を最後に、友の声は聞こえなかった。
ーそう、これが最後の友の声だった。
俺は友の名前を叫び続ける。
声が枯れ始めた頃に、身動きが取れるようになった。
黒い霧が、微かに消え始め、視界が徐々に戻る。
鬼人と友の姿はもう既に無かった。
俺はその場に泣き崩れる。
(どうして…どうして…)
(もっと俺が強ければ…こんなことに…)
(力が欲しいか…?)
脳内に聞き覚えのない低い男の声が響く。
(力は欲しい…けど、一体誰!?何で脳内に声が響く!)
(お前が望むのなら、命と引き換えに力を遣ろう)
(命と引き換えに!?そんなこと出来る訳!!)
(その代償に誰にも負けない力をくれてやる)
「ダメよ、そいつの言うことを聞いては」
後方から女の声が聞こえた。
後ろを向くと、此方に歩き向かってくる髪の長い眼鏡を掛けた20代くらいの女性の姿が見えた。
右腕で涙を拭った。
目の前で女性は立ち止まる。
「そいつの言うことを聞いてはダメよ。聞いたら貴方は人間で居られなくなってしまうわ」
「貴方は一体…」
「話は後よ、取り敢えず此処から出ましょう」
女性の手を借りて重い身体を持ち上げ立ち上がる。
前を歩く女性の後を追うように歩く。
(何でこの人…俺の事を…)
要らない事を考えながら歩くと、先が明るくなってくる。
(外だ…)
数日間も薄暗い洞窟に居た感覚。
(ごめん…ごめん…)
また感情が呼び起こされる。
泣きそうになるのを堪えながら、女性と一緒に洞窟の外へと出た。
(眩しい…)
太陽の光で視界が霞む。
立ち止まる女性の前に4人の姿。
大きい剣を右手一本で持っている黒髪の髭を生やした男性。
スナイパーライフルを背中に担ぐ、赤い短髪のマスクを着けている女性。
両手をズボンのポケットに突っ込んでいる、前髪で目が見えない男性…?
眠そうに欠伸をする、背中に鎌を担ぐ小柄な女性。
「遅かったじゃねえか。さっきから、みあの欠伸が止まらないぞ」
先に口を開いた髭の男性。
「ごめんこ。15時間も寝たはずなのに…すやぁ…」
「立ったまま寝んな!!15時間は寝過ぎだろ!!」
「この人達は一体…?」
「私のギルドメンバーよ。髭の男、大剣が主体で趣味は、砥石集めのジガン」
「おう、宜しく」
「隣がスナイパーライフルからの遠方射撃が特有で、百発百中狙撃のミリ」
「よろしくね」
「常に両手をポケットに突っ込んでるのが、ライスン。武器は頭脳で、主に作戦指示等が得意」
「君はちょっと…同じ匂いがするかなぁ」
(同じ匂い…?)
「そして最後。常に眠そうに欠伸をしては、暇があれば寝てる、リオナ。日頃は温厚、でもキレたら怖い」
「ふわぁ~、みんなおはよぉ~」
「この空気読めないのやっぱり僕は嫌いだ!!」
「取り敢えず紹介も終わった所で、本題に入ろうかな。でも、此処じゃ何だし、一旦クエスト報告次いでに、オペレーションルームに行きましょうか」
これが新たな出会いだった。
俺はこの人達のギルドに加入し、新たな生活を歩み始める事となる。
起き上がり、カーテンを開けると何時ものように外で幼なじみの友が待っていた。
俺達は毎日モンスターを倒し、己を磨き上げていた。
モンスターを倒すと、魔力レベルカウンターが上昇し、魔力レベルカウンターが最大になると魔力レベルが上がる。
魔力レベルが上がるに連れて新たな力を得たりする事が出来る。
「きーくん、もう一押しで倒せるよ!!」
きーくんとは俺の希依(きい)から付けられたあだ名。
この時、友と二人で☆2のクエスト[鬼人]というのを受けていた。
とある洞窟に潜む人形の鬼モンスターを倒すだけのクエストのはずだった。
友は近距離を得意とし、身体の身軽さを利用した短剣使い。
素早く斬り刻み、じわじわと敵を倒すのが特徴的である。
俺は友と真逆のスタイル。
5本の剣に魔力を込め、自由自在に操る事が出来るが、魔力を込めるのに時間を費やしてしまう為、近距離は苦手の部類。
近距離が得意な友が囮となり、遠方から俺が一気に畳み掛ける作戦を練っていた。
ーだが、甘くみていた。
鬼人の体は硬く、友の短剣ではかすり傷一つさえ付く事は無かった。
友はそれでも斬り続ける。
(あいつが囮になってる隙に…)
自身の周囲に浮かぶ5本の剣に魔力を集中する。
剣に魔力を溜めていくと、白、青、緑、赤へと光輝きだす。
赤が最大まで魔力が溜まった光。
(俺の今の限界はまだ緑か…)
幾ら集中しても、赤へと変わることは無かった。
(緑でも、あいつが頑張ってるんだから!!)
「魔剣、連斬!!」
詠唱をすると、5本の剣は瞬時に消え、目に見えない速さで敵を斬る。
「凄い!!」
思わず叫ぶ友。
鬼人は、抵抗するべく身体を動かしながら両手を振り回す。
しかし、鬼人の身体を目に止まらない速さで斬り傷が増え、血が周囲に吹き渡る。
魔力が尽き、5本の剣は光を無くし、周囲に浮かび戻る。
「弱ったぞ、一気に仕留めよう!!」
そして、友が距離を詰めて斬り付けようとした時だった。
ー鬼人は、雄叫びを上げると両目が赤く光り、全身が黒い炎に包まれる。
ーと、全体が黒い霧に包まれ、視界を奪われた。
「きーくん、急いでここから逃げるんだ!!」
黒い霧の中から大声を上げる友の声。
俺は、恐怖で身体が震え、身動きが取れない。
「早く!!」
「置いて行ける訳ない!!一緒に逃げよう!!」
「早く」の言葉を最後に、友の声は聞こえなかった。
ーそう、これが最後の友の声だった。
俺は友の名前を叫び続ける。
声が枯れ始めた頃に、身動きが取れるようになった。
黒い霧が、微かに消え始め、視界が徐々に戻る。
鬼人と友の姿はもう既に無かった。
俺はその場に泣き崩れる。
(どうして…どうして…)
(もっと俺が強ければ…こんなことに…)
(力が欲しいか…?)
脳内に聞き覚えのない低い男の声が響く。
(力は欲しい…けど、一体誰!?何で脳内に声が響く!)
(お前が望むのなら、命と引き換えに力を遣ろう)
(命と引き換えに!?そんなこと出来る訳!!)
(その代償に誰にも負けない力をくれてやる)
「ダメよ、そいつの言うことを聞いては」
後方から女の声が聞こえた。
後ろを向くと、此方に歩き向かってくる髪の長い眼鏡を掛けた20代くらいの女性の姿が見えた。
右腕で涙を拭った。
目の前で女性は立ち止まる。
「そいつの言うことを聞いてはダメよ。聞いたら貴方は人間で居られなくなってしまうわ」
「貴方は一体…」
「話は後よ、取り敢えず此処から出ましょう」
女性の手を借りて重い身体を持ち上げ立ち上がる。
前を歩く女性の後を追うように歩く。
(何でこの人…俺の事を…)
要らない事を考えながら歩くと、先が明るくなってくる。
(外だ…)
数日間も薄暗い洞窟に居た感覚。
(ごめん…ごめん…)
また感情が呼び起こされる。
泣きそうになるのを堪えながら、女性と一緒に洞窟の外へと出た。
(眩しい…)
太陽の光で視界が霞む。
立ち止まる女性の前に4人の姿。
大きい剣を右手一本で持っている黒髪の髭を生やした男性。
スナイパーライフルを背中に担ぐ、赤い短髪のマスクを着けている女性。
両手をズボンのポケットに突っ込んでいる、前髪で目が見えない男性…?
眠そうに欠伸をする、背中に鎌を担ぐ小柄な女性。
「遅かったじゃねえか。さっきから、みあの欠伸が止まらないぞ」
先に口を開いた髭の男性。
「ごめんこ。15時間も寝たはずなのに…すやぁ…」
「立ったまま寝んな!!15時間は寝過ぎだろ!!」
「この人達は一体…?」
「私のギルドメンバーよ。髭の男、大剣が主体で趣味は、砥石集めのジガン」
「おう、宜しく」
「隣がスナイパーライフルからの遠方射撃が特有で、百発百中狙撃のミリ」
「よろしくね」
「常に両手をポケットに突っ込んでるのが、ライスン。武器は頭脳で、主に作戦指示等が得意」
「君はちょっと…同じ匂いがするかなぁ」
(同じ匂い…?)
「そして最後。常に眠そうに欠伸をしては、暇があれば寝てる、リオナ。日頃は温厚、でもキレたら怖い」
「ふわぁ~、みんなおはよぉ~」
「この空気読めないのやっぱり僕は嫌いだ!!」
「取り敢えず紹介も終わった所で、本題に入ろうかな。でも、此処じゃ何だし、一旦クエスト報告次いでに、オペレーションルームに行きましょうか」
これが新たな出会いだった。
俺はこの人達のギルドに加入し、新たな生活を歩み始める事となる。
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