タイムリープとおれと高校生

bun

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2時間目

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二時間目
やはり目が覚めてもまだ高校生。
いやあ、昨日は大変やった(笑)
先生からおかんに連絡いくし、家で寝てたら発狂するし、違うんやけどなあ、そんな悩んでる子に発狂してもしゃーないのに。
しかし、そこは37歳のきしくん。
高校生活がうんたらかんたら、まあ、結局しっかりがんばる。で通した。

さて、一週間は部活見学だな。
またバスケットをやることは決めておる。
あ、せやせやしばちゃをマネージャーに誘わなあかんな。

「おはようございます。」
「来住君、今日からがんばろうな。」と、白髪交じりの髭を伸ばしたおっさんマッチョの山野先生が言う。
「今日は健康診断な」
「はい。」

そういえばこの時上半身裸になって小川からは「その腹おっさんやん!」っていわれて、先生からは「きしぃ、ええがたいしとるな、空手せえへんか?」って言われたっけ。懐かしいなあ。

席に座ると明石君が足を組んででかい態度とってる。
若!幼い!あ、珍田君や!こりゃまたまたまた子供やん!
あんなに威勢張っても何の特にもならへんのに、あほらし。
相手にせんとこっと。
しかし、みんな知っててはじめましてって言うの難しいなあ。いやいや、高校生のきしくんはもっとガツガツしてたな(笑)
まあ、いまの自然体でいいか!
あ、いまいちゃん、もー、休憩時間からウォークマン聞いてー、変わらないんだからあ(笑)
とりあえずお決まりの突っ込みいれとくか。
「お!今井くんMDやん!凄いやん!」ちょっとテンション高めに言ってみた。
「買ったらそらもってるわな。」そして、ギロっと睨まれる。懐かしい感じがしてニタニタしてまう。
「そりゃそうだ!ははは!」とてを叩きながら笑う。あ、あ、やっちまった。ほらあ、今井ちゃんブツブツ言いながらした向いたやん。よし、これぐらいにしとくか。ガツガツ行くと今井ちゃん怒るわ。

午後からは部活見学かあ。
バスケット見に行ってもなあ、まあいいか。いちびった高校生見に行くか。
ああ、懐かしいなあ体育館や。いまとなっては定時制だけで行くことないもんなあ。しっかし、ボロいなあ、よう阪神淡路大震災を耐えたな。しかも、建具全部閉まらへんのや、うわあ、弱小校とか以前に公立校としてどうよ。天井のパーチクルボードは落ちそうやし、学校施設としての役割果たしてないやん。
「一年生か?入るんか?よろしくな!」と、やけに鼻がでかい先輩がキラキラした笑顔で話しかけてきた。そして、颯爽と走り去った。うわあ、なんか、なんか、若々しくてキラキラ笑顔だ。当時は分からんかったけどこんなにキラキラしてるんだ。青春だあ。
まあ、こうやって俯瞰してみると体幹無さすぎやろ、体ブレッブレやん。あ、あれはにいさん?って言われてた人だ。身長は無いけどしっかりしてる。あ、田中さん。うわあ、ジョーダンのプレー意識しすぎ先輩や!みんな子供だなあ。周りをみると、ドキドキした表情でバスケみてるこれからチームメイトになるであろうメンツがいる。これから色々あるけどインターハイ予選まで一緒にがんばろな。って思ってみてたら「なに?」とメガネをかけたピーが話しかけてくる。「あ、林君やんな?同じクラス違った?バスケ部に入るん?」今回はニタニタせずに。爽やかに・・・
「そうやで、入ろうと思ってる。」愛想無く答える。えー、そんな無愛想?まあ、みんなそっか。初めての環境やもんな。「俺を入ろうと思ってるねん、よろしくな!」と握手を求めかけて、この時代には病気はないか。と思い非常に中途半端な挨拶になる。「おー、今年は見学者が多いなあー。まぁ、はいってきて半分位かな。」あ、サンコンや。そういえばこの人バスケの顧問を途中でフェイドアウトしたっけ。当時は影でボロクソ言ってたけど俺には分からない何かがあったんかなぁ。
あんがいまだ若いな。高校の時に会ったサンコンより若く感じる。まあ、おれ37歳まで生きたからかな?
よおし、見てろよ!半年でハナを抜かしたる!今は以前と違ってたくさん知識があるからな!心配な事は、バスケの練習の勉強をしてなかったことかな。
さて、部活見学もしたし帰ろっと。
あー、今日も天気が良いなあ。体を思いっきり伸ばし今の空気をたくさん吸い込む。
家に帰って三畳の間で大の字になりながらぼーっと考える。みんな若かったなあ、キラキラしてたなあ、吸い込まれそう。昔は全てに一生懸命やったけど今はまた違う。色々俯瞰してみてれる。なんだ、他人の人生にお邪魔したみたい。俺なんやで?俺やけど俺じゃない。恐らく世界にただ一人二回目の青春を生きている。そんな俺だからこそなにができる?事故から誰か救える?2011年の地震か?いや、そんな器じゃないわ。株でも買って儲けるかぁ、会社名みたら上がりそうな銘柄分かるしな。あと競馬かな、ディープインパクトやったっけ?ほとんど勝っていたような。金かあ。そういえば今ならブッダブランドのライブ行けるかな?確か最近DJが亡くなったらしいから行くなら今かなあ。今から有名になる人と友達になりに行くのもいいかもな。人か。おじいちゃんや、そや!おじいちゃんに会えるんや・・・
バン!「ふみひろ!ご飯やで!なに寝てんの!」ん?あー寝てしまってたんか。しかし、パワフルというかせわしないおかんやなあ。
「ほら!今日はあんたの好きなハンバーグのトマト煮込みやで!」あ、あれかあ、久しく食べてないなあ。
食卓に座るとたかのりがギロっと睨みをきかし食べるスピードを早める。「そんな焦らんでも、俺はこれだけで良いから。」と七個あったハンバーグから2つ取り出し皿にいれる。「なんや、兄貴、ほかにうまいおかず残してるんか?」思わず吹き出す。「ないわそんなもん!」「いや、兄貴がおかずをわけるなんておかしい。」くち一杯にご飯を頬張りながら怪しんでいる。
「ナイナイ!いまあるだけや!」おかんがせわしなく動きながら大きな声で言う。そんな声張らんでも聞こえるのに。実家がでかいからその癖が直らんのやろな。
絵に描いたような成長期の子供の食卓って感じがして笑えてくる。
その表情を見ながらおかんがなんか安心してる雰囲気がある。
そりゃそうだ。我慢してコツコツ勉強してようやく合格した高校に投稿初日でいきなり行かなかったんだから。
「おかん、お願いがあるねん。」
「なんえ?どうしたん?」
「プロテイン買うのと登山用品揃えたいから日曜日だけバイトしていいか?」
「は?あんた何いってるん?何の為に学校いってるん?登山?プロテイン?何考えてるん!」目をギロっとして怒ってる。
「うん、勉強は絶対にするよ。その為に学校行くんやから。建築の勉強は自分でも色々してるよ。例えば、このアパートってさラーメン構造の鉄筋コンクリート   造っていってRC造の代表的な考え方の建物なんやって。1階と5階の柱が同じ大きさという事から施工に配慮した構造にしてる。ただ、あまりにも古すぎるから設備関係が現代に追い付いてないのが残念なところ。な?ちゃんとするから、いいかな?」
「へー、もうそんなん習うんや!やっぱり伏高の建築科は別物やな!」目をまんまるにして驚いてる。いやいや、施工管理してたら一年生でも言える内容や。まあ、一般の人がきいたらおーってなるわな。
「で、なんでそんなんいるん?」
「プロテインはバスケで筋トレをするのとあれだけ激しく動いたら絶対にたんぱく質が不足するんや。あと、登山は山を走るからその為や、登山は社会人になってからも1人で続けれるから将来のストレス解消の為の練習や。仕事だけの人間になりたくないんや。」
「なるほど。で、バイトって何をするんや?」
「土曜日に土方のバイトするわ!1日一万円やし。」
「え?あんたなんか知ってるんか?」
「うん、適当に求人みてさがす!」
「そうかあ、ほなまあまかすわ。」
「それ揃えるのにいくらかかるんや?」
「プロテインは月3500円位で登山は30000円くらいかな?短期でいくわー」
「そっか。それくらいなら買ってやるわ!入学祝いや!」
「え!いいの!ありがとう!」
「ただし。頑張って学校行って勉強して。」
「うん!」
ハンバーグを無事1人で食べ終えたたかのりがボソッと
「なんやいつも兄貴だけ。」
「あんたも高校受かったら勝ってあげるから!頑張り!」
「うん。」
そっか、こんなお調子者でおしゃべりのの兄貴がいたら弟はしゃべる機会ないわな。そりゃ静かになるわ。
でも俺は知ってるで、あんたは好きな事を見つけるとびっくりする位勉強をいっぱいすること。
がんばろな、色々、これから大変やけど。

翌朝からは自転車で学校に行く事にした。結局そうしてたから。爽やかやなあと思いながら走っていると鳥が並走してくる。一緒にいこ!これから!と言われてるきがした。

授業の開始
普通科目が大半
少し残念に思う。
社会の時間、松村先生の授業で
明石くんがなんか騒いでる。

施工の授業は案外知らない事が多い。いや、忘れてるだけか、木造が多いからかな。山野先生の筋肉すごいなあ。
製図の授業、あ、サンコンだ。なんか産業デザインで女生徒の髪の毛触ったとかで建築科に来たそうな。真相はいまだに闇の中やな。T定規で線を引く練習。「おー、きしくん線のセンスいいねぇ、きれいに描けとるなぁ」サンコンが覗き混んで感心してる。
「ありがとうございます。」心の中では。またまたまたまた二級建築士と一級建築士の勉強をしなければならない事を思いだし心の中は涙でいっぱいや。
昼御飯。俯瞰して見ているとこのころからクラスの中で派閥みたいなんが出来上がってるなあ。
まあ、40人もいればそりゃあうあわんはあるわな。しかし、三年間一緒なんやからもっとみんな仲良くなってもいいのになあ。イベントに力入れなさすぎやからかな。まあ、全員仲良くなんか絶対にむりやわな。
「きしくんは部活何にはいるの?」ガリガリの市川が声かけてくる。市川はサッカー部。俺はバスケ。小川が俺もバスケやねん。すこし三人でわいわい会話する。

選択授業で家庭科を選ぶ。そこで市川、しばちゃと仲良くなり、しばちゃがバスケ部だったからマネージャーに誘う。たしか、家庭科の授業ではっちゃけすぎたからおとなしめにしとこ。

しばちゃはなんか悩んでる。掃除しながら会話する。「なんか、悩むんってたのしいよな?」
「うん」
若いってこわいよな、今になって実感する。マネージャーして!ってノリで言ってたけど、それって高校生活の大半をバスケのマネージャーとして過ごすんやから、結構な決断よなあ。それよりたくさん楽しい事あるのに。今になって思うのが、誘った責任とったんかな?っておもう。
結局しばちゃはマネージャーになることに。

初めての部活。みんななんか緊張してる。まずは川を走りに行く。小川がブチブチいう。「実力もみずになんでわけんねん」
川を走る。あ、ヤバイヤバイ。この体ポンコツ過ぎて笑えるわ。すぐにあかんやん。しかも体硬いし。まずは体作りからやな。
ごたいごにはいる。きしくんポチションは?パワーフォワードやで。あら?未経験やんな?うん。勉強はしてる。
ティップオフ!
ジャンプ!できない。
頭では分かるけど体が動かない。ちょ、37歳より体幹ないやん。止まれない、ステップ踏めない。あら?こりゃやばいな。ほ!またジャンプできない。これはかわらんな。いだ!もも裏いためた。ほな、これくらいの力と速さでと。よしよし、体をわかってきた。踏ん張りはきくな。リバウンドいくか。よし、これならいける。あとは外でもらってと。目でスリーのフェイント。上半身で右にフェイントそして左に入る。よしよし前にたくさん来たから外にパス。スリーや!って、うたへんのかい!外れた!取られた!戻る!うわ!息切れ!心拍数が180近い!やばい!あ!とまる!よしギリギリもどれた!息を吐く、頑張って吐く、ポストプレイかきたよし。立っとく。飛ばない。つめる。打った!スクリーンアウト。リバウンド!パスすると見せかけてわんどりして小川にパス!そしてはしる!フリースローラインでもらう!俺フリー!ジャンプシュート!きた!入った!あれ?あ、あ、あーまさか届かない?リング手前に当たってバウンド!いくぜ!バタン!あら。足がもつれてド派手にこける。失笑がおこる。その後は散々な物に。その後ついたあだ名はバタン野郎。
やっちまったな。
帰宅途中信号待ちで自転車降りる時に足がつる。
うわあ、ミネラル不足してるわ。
帰るとプロテインを買ってくれてる。ありがたくいただきご飯をガツガツたべる。勿論たかのりにできるだけ譲って。
寝る時に心地よい疲れが体を包む。
高校生って、いいなあ。こんな生活やったんかあ。明日からウェイトトレーニング始めるか。
みんなが使ってない時間聞いて。
翌朝、いい感じに筋肉痛。3ヶ月でハナ抜かせるかな?こんな状態で・・・
3ヶ月あれば体変わるからそこそこできるやろ。
トレーニングルームはラグビー部がいつも使ってるからドンに聞こっと。

今日はなんや?英語の会話の授業。
なんや?詩を覚えておけば全てなくなってもそれだけはある。まあ、当たり前やわな、記憶なんやから。でも詩は腹の足しにならんしなあ。誰の受け売りか分からんけど結構ヤバいとこまで行ったひとだな。
いまとなってはこの教師おもろい。そんな風に思えるのは恐らく30代以降やろなあ。
 学校生活が進むにつれて仲の良いグループができていく。俯瞰してみるとまたたのしい。
このときなぜか市川、藤井、今井ちゃん細見の五人で市川の家に泊まったんやなあ。
でそのあと市川といまいちゃんと仲良くなってんな。
 こうやって授業受けてると新鮮やなあ、勉強かあ。進路どうしよ。近い未来に判断せなあかんしなあ。工業高校にはいった時点でそれなりにきまってくるしなあしかもこの不景気。そんなことを考えてると
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