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16 休日①
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ジョサイアは結婚式前から忙しく、式が終わってひと月経ってからも、私と彼は邸でまともに顔を合わせることが出来なかった。
文官として激務の最たる宰相補佐を勤める夫は、私が眠りに就いた後、日をまたいでから帰宅して、そして朝食だけ食べてまた出勤していく。
確かに形上は新婚だけど……大事な仕事なのだから、それは仕方ないと思う。
別に誰かの結婚式があるからと、難しい隣国との関税問題が避けて通ってくれる訳でもないものね。
と言うわけで、私たち二人は結婚はしたものの、私は単にドラジェ伯爵邸からモーベット侯爵邸に居を移しただけの状態。
侯爵家の女主人としての仕事も、この先には離婚する予定の契約妻なのだから、あまり詳しく知らない方が良いだろうと勝手に忖度し、これまでずっと担当していた執事にそのまま任せていた。
縁談が来て結婚式まで全力疾走していたかのような多忙の中で、投資している事業の準備も中断してしまっているし、ようやく落ち着いた今では、こっそりと買い取った農園へ様子を見に行きたいけれど、なかなかタイミングが見つからない。
結婚式のために王都へやって来ていたジョサイアの両親は、アルベルト陛下の即位に合わせて息子に爵位を譲っていた。
隠居の身である彼らは広い領地で悠々自適の生活を楽しんでいるらしく、新婚夫婦の邪魔は出来ないと、早々に領地へと帰って行った。
そんなこんなで、週末であろうが無関係とばかりに休日なしの生活が続いているジョサイアは、結婚したばかりなのにすまないと、上司にあたる宰相閣下より謝罪を受け、ようやく休日を一日だけ貰うことが出来たらしい。
「まあ……良かったわ。本当に!大変そうだったもの」
休みが取れたと唯一彼に会える朝食時から聞いた私は、心の底からしみじみとそう思った。
真面目なジョサイアは、あまり感情を表に出すような人ではないけど、毎日こうして彼を見ていると就寝で取り切れない疲れが流石に感じるようになっていたからだ。
「レニエラ。僕たちは結婚したというのに、一度もデートも出来ていませんね。仕事とは言え、本当に申し訳ない。もし良かったらどこか行きたいと思っているところは、ありますか?」
朝食の席でジョサイアに問われて、私はどうしようかと考えた。
契約結婚とは言え、私たちは正式に結婚したのだから、それなりに上手くやっているというところを周囲に見せることは必要はあるのかもしれない……いえ。上手くやろうと試みたところ、かしら。
どうせ、結果的には私たちは離婚するのだから。
文官として激務の最たる宰相補佐を勤める夫は、私が眠りに就いた後、日をまたいでから帰宅して、そして朝食だけ食べてまた出勤していく。
確かに形上は新婚だけど……大事な仕事なのだから、それは仕方ないと思う。
別に誰かの結婚式があるからと、難しい隣国との関税問題が避けて通ってくれる訳でもないものね。
と言うわけで、私たち二人は結婚はしたものの、私は単にドラジェ伯爵邸からモーベット侯爵邸に居を移しただけの状態。
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縁談が来て結婚式まで全力疾走していたかのような多忙の中で、投資している事業の準備も中断してしまっているし、ようやく落ち着いた今では、こっそりと買い取った農園へ様子を見に行きたいけれど、なかなかタイミングが見つからない。
結婚式のために王都へやって来ていたジョサイアの両親は、アルベルト陛下の即位に合わせて息子に爵位を譲っていた。
隠居の身である彼らは広い領地で悠々自適の生活を楽しんでいるらしく、新婚夫婦の邪魔は出来ないと、早々に領地へと帰って行った。
そんなこんなで、週末であろうが無関係とばかりに休日なしの生活が続いているジョサイアは、結婚したばかりなのにすまないと、上司にあたる宰相閣下より謝罪を受け、ようやく休日を一日だけ貰うことが出来たらしい。
「まあ……良かったわ。本当に!大変そうだったもの」
休みが取れたと唯一彼に会える朝食時から聞いた私は、心の底からしみじみとそう思った。
真面目なジョサイアは、あまり感情を表に出すような人ではないけど、毎日こうして彼を見ていると就寝で取り切れない疲れが流石に感じるようになっていたからだ。
「レニエラ。僕たちは結婚したというのに、一度もデートも出来ていませんね。仕事とは言え、本当に申し訳ない。もし良かったらどこか行きたいと思っているところは、ありますか?」
朝食の席でジョサイアに問われて、私はどうしようかと考えた。
契約結婚とは言え、私たちは正式に結婚したのだから、それなりに上手くやっているというところを周囲に見せることは必要はあるのかもしれない……いえ。上手くやろうと試みたところ、かしら。
どうせ、結果的には私たちは離婚するのだから。
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