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07 結末
「……私……私、もう二度と会えないと思ってた……あんな、あんな手紙で、もう……二度と会えないんだって……そう思って……」
「うん。ごめん……」
「ひどいよ。ジョサイア。私はすごく好きだったのに」
「ごめん」
私はジョサイアの胸に顔を埋めて泣いた。彼から別れの手紙を貰った私の様子は、本当にひどいものだった。
理由もわからなくて、何が悪かったのだと自分を責めた。
食事も取れず夜も眠れず、先生たちも家族に心配して手紙まで書いた。あまりにも悲しくて心がぺしゃんこに潰されてしまって、元通りになんて戻るはずないって思って居た。
だから、私は自分から、このシュトルム辺境伯領に帰ることを選んだ。
「……どうして、何も説明してくれなかったの?」
少しでも事態がわかれば、私だってあんなに悲しむこともなかったのに。
「あの時は、危険だった。僕の恋人だとわかれば、攫われるかもしれないくらいに事態は逼迫(ひっぱく)していた。別れることで君を守ったつもりだった。本当にごめん……ソフィは何も悪くないのに」
「ひどいよ……ひどい……けど」
どうしようもない立場に立たされたジョサイアが私に別れを告げ、そして、それを哀れに思った第二皇子が取りなしの書状を……? 今ならそれも、理解出来るけど……!
「ごめん。ソフィ。君を諦めることが出来なくて、ごめん」
諦めるって何。
彼を諦めたのは、私だった。ジョサイアから別れの手紙をもらったからって、彼に会いに行くことだって、出来たはずなのに……。
「ううん。もう良い……これから、一緒に居てくれるなら、もう何でも良い……」
そうか……ジョサイアには、理由があったんだ。
別れの手紙をもらった時、私はその可能性を必死で打ち消した。彼が別れたいと言っているのに、何を変な希望を持って……と。
「ジョサイア……もう何処にもいかないで。ずっと傍に居て……」
「うん。ごめん」
泣きながらかたく抱き合った私たちは街の皆に囲まれ、領主である辺境伯一家も全員見物に現れていたのは、また別の話。
Fin
「うん。ごめん……」
「ひどいよ。ジョサイア。私はすごく好きだったのに」
「ごめん」
私はジョサイアの胸に顔を埋めて泣いた。彼から別れの手紙を貰った私の様子は、本当にひどいものだった。
理由もわからなくて、何が悪かったのだと自分を責めた。
食事も取れず夜も眠れず、先生たちも家族に心配して手紙まで書いた。あまりにも悲しくて心がぺしゃんこに潰されてしまって、元通りになんて戻るはずないって思って居た。
だから、私は自分から、このシュトルム辺境伯領に帰ることを選んだ。
「……どうして、何も説明してくれなかったの?」
少しでも事態がわかれば、私だってあんなに悲しむこともなかったのに。
「あの時は、危険だった。僕の恋人だとわかれば、攫われるかもしれないくらいに事態は逼迫(ひっぱく)していた。別れることで君を守ったつもりだった。本当にごめん……ソフィは何も悪くないのに」
「ひどいよ……ひどい……けど」
どうしようもない立場に立たされたジョサイアが私に別れを告げ、そして、それを哀れに思った第二皇子が取りなしの書状を……? 今ならそれも、理解出来るけど……!
「ごめん。ソフィ。君を諦めることが出来なくて、ごめん」
諦めるって何。
彼を諦めたのは、私だった。ジョサイアから別れの手紙をもらったからって、彼に会いに行くことだって、出来たはずなのに……。
「ううん。もう良い……これから、一緒に居てくれるなら、もう何でも良い……」
そうか……ジョサイアには、理由があったんだ。
別れの手紙をもらった時、私はその可能性を必死で打ち消した。彼が別れたいと言っているのに、何を変な希望を持って……と。
「ジョサイア……もう何処にもいかないで。ずっと傍に居て……」
「うん。ごめん」
泣きながらかたく抱き合った私たちは街の皆に囲まれ、領主である辺境伯一家も全員見物に現れていたのは、また別の話。
Fin
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