お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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転校生

パウンドケーキ 2

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いつもなら調理実習室でまったり作った菓子をドリップコーヒーと共に頂き、至福の時を過ごすのに...くそう。

帰り道をとぼとぼ歩く...ぐるるる...それにしても腹が減る...

仕方ないな、帰り道にある公園で食べてしまおう!そうしよう!と公園へ!

ようし!ベンチにゃ誰もいないぞと真ん中にどっかり座って、鞄から取り出したアルミホイルで包んで持ってきたパウンドケーキを手に取り一口!

「美味い!さすが私!」

美味しいものを作る為には心血を注ぐのだ!クラシルとDELISH KITCHENは心の友よw

しかし飲み物が欲しい...全部食べてしまう前に自販機で何か飲み物でも...と思った時だ。

「あ!市橋さん」

と声をかけられる...見上げるとひぇ...噂の近衛 慶秋じゃあないか!

「近衛...慶秋」

「いやぁ君とは一度ゆっくり話がしたかったんだ、あ!これ貰ったケーキだけど...あれ?」

近衛の手には私が作って三人に残したであろうパウンドケーキが綺麗に透明な袋でラッピングされているものを持っていた。

あーあの三人渡したのか...早いな...そして形から同じものだと推測もできる...

「へぇ...もしかしてこのケーキも市橋さんが作ったものなのかな..そうか」

近衛 慶秋はニコニコしているが、その目は獲物を見る様な目だ...ザワザワする...

いつの間にかよいしょとベンチの隣に座りやがったぞ...しかし何故だ?こんなもっさり女子になんの様だ。

「私になんの話が?」

「同じクラスなのに君とはまだちゃんと話してないな、と思っててね、ああいい匂いだなぁ...甘くて美味しそうだ...」

パウンドケーキの事か?しかし近衛 慶秋は何故か私をじっと見てそう言う...そしてその目が怖い...。

「パウンドケーキ...食べる?」

恐る恐るまだ口につけてない方をと思い差し出すが、なんと近衛は食べかけの方を差し出してもいない手から取り上げて、そのまま一口で食べてしまったではないか!

「美味い...市橋さんのケーキ美味いなぁ...」

ケーキを取った指を舐める姿が何だか艶かしい...しかしずっとこっちを見ているのだ...

ケーキに関しちゃあさ...そりゃあ私が作ったケーキだ...美味いに決まってるだろうよ...でも何なんだ...まるで『私そのものが美味しい』とでも言いたい口振りじゃないか...怖い!

「よ...用事があるからっ!じゃあっ!」

鞄を持って立ち上がり走って逃げる!

「市橋さん!」

近衛 慶秋の声が後ろから聞こえるも振り向けない、どうにも近衛が怖いのだ!

何なんだ何なんだ?彼奴は一体何なんだ????
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