お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

文字の大きさ
28 / 44
早い夏休み

衝動 その2

しおりを挟む
首筋を噛みつかれた恐怖と近衛自身が何て事をしてしまったと言いそうな顔を思い出す。

一体あいつは何なのだ?

まさか、本気であいつ私自身を『食べ物』として見てたって事なのか?カニバリズム...と言う言葉が頭を過ぎる...

しかしこの日本で...この時代でだぞ?

洗面台へ向かう...噛みつかれた場所が痛むからタオルで冷やそうと思ったからだ。

鏡に映る姿、噛みつかれた後がある...があれ???

「消えて...きてる????」

さっきの噛みつかれた後がはっきり目で見てわかるくらいの速度で回復しているのだ...

噛み跡も痛みもいつの間にか消え、そんな事無かったかの様に綺麗に無くなってしまった。

驚いてしまっただけでそこまでの怪我にならなかった?

いや...あの痛みは間違いなく食いちぎられそうになるほどの痛みだった。

ただ噛みつかれた場所だけは拭ってしまおう...とタオルを取り出して濡らし拭いた...そんな事実すら拭えればと思いながら。

───

「若さ故の衝動だ...仕方ねぇよ、俺にもあった」

自室のベッドに潜りこみ、落ち込む近衛を春信は慰める。

「でも史絵をより一層怖がらせる結果になった...」

「じゃあ諦めるか?代わりなんて幾らでもいる...むしろ『食われる』事を望んでる娘だっているんだぞ?諦めればいい」

「...嫌だ...他なんて無理だ...」

春信は呆れ顔になる。

「じゃあ無理矢理にでも...」

「それも嫌だ!」

春信の言葉に近衛はそう叫ぶ。

「我儘な...本来理解してもらおうなんて無理な話何だぞ、慶秋」

「...」

「まぁ暫くはじっとしてろ、俺が見てるからな...」

そう言って春信は近衛の寝室を出る...

「俺たちはどうせ『人』じゃあねぇんだから...納得すりゃあいいのに」

面倒くさそうな顔をしながらキッチンにある冷蔵庫からミネラルウォーターを出して封を開け一気に飲み干す。

「まぁまだ成人になったばかりだから仕方ねぇか」

そう言ってため息を吐き、近衛のマンションの部屋を出る。

空は曇り気味で、夏なのにひんやりとする...雨が降るか?と思った時に嫌な視線を春信は感じた。

「まぁ目をつけられんのは仕方ねぇか...」

クク...と春信は笑う...何故ならあの年若い甥っ子は本来なら大それた事をしているのだからだ。

「まぁ俺も同じようなもんだったからな」

そう呟いて春信はエレベーターに乗りこんだ。


───────
※すみません!別仕事のため其方に時間を取られたストック切れました、ストックを書き溜めてから即再開させます!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

隣人はクールな同期でした。

氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。 30歳を前にして 未婚で恋人もいないけれど。 マンションの隣に住む同期の男と 酒を酌み交わす日々。 心許すアイツとは ”同期以上、恋人未満―――” 1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され 恋敵の幼馴染には刃を向けられる。 広報部所属 ●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳) 編集部所属 副編集長 ●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳) 本当に好きな人は…誰? 己の気持ちに向き合う最後の恋。 “ただの恋愛物語”ってだけじゃない 命と、人との 向き合うという事。 現実に、なさそうな だけどちょっとあり得るかもしれない 複雑に絡み合う人間模様を描いた 等身大のラブストーリー。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす

小木楓
恋愛
完結しました✨ タグ&あらすじ変更しました。 略奪された皇后を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。 「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」 「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」 大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。 しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。 強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。 夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。 恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……? 「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」 逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。 それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。 「一生、私の腕の中で溺れていろ」 守るために壊し、愛するために縛る。 冷酷な仮面の下に隠された、 一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。 ★最後は極上のハッピーエンドです。 ※AI画像を使用しています。

処理中です...