お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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蛇足

蛇足 その2

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そもそも近衛は人に混じって生きてはいるが、人の倫理観や感情とはまた違う感情を持って生きている。

本来はもっと自己中心的で自身が良ければ良いという感情が優先するし、人の死に対して悲しみなど持ち合わせない...だから何かあっても感情が動かなくてもフリだけはする...近衛が見せている表向きの物腰柔らかそうな態度はあくまでも訓練によって作られたものなのだ...

しかし血縁や伴侶に関しての感情だけは別で、特に伴侶に関しては愛情?いや執着するのだ...今の近衛のように。

蕎麦を食べ終わって片付けに立ち上がるとそのまま抱きつかれる。

「じゃあそろそろ...」

そろそろってもう???

「まず片付けを!あと歯を磨きたいんだ」

器だけじゃなくて鍋も洗う必要があるから...それに口がネギ臭いままじゃ嫌なのだ!

「後でで良いよ...手伝うから」

「一応女子的にはネギ臭いのはっ!きゃあ!」

ヒョイとお姫様抱っこされて私の部屋に...もう家の中の事を完全に把握しておる...

2階の自室...元はいかにもオタク女子部屋でアニメポスターとかいろいろ貼ってたのだが、近衛がアニメのキャラクターすら嫉妬の対象になって以降全部剥がして今じゃ押し入れにこっそり隠してる...二次元くらい良いじゃないか!とも思うが...

パイプベッドに寝かされて、覆い被さるように近衛が乗っかってくる...その目はいつもの様に私を喰いたいと思っているあのギラついた目だ...

メガネを外され、そのまま顔が近づいてくる。

実を言うと近衛に抱かれて以降、視力も回復していてメガネ自体要らなくなっているのだ。

ただ流石に怪しまれるかと思っていたが、まさか近衛め同じ形の度数の無いメガネをちゃっかり用意してやがったのだ...まさかこうなるのを前提に?いや深く考えないようにしておく...

ネギ臭いから嫌なのにそのままキスされちゃうけどさっきまで食べた蕎麦つゆの味...ロマンのカケラもない...

近衛はその姿を元々の鬼の姿に変化していく...髪が伸び銀色に変わり、八重歯が鋭くなり、肌が白く赤い紋様が浮かび上がる...そして瞳が真っ赤に変わってしまう...

実はその近衛の鬼の姿が好きなのだ...普段の姿は確かにカッコ良いのだが、私はあの時...その人外の姿に一目惚れしたのだ。

「可愛いなぁ...」

「ひゃうっ!」

そう言われて首筋を噛まれ、肉を引きちぎられるがくすぐったいだけであっという間に再生してしまう。

近衛...いや鬼にとって人の血肉を食べるのは鬼自体の本能であり生きていく上で必要不可欠なモノらしい...

近衛の一族は人に混じって生きる為に編み出した呪術により、伴侶として選んだ女を自身の眷属にさせ回復する力を与えて伴侶の肉を喰らう事で生きてきたのだ。

そしてその肉を喰らいたい欲は、性欲とセットらしくて欲情すると私を抱きながら私自身の肉を貪る。

きっとその光景は普通見たらグロテスクで恐ろしいものなのかもしれないけど、鬼の精を胎に注がれながら肉を貪り食われる事自体は怖くもなんとも無い...むしろ幸福感すら感じるのだ。

私の肉を喰らい、食事の時以上の恍惚とした表情を見せる近衛の顔がなんとも愛おしいと感じる...

もしかしたらキス自体が...近衛の唾液自体が媚薬の効果でもあるのかもしれない、このまま肉体的にも精神的にも貪り喰われたいと思うから。

「慶秋...私をもっと食べて...」

耐えられずそう小さな声でお願いをすると、近衛...慶秋はにこりと笑って私の服を剥がし取り裸にされ...自身も服を脱ぎ、二人で交じり合い...愛し合う。

慶秋の身体を両腕で抱きしめると、それに喜んでいるのか慶秋もぎゅうぎゅうと抱きしめてくれる。

私は慶秋という鬼に魅了され、このまま鬼のモノになっていくのだろう...交じり合い続ける事で私自身も鬼になっちゃうとかバッドエンドも良いところだ...

でももう良いや...私は慶秋が好きなのだから。

─終─
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