選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

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第1章 存在の意義

7話 運命の日 心中

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ーキロスカ村 北の森ー

 冬の森は雪が音を吸収することもありとても静かだった。聞こえてくるのは2人分の呼吸と足音だけ。木に積もった雪が光を反射して煌めいている。隣を歩くペンネが声をかけてきた。


「静かね・・。」


「ホントだね」


 それ以降お互い辺りを見ながら散策を続けた。


 森に入って半刻(30分)程経ったので軽く休憩を挟むことになった。今のところ狐などの動物しかおらず難なく来れたが、これより奥は僕も入ったことがないため何が生息しているかわからない。休みつつも辺りを警戒しておく。


「気分転換になったかしら?」

 ふいに隣からペンネが呟いた。

「えっ?」

 思わず振り向き聞き返してしまった。



「あなたは思い出したくないかもしれないけど一年前、天職発表がされた後から何かに焦っているみたいで、見てられなくて・・・。」

 
 震えているが澄んだ声でぽつりぽつりと喋り出した。僕から笑顔が消えたこと、友達からの陰口、月を跨ぐことに危険な仕事に向かっていること、今までぶっきらぼうに当たってしまったことなど最後は泣きそうになりながら喋っていた。
 

 無表情が常の彼女の泣き顔など幼少期以来で酷く驚いたが話を聞くうちに改めて彼女の優しさを知ることができた。震えている彼女に僕は


「ペンネさんにそんな心配ばかりかけていたなんて、遅くなったけどごめんね。それからありがとう。」


 僕は、気持ちを込めて彼女に謝罪と感謝の言葉を送った。


「そんなことじゃない!!」


 彼女は大きな声で僕の言葉を否定した。思わず目を瞬く。


「明らかにオーバーワークのし過ぎだし、雑用を押し付けられ続けて辛くない人なんかいない!もっと、もっと、私を頼ってよぉ~・・・。」


 いつもの口調でなくなった彼女は次の瞬間ぐずぐず泣き出してしまった。彼女の蒼髪に右手を乗せ、そのまま撫でた。自然にとってしまった行為だが彼女は嫌がらなかった。









 ペンネが落ち着いてから少ししたのにもう少し奥を散策することになった。まだ鼻の頭が赤い彼女はこっちを見ようとしない。僕は2歩ほど先を歩いて周辺を隈なく観察する。普段は来ない場所だけあり新鮮だった。こうしていると最近は心に余裕のない生活を送っていたことに気づいた。


 彼女に改めて感謝しようと後ろを振り向くとペンネが杖から手を離し地面に崩れ落ちるところだった。慌てて僕は、彼女に駆け寄ろうとしたところで側頭部に強い衝撃を感じ、同じように崩れ落ち意識を失った。崩れ落ちながら最後に見たのは片手をこちらに向け笑っている人影だった・・・。











ーペンネ・アイルの後方50m地点ー  ・・・視点

 
 ペンネのやつ、俺らに内緒で無能力と内通してやがったのか。初級魔術でもこの距離の会話までは聞こえないが様子は窺える。
 いつもは澄ました顔で陰口に参加してるくせによぉ・・・!少しくらい痛い目に遭っても構わないよな・・?

 
 そう思った俺は気付かれない様に隠蔽遮音(サイレンス)を使って連中の後を追いかけた。

 
 森の奥の方まで来たがまだ時刻は昼に差し掛かろうとしているくらいだ。この空間衝撃(エアショック)を使えば少し痛い目を味わせることができるだろう。失神はいいところに入ると1時間ほどかかるが大体は10分もしないうちに起きるだろう。
 自分にそう言い聞かせながら奴らが少し距離を置いた瞬間に俺は裏切り者ペンネに向かって空間衝撃を唱えた。


 

 ほんの悪戯心で行ったこの行いがとんでもないことに繋がるとは知らなかった。











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