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第1章 存在の意義
14話 光を抜けて
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☆
「さぁ、第2ラウンドだ」
そう言った彼は神霊操壁である陽炎でできた女性の持つ盾で狼獣人の爪を弾いた。狼獣人はアイルから距離を取る。神霊操壁を呼び寄せる。
彼が2・3言女性に言うと彼女は私の前に音もなく立ち、狼獣人に正対する。
狼獣人はその様子を見て目標を私からアイルへ変えたようだ。彼に対しジリジリと距離を詰める。
今の彼は倒れる前と明らかに変わっていた。肌の色は浅黒くなり、見たこともない指揮棒を握っていた。片目は銀眼になり見たこともない紋様が入っている。体からは蜃気楼のような魔力が立ち上っている。
何より彼は魔術を使えないはず。なぜ自我を感じ取れるくらいの神霊操壁を出せたのか、理解できなかった。
「簡単に倒れないでくれよ、魔獣」
彼とは思えないようなゾッとするくらい低い声で呟くと、指揮棒を振り上げた。
・
・
・
そこからは圧倒的というしか表現できなかった。指揮棒を振り下ろすたびに、詠唱もないのに狼獣人の手足に真空の刃が襲い掛かる。右腕を切り落としたかと思えば今度は脚を集中的に攻撃を入れる。狼獣人は何もできず、何が起きてるかも理解できなかったと思う。そんな奴の表情が恐怖で歪むとアイルはさらに嬉しそうに指揮棒を振るう。
気がつけば、狼獣人は血溜まりの中倒れていた。彼が奴に歩み寄る。
「グルゥゥゥッ」
狼獣人はもう唸ることしかできない。彼が指揮棒を狼獣人の胸元に当てる。そして一気に差し込んだ。
・
・
・
☆
ーアイル 意識の間 起きる前ー
「それで同調するのはいいですけど、何か変化はありますか?」
地獄の王に尋ねた。
「一番の変化は我がお主の中で活動することと言ったな。我の活動源は感情を摂取することじゃ」
「感情を摂取?」
「うむ。お主に生まれる特定の感情、またはこの指揮棒を相手に差し込むことで相手が抱いていた感情を摂取することが出来る」
「特定の感情とはなんでしょう?」
「お主らが言う負の感情とやらやな。この指揮棒は相手から感情を吸い取るとこができるのじゃ。相手の魂もな。それに、
この指揮棒を振るうだけで、我を通して魔術を放つことができる。
それに我をその身に宿すということは身体能力も大幅に上昇すると思うぞ。
どうじゃ、悪い話では無かろう?」
魔術の能力だけでなく身体能力も上昇するのなら彼女を宿すのも確かに悪い話ではない。
じゃが、と彼女が続けた
「一番の問題は身体的な特徴に現れることじゃろう。操魂士を使っている時間はお主の容姿は大きく変化することになるぞ」
「どんな特徴が?」
「肌の色が変わってしまったり我と同調することにより我の声が混ざることくらいかのう。あとは目の色くらいか、肉体もまだまだ未熟な為、使用後は肉体的な反動が予想されるな」
「僕は、変われますか?」
「ん?」
「僕は他人を守れるくらい、変われますか?」
僕は、地獄の王を試した。容姿が変わる?肉体的にキツい?そんなのどうだっていい。今1番大事なことは残してきた彼女はを守れるかだ・・・!
少女が笑いながら目を細めて言い放つ。
「お主、我を誰だと思っている。全ての王サタン様じゃぞ、お主が成りたい様に我の力を存分に使ってみるが良い。成れるか成れないかはお主が決めることじゃ」
そう言い終わると上空から白い光線が降ってくる。熱くはない。少女は微笑むと、
「共に征こうぞ、操魂士よ」
僕の背中に手を添え、光の中に入ってきた。
視界が白く反転する中、胸の内側がカッと熱を帯びていく。自分の中に何かが芽生えた気がした。
・
・
・
☆
ーキロスカ村 北の森 南東部ー アイル視点
気がついた僕はすぐに少女に呼びかける。僕らの初陣だ。先ほどのように負けるわけにはいかない。
身体中に熱が巡っていく。左目が特に熱い。手にはいつの間にかサタンが持っていた指揮棒が握られている。隣で震えた声を出しているのはペンネか・・・。
どうやら間に合ったみたいだ。今度こそ彼女を救おう。心の底からそう思った僕は彼女と狼獣人の間に割り込み、サタンの声を借りて詠唱えた。
「神霊操壁」
体から魔力が陽炎のように立ち昇った。
「さぁ、第2ラウンドだ」
そう言った彼は神霊操壁である陽炎でできた女性の持つ盾で狼獣人の爪を弾いた。狼獣人はアイルから距離を取る。神霊操壁を呼び寄せる。
彼が2・3言女性に言うと彼女は私の前に音もなく立ち、狼獣人に正対する。
狼獣人はその様子を見て目標を私からアイルへ変えたようだ。彼に対しジリジリと距離を詰める。
今の彼は倒れる前と明らかに変わっていた。肌の色は浅黒くなり、見たこともない指揮棒を握っていた。片目は銀眼になり見たこともない紋様が入っている。体からは蜃気楼のような魔力が立ち上っている。
何より彼は魔術を使えないはず。なぜ自我を感じ取れるくらいの神霊操壁を出せたのか、理解できなかった。
「簡単に倒れないでくれよ、魔獣」
彼とは思えないようなゾッとするくらい低い声で呟くと、指揮棒を振り上げた。
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そこからは圧倒的というしか表現できなかった。指揮棒を振り下ろすたびに、詠唱もないのに狼獣人の手足に真空の刃が襲い掛かる。右腕を切り落としたかと思えば今度は脚を集中的に攻撃を入れる。狼獣人は何もできず、何が起きてるかも理解できなかったと思う。そんな奴の表情が恐怖で歪むとアイルはさらに嬉しそうに指揮棒を振るう。
気がつけば、狼獣人は血溜まりの中倒れていた。彼が奴に歩み寄る。
「グルゥゥゥッ」
狼獣人はもう唸ることしかできない。彼が指揮棒を狼獣人の胸元に当てる。そして一気に差し込んだ。
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ーアイル 意識の間 起きる前ー
「それで同調するのはいいですけど、何か変化はありますか?」
地獄の王に尋ねた。
「一番の変化は我がお主の中で活動することと言ったな。我の活動源は感情を摂取することじゃ」
「感情を摂取?」
「うむ。お主に生まれる特定の感情、またはこの指揮棒を相手に差し込むことで相手が抱いていた感情を摂取することが出来る」
「特定の感情とはなんでしょう?」
「お主らが言う負の感情とやらやな。この指揮棒は相手から感情を吸い取るとこができるのじゃ。相手の魂もな。それに、
この指揮棒を振るうだけで、我を通して魔術を放つことができる。
それに我をその身に宿すということは身体能力も大幅に上昇すると思うぞ。
どうじゃ、悪い話では無かろう?」
魔術の能力だけでなく身体能力も上昇するのなら彼女を宿すのも確かに悪い話ではない。
じゃが、と彼女が続けた
「一番の問題は身体的な特徴に現れることじゃろう。操魂士を使っている時間はお主の容姿は大きく変化することになるぞ」
「どんな特徴が?」
「肌の色が変わってしまったり我と同調することにより我の声が混ざることくらいかのう。あとは目の色くらいか、肉体もまだまだ未熟な為、使用後は肉体的な反動が予想されるな」
「僕は、変われますか?」
「ん?」
「僕は他人を守れるくらい、変われますか?」
僕は、地獄の王を試した。容姿が変わる?肉体的にキツい?そんなのどうだっていい。今1番大事なことは残してきた彼女はを守れるかだ・・・!
少女が笑いながら目を細めて言い放つ。
「お主、我を誰だと思っている。全ての王サタン様じゃぞ、お主が成りたい様に我の力を存分に使ってみるが良い。成れるか成れないかはお主が決めることじゃ」
そう言い終わると上空から白い光線が降ってくる。熱くはない。少女は微笑むと、
「共に征こうぞ、操魂士よ」
僕の背中に手を添え、光の中に入ってきた。
視界が白く反転する中、胸の内側がカッと熱を帯びていく。自分の中に何かが芽生えた気がした。
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気がついた僕はすぐに少女に呼びかける。僕らの初陣だ。先ほどのように負けるわけにはいかない。
身体中に熱が巡っていく。左目が特に熱い。手にはいつの間にかサタンが持っていた指揮棒が握られている。隣で震えた声を出しているのはペンネか・・・。
どうやら間に合ったみたいだ。今度こそ彼女を救おう。心の底からそう思った僕は彼女と狼獣人の間に割り込み、サタンの声を借りて詠唱えた。
「神霊操壁」
体から魔力が陽炎のように立ち昇った。
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