選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

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第1章 存在の意義

15話 夕方

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 同調したサタンから言われるままに狼獣人ワーウルフの胸元に指揮棒タクトを突き刺した。とても鋭利なタクトで抵抗もなく突き刺さった。意識をサタンに渡す。


『ふぉぉ、久しぶりに直接魂を吸えるわ~!』


 凄いはしゃいでるぞ。そのあまりのはしゃぎっぷりに笑っていると


『なんじゃ、お主も吸ってみたいのか?んん?』


 えっ、吸うことできるんですか?


『ものは試しじゃ、ほれ』


 サタンから意識をほんの少し戻してもらった。タクトを通してビリビリと衝撃が腕を上ってくる。衝撃があまりに強すぎたので慌ててサタンに意識を返した。


「殺す気か!」

『なんじゃ、こんなに美味いものを拒むのか』


 もう二度とやらないと心に決める。やれやれと言いながら彼女は食事きゅうさいを続ける。これが人間や獣人なら犯罪行為と取られてしまうが相手は魔獣だ。目を瞑って欲しい。


 粗方吸い終えたのであろう、少女サタンから意識が戻ってくる。そこでペンネをそのままにしていた事に気がつく。


 ペンネと神霊操壁の方を振り向く。無表情の彼女にしては珍しく口を開けて呆けている。僕が気を失っている間も戦っていたのであろう、泥と汗で顔が汚れている。へたり込んでいる彼女の方へ歩み寄る。


「ペンネ、大丈夫?」

 
 彼女の顔を袖で優しく拭いながら尋ねる。


「貴方、本当にアイル?」


 少し怯えたような声で尋ねてきた。自分ではどうなっているか分からない。意識の中にいるサタンに尋ねる。


「そんなに変わったかなぁ?」


『まぁ、お主の姿を知っている者は驚くのではないのかのぅ。天職ジョブ無しじゃったしの』


 サタンが笑いながら教えてくれた。

 
 それはさておき、いつまでも神霊操壁アイギスを出しておく訳にもいかない。サタンの力で出したモノだし。神霊操壁に向かって感謝を述べる。
 

「ありがとう、お疲れ様」


 彼女は此方に一礼すると光の粒子になった。そのまま僕の身体に吸い込まれていく。サタンにも操魂士の解除を告げる。体から熱が引いていく。手にはタクトが残ったがベルトに挟んでおいた。
 再度ペンネに声をかける。


「ありがとう、僕を助けてくれて」


 そういって彼女に手を差し伸べる。彼女はポカーンした表情からみるみるうちに目に涙を浮かべると次の瞬間、立ち上がり抱きついてきた。慌ててバランスを取る。


「バカァ、死んじゃったと思ったじゃないっ!」


 それから暫く彼女が静まるまで頭を撫でていた。








 サタンの指導のもと初々しい手つきで狼獣人ワーウルフから魔石や素材を回収しつつペンネに気を失っている間のことを話した。
 彼女は僕の意識の中の全ての王サタンに興味があるようで帰り道は僕を介して質問の嵐だった。


 行きとは違って帰りは久しぶりにペンネと話しながら家路を急いだ。


 冷えた空気の中、沈みゆく冬の太陽が僕らの背中を暖かく照らしていた。
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