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第1章 存在の意義
20話 初めての干渉
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☆
サタンに意識を貸した僕は彼女からよく見ておけと言われたのでサタンがやることを注意して見守る。
不思議な呪文だ。左目が淡い熱を持つ。どこかで聞いたことがあるかの様な安心感を覚え戸惑う。初めて聴いた呪文なのに・・・。
視界が闇に呑まれる。気づくと暗い闇の中をゆっくりと沈んでいるかの様な浮遊感を感じた。
サタンが僕の口を使い祝詞を詠み上げ始める。複雑な緩急をつけたその言葉に、呼応するかの様にペンネの体が淡く光り、周りの大地からは蜃気楼の様な魔力が渦を巻いて纏い始める。
彼女は慌てることなく自身に起きている変化を観察している様だ。
闇の中を緩やかに沈んでいくとナニカが座り込んでいた。こちらからは顔は見えなため、声をかけた。
『あのぉ・・・』
『誰ですか~、ほっといて下さい・・』
ぶっきらぼうな物言いで一蹴されてしまったが再度試してみる。
『すいません、少しお話ししませんか?』
『いい加減に・・・って、うひゃぁ!!』
顔を上げ此方を睨むなり驚きの声を発した。綺麗なお姉さんだ。すらっとした体はボンテージの服に包まれその手には黒表紙の分厚い本が握られている。銀髪の頭からは巻き角が生えている。
『だ、誰ですかぁ。ここは私しか魂の残滓は無かった筈です。何処から・・』
『僕はアイルといいます。貴方を迎えに来ました。僕に力を貸して頂けませんか?』
『その前に貴方は~・・・。あぁ~、サタン様の契約者ですか。分かりました、お力になりましょう』
彼女は僕の左目をチラリと見るとのんびりとした口調を改めて了承した。
『お声をかけていただきありがとうございます。この子の中は窮屈で住みにくかったのです』
彼女の発言から、どうやら此処はペンネの意識の底らしい。これが操魂士の力かと感覚を確かめ彼女と対話する。
『サタンからの指示で10割とはいきませんが彼女と同調することが可能です。如何しますか?』
『この子は真面目すぎるので私が同調した方が丁度いいのかもしれません。是非やって下さい。
ご紹介が遅れました。私、怠惰を司る悪魔の″ベルフェゴール″と申します。以後お見知り置きを~』
以前の様に光が降り注ぐ中、お姉さんは眠そうな口調でそう話した。
このポワポワした口調のお姉さん、まさかの大物であった。
・
・
・
☆
視界が白く反転する中、次第に周囲の景色が戻ってくる。ペンネの様子が気になりそちらを見た。
彼女だったとも思われる女性がへたり込んでいた。服装や持っている杖は特に変化はなかった。しかし容姿が変わりすぎている。
肩まで伸びていた蒼髪は光沢のある銀髪に変わり、2本の立派な巻き角が生えていた。シミのなかった肌も綺麗な小麦色に変化し、瞳も蒼色から金眼に変化している。
思わず大声を出してしまう。
「悪堕ちかよっ!!」
『「おいこら、どう言う意味だ」』
ペンネの口からベルフェゴールと混ざった美しいソプラノが響く。どうやら彼女にも聴こえている様だ。
「ちょっと、変わりすぎじゃない?」
『「ふ~ん、同調するとこんな感じなのね」』
焦って彼女にも確認してもらうがペンネは自分の体に起きた変化を興味深そうに観察している。暫くすると今度は膝を抱える。
「早く立たないと汚れちゃうよ」
『「動きたくない・・」』
まさか勤勉な彼女がこうもだらけている姿を見せるとは、怠惰の悪魔は思ったよりも力がある様だ。
その後、変化の解けた彼女は顔を赤くしながら執拗に忘れる様に言ってきた。
ベルフェゴールの仕業と分かっていても気にはなる様だ。彼女がベルフェゴールに勝てる日は来るのだろうか。
サタンに意識を貸した僕は彼女からよく見ておけと言われたのでサタンがやることを注意して見守る。
不思議な呪文だ。左目が淡い熱を持つ。どこかで聞いたことがあるかの様な安心感を覚え戸惑う。初めて聴いた呪文なのに・・・。
視界が闇に呑まれる。気づくと暗い闇の中をゆっくりと沈んでいるかの様な浮遊感を感じた。
サタンが僕の口を使い祝詞を詠み上げ始める。複雑な緩急をつけたその言葉に、呼応するかの様にペンネの体が淡く光り、周りの大地からは蜃気楼の様な魔力が渦を巻いて纏い始める。
彼女は慌てることなく自身に起きている変化を観察している様だ。
闇の中を緩やかに沈んでいくとナニカが座り込んでいた。こちらからは顔は見えなため、声をかけた。
『あのぉ・・・』
『誰ですか~、ほっといて下さい・・』
ぶっきらぼうな物言いで一蹴されてしまったが再度試してみる。
『すいません、少しお話ししませんか?』
『いい加減に・・・って、うひゃぁ!!』
顔を上げ此方を睨むなり驚きの声を発した。綺麗なお姉さんだ。すらっとした体はボンテージの服に包まれその手には黒表紙の分厚い本が握られている。銀髪の頭からは巻き角が生えている。
『だ、誰ですかぁ。ここは私しか魂の残滓は無かった筈です。何処から・・』
『僕はアイルといいます。貴方を迎えに来ました。僕に力を貸して頂けませんか?』
『その前に貴方は~・・・。あぁ~、サタン様の契約者ですか。分かりました、お力になりましょう』
彼女は僕の左目をチラリと見るとのんびりとした口調を改めて了承した。
『お声をかけていただきありがとうございます。この子の中は窮屈で住みにくかったのです』
彼女の発言から、どうやら此処はペンネの意識の底らしい。これが操魂士の力かと感覚を確かめ彼女と対話する。
『サタンからの指示で10割とはいきませんが彼女と同調することが可能です。如何しますか?』
『この子は真面目すぎるので私が同調した方が丁度いいのかもしれません。是非やって下さい。
ご紹介が遅れました。私、怠惰を司る悪魔の″ベルフェゴール″と申します。以後お見知り置きを~』
以前の様に光が降り注ぐ中、お姉さんは眠そうな口調でそう話した。
このポワポワした口調のお姉さん、まさかの大物であった。
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視界が白く反転する中、次第に周囲の景色が戻ってくる。ペンネの様子が気になりそちらを見た。
彼女だったとも思われる女性がへたり込んでいた。服装や持っている杖は特に変化はなかった。しかし容姿が変わりすぎている。
肩まで伸びていた蒼髪は光沢のある銀髪に変わり、2本の立派な巻き角が生えていた。シミのなかった肌も綺麗な小麦色に変化し、瞳も蒼色から金眼に変化している。
思わず大声を出してしまう。
「悪堕ちかよっ!!」
『「おいこら、どう言う意味だ」』
ペンネの口からベルフェゴールと混ざった美しいソプラノが響く。どうやら彼女にも聴こえている様だ。
「ちょっと、変わりすぎじゃない?」
『「ふ~ん、同調するとこんな感じなのね」』
焦って彼女にも確認してもらうがペンネは自分の体に起きた変化を興味深そうに観察している。暫くすると今度は膝を抱える。
「早く立たないと汚れちゃうよ」
『「動きたくない・・」』
まさか勤勉な彼女がこうもだらけている姿を見せるとは、怠惰の悪魔は思ったよりも力がある様だ。
その後、変化の解けた彼女は顔を赤くしながら執拗に忘れる様に言ってきた。
ベルフェゴールの仕業と分かっていても気にはなる様だ。彼女がベルフェゴールに勝てる日は来るのだろうか。
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