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第1章 存在の意義
37話 不穏
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☆
ー 翌週 キロスカ村 夕方 ー
北の森の一件から1週間、僕とペンネは森の巡察からの帰路についていた。
巡察といってもやることはほぼなく、紅狼や音の出ない笛で精霊か動物を呼び出して一緒に回る。
彼らの方が森は熟知しているし、僕らも彼らの生活について知ることができる。任務の内容とは裏腹に平和かつ勉強になるものだった。
紅狼戦以降、魔物の類は現れていないし村から北は安全圏であった。しかし・・・。
「また、商隊がやられたね・・・」
「うん・・」
僕とペンネが北側の巡察に当たってから程なくして毎日のように南からの商隊が被害を受けていた。日中は平和に見えるのだが、夜間に移動や野営をしている時に襲撃に遭うのだ。
闇夜のため、正体を正確には把握できていないが、不死魔物系の敵ではないかと言われていた。
魔物にも単体で生きる者もいれば群体を築くモノもいる。不死魔物系の多くは集団で襲ってくるためそれを考慮した考察なのだろう。
村まであと少し。なんだか嫌な空気を感じる足早に冒険者ギルドを2人で目指した。
・
・
・
☆
ー キロスカ村 冒険者ギルド ー
「南部の村が次々に陥落している!?」
冒険者ギルドヘ向い、巡察の報告をする。その後受付のルカさんと情報交換をする。耳を疑いたくなる内容であった。
村に魔物が入り込むことは其れほど珍しくない。その為、各集落でも外堀と柵、更に内堀と防衛策には力を入れることになっているはずである。加えて冒険者やその引退者など少なくとも村にはそうした者が5人以上はいるのが普通である。
其れが突破されかつ、陥落までしたというのだから驚きだ。しかもこれだけでなく既に被害が出ている村は少なくとも4つ以上。
キロスカ村や南の村も時間の問題である。
「聞いたところによると夜間に以上なまでの不死魔物達が現れては毎日の様に襲撃をしていた様です。皆さんが疲労困憊に陥り折れてしまった結果、内部までの侵入を許してしまったみたいで・・・」
「では、最近の南の村への街道の襲撃は・・・」
「はい、恐らく次はここと南の村に来るでしょう。聞いた話では珍しいことに指導者がいるらしいです」
魔物は通常、序列などは存在しない。集団はただの集団であって上下関係もなく、ただ数の暴力を繰り広げるのが彼らの集団戦法であった。
そのため、これまでは入り口を固めて少ない人数でも彼らに対処することが可能であった。
しかし、指導者がいると格が違ってくる。奴はいるだけで集団の知能が発達し、戦法にも変化が見られるという。
これは今のところ竜族に部類されている小型飛龍やゴブリンにしか確認されていない。
例えゴブリンと言えども、リーダーがいるだけで小賢しい立ち回りをしてくるため油断はできなかった。
不死魔物系のリーダーか。厄介なことになったとペンネと視線を交えコンタクトを取る。
「今日の南側の警備担当は?」
「西区に住んでいる方10名程で担当してもらう予定です。何か・・・?」
「今日から僕らも夜間警備に入ります。北の森は魔物や魔獣が殲滅されている様でしたし、週に1、2回で行います」
少し考える素振りをするルカさん。
「実は、村長さんからもここを放棄してシャンデア聖国の方に向かうかどうか審議しているのです。まだあちらの方が軍隊もあり安全ですから」
シャンデア聖国はアーク大陸中心に位置する大陸最大級の国だ。聖教を信仰し、魔物や魔獣に対して以上なまでの粛清を取ることで国民の安全を確保してきた歴史もある。
自然信仰をしている集落からは警戒をされてきたが、近年は魔物の襲撃に遭う集落も多く、シャンデア聖国に助けてもらう話も少なくない。
「聖国に状況を報告して騎士を派遣してもらえないのですか?」
「襲撃に遭いそうなのはここだけじゃないの。其れに聖国は聖国で守りを固め始めているため、こちらに戦力を避けないみたい」
ルカさんが悲痛な顔で訴える。俯いた顔は絶望が見え隠れしていた。
「安心してください。必ず襲撃を鎮静させて見せます」
ペンネが明るい声でそう宣言するとルカさんは、力のない笑みでこちらに微笑んだ。
ー 翌週 キロスカ村 夕方 ー
北の森の一件から1週間、僕とペンネは森の巡察からの帰路についていた。
巡察といってもやることはほぼなく、紅狼や音の出ない笛で精霊か動物を呼び出して一緒に回る。
彼らの方が森は熟知しているし、僕らも彼らの生活について知ることができる。任務の内容とは裏腹に平和かつ勉強になるものだった。
紅狼戦以降、魔物の類は現れていないし村から北は安全圏であった。しかし・・・。
「また、商隊がやられたね・・・」
「うん・・」
僕とペンネが北側の巡察に当たってから程なくして毎日のように南からの商隊が被害を受けていた。日中は平和に見えるのだが、夜間に移動や野営をしている時に襲撃に遭うのだ。
闇夜のため、正体を正確には把握できていないが、不死魔物系の敵ではないかと言われていた。
魔物にも単体で生きる者もいれば群体を築くモノもいる。不死魔物系の多くは集団で襲ってくるためそれを考慮した考察なのだろう。
村まであと少し。なんだか嫌な空気を感じる足早に冒険者ギルドを2人で目指した。
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ー キロスカ村 冒険者ギルド ー
「南部の村が次々に陥落している!?」
冒険者ギルドヘ向い、巡察の報告をする。その後受付のルカさんと情報交換をする。耳を疑いたくなる内容であった。
村に魔物が入り込むことは其れほど珍しくない。その為、各集落でも外堀と柵、更に内堀と防衛策には力を入れることになっているはずである。加えて冒険者やその引退者など少なくとも村にはそうした者が5人以上はいるのが普通である。
其れが突破されかつ、陥落までしたというのだから驚きだ。しかもこれだけでなく既に被害が出ている村は少なくとも4つ以上。
キロスカ村や南の村も時間の問題である。
「聞いたところによると夜間に以上なまでの不死魔物達が現れては毎日の様に襲撃をしていた様です。皆さんが疲労困憊に陥り折れてしまった結果、内部までの侵入を許してしまったみたいで・・・」
「では、最近の南の村への街道の襲撃は・・・」
「はい、恐らく次はここと南の村に来るでしょう。聞いた話では珍しいことに指導者がいるらしいです」
魔物は通常、序列などは存在しない。集団はただの集団であって上下関係もなく、ただ数の暴力を繰り広げるのが彼らの集団戦法であった。
そのため、これまでは入り口を固めて少ない人数でも彼らに対処することが可能であった。
しかし、指導者がいると格が違ってくる。奴はいるだけで集団の知能が発達し、戦法にも変化が見られるという。
これは今のところ竜族に部類されている小型飛龍やゴブリンにしか確認されていない。
例えゴブリンと言えども、リーダーがいるだけで小賢しい立ち回りをしてくるため油断はできなかった。
不死魔物系のリーダーか。厄介なことになったとペンネと視線を交えコンタクトを取る。
「今日の南側の警備担当は?」
「西区に住んでいる方10名程で担当してもらう予定です。何か・・・?」
「今日から僕らも夜間警備に入ります。北の森は魔物や魔獣が殲滅されている様でしたし、週に1、2回で行います」
少し考える素振りをするルカさん。
「実は、村長さんからもここを放棄してシャンデア聖国の方に向かうかどうか審議しているのです。まだあちらの方が軍隊もあり安全ですから」
シャンデア聖国はアーク大陸中心に位置する大陸最大級の国だ。聖教を信仰し、魔物や魔獣に対して以上なまでの粛清を取ることで国民の安全を確保してきた歴史もある。
自然信仰をしている集落からは警戒をされてきたが、近年は魔物の襲撃に遭う集落も多く、シャンデア聖国に助けてもらう話も少なくない。
「聖国に状況を報告して騎士を派遣してもらえないのですか?」
「襲撃に遭いそうなのはここだけじゃないの。其れに聖国は聖国で守りを固め始めているため、こちらに戦力を避けないみたい」
ルカさんが悲痛な顔で訴える。俯いた顔は絶望が見え隠れしていた。
「安心してください。必ず襲撃を鎮静させて見せます」
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