選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

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第1章 存在の意義

48話 布陣

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 あれから更に一刻(1時間)程掛け、防柵を施した。防柵だけだった頃とは見違えるほどの設備だ。
 元々あった防柵の更に外側に二重もの水堀と柵があるのだ。街道ルート以外からの侵攻は困難を極めるだろう。
 

 一部海と面している所は何も設置されていないが奴らがそこから侵攻しないとは限らない。
 再度、音の出ない笛を取り出し思いっきり吹いた。


 水面が波立つ。しかし、そちらを見ても特に変化はない。そ~っと覗き込む。水面に反射して映る僕の顔の後ろに女性の顔が見えた。


 女性は微笑みながら此方を見ている。後ろを振り返ってもそんな女性ヒトはいない。もう一度水面を見る。


「私は水の精霊、ウンディーネ。貴方が私を呼んだのですか?」


「初めまして、アイル・トワイライトと言います。私の呼びかけに応えて下さりありがとうございます。水の精霊にお願いがあって呼び出しました」


「はい、何でしょう?」


「近々、魔物の群体がこの村を襲うと思われます。其れに対抗するため水魔を何人かお借りしたいのですが・・・」


「左様ですか。分かりました、此方からも協力させて下さい。人が繁栄しなければ我々精霊に対しての信仰心は薄まり、我らの力も弱くなってしまいます。是非共に戦いましょう」


「有難うございます。早速なんですが・・・」


 こうして、水魔を借り海側をカバーすると同時に水堀からの遊撃も可能にした。守りはバッチリだ。


 僕らも相談をしつつ、各自の配置先を決めた。北側をユラさんと紅狼。東側をペンネとウンディーネ。そして、南側は僕が担当することとなった。


 そして、夕方。防柵沿いに篝火を焚いて、奴らが来るのを待つ。








 夜。南側から魔力を感知する。空に向かい、火炎弾ファイアを放つ。東側からは遅れて照明弾シャイニング、北側からは火炎弾が上がり、伝達は出来たようだ。


 正面に向き直す。風に乗って声が聞こえる。しかし、話し声ではなく呻き声だ。火炎弾によって奥までは見えないが手前側は見える。
 100m程先まで迫ってきていた。先頭の魔物を見た瞬間、思わず一歩後ずさった。


 見渡す限り、骸骨むくろ、骸骨、骸骨。


 大きな骸骨もあれば、子供サイズの骸骨もある。手にしている武器も様々で、剣や槍もあれば熊手、フライパンなど家庭用具などを手にしている骸骨もある。人間の骨だけでなく、大型獣の骨もあるようで牙の生えた動物の骸骨もあった。


 目に見える範囲だけでも前回の比ではない。思わず弱気になったが此処で負ける訳にはいかない。
 そう思い直し、地獄の王サタンと同調した。身体中から溢れる魔力を感じると先程の恐怖心は消え、冷静さを取り戻す。


『そうじゃ、お主の負の感情は我が全部喰らい尽くす。思う存分闘うが良い』


『ありがとう、サタン。お陰で落ち着いたよ』


『うぬ、其れよりも先ずは此奴らからじゃ。この群体、前回同様で必ず指導者リーダーがいるはず。まずはそいつから探そうか』


『うん、先ずは敵の弱体化をしてから闘おう』


 そう言うや否や僕は魔術を掛けながら駆け出した。のちにキロスカの防衛と呼ばれるこの戦いの火蓋が切って落とされた。
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