選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

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第1章 存在の意義

52話 大将戦

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ー キロスカ村 南門 ー アイル視点


 炎を纏った風の鞭ウィンド・ウィップ白骨死体スカル達を屠っていく。打撃が通過した後には燃え盛る火だるまが残り、やがて崩れていく。


 未だ敵の指導者リーダーには会えていないが、鞭のおかげで効率よく敵を処理していく。ちまちま斬撃を放っていたのが馬鹿らしくなってくる。


 そんことを考えていると、スカル達が足を止めていることに気づく。こちらから攻めても良いが、背中が開いてしまい。村へ侵攻されてしまう。嫌な間合いである。


 鞭の長さを伸ばそうか考えていると、スカル達の奥から一際大柄なスカルが出てきた。手にし戦斧は乾燥した血がこびりついており、右手に埋め込まれた鉱物は先日の日でないほど禍々しさを放っていた。


 村がいつまで経っても陥落しない為、態々前線に来たようだ。


『「貴方がこの群体の指導者か」』


「・・・ヶ、・レ・ヶ・・・」


 誰何してみるがブツブツと呟いている為ハッキリとは聞き取れない。


一歩前へ踏み出したところ、窪んだ眼窩をこちらに向け


「ツレテケエェェェ!!!」


 低くしわがれた声ではっきりと叫んだ。叫びに合わせて鉱物も黒く発光していく。
 

 紅狼戦以来の武者振るいにサタンが歓喜の声を上げる。


『征くぞ、アイル。此奴を倒せばこの群体は士気がなくなる。此処が勝負どころじゃ』


『待って、様子がおかしい』


 白骨頭首スカル・トップと周りにいたスカル達が鉱物の光の中に呑み込まれていく。その口は笑っているように見えた。嫌な予感がし、タクトを振り上げ風の鞭を見舞わせる。


 光の中から5本の戦斧が伸び鞭を断ち切った。魔力で練り上げた鞭だ。よっぽどの切断力がなければ切れることは決して無い。
 魔力の操作がなくなった鞭の先端が地面を叩きつけ、砂埃が立ち上る。


 砂埃が舞う中、鉱物の発している光はしっかりと見える。


 砂埃の中から先ほど見た5本の戦斧が現れ、地面に食い込む。次いで現れた姿を見て、思わず後ずさる。恐怖による者では無い。巨大なのだ。


 次に見えたのは白の球体のものだった。白く、ひび割れたそれが最初は何か分からなかった。しかし、球体は向きを変えたかと思えば2つの黒の空間がこちらを向く。


 それは頭蓋骨だった。


 下半身は未だ砂埃に覆われている。しかし、立ち上がれば間違いなく10m程の巨体になるだろう。
 指の代わりに先ほど見た5本の戦斧が生えている。あれに握られたら一巻の終わりだろう。


 白骨頭首は魔力の過剰吸収により、周りのスカルを取り込んだのだ。
 







 後から聞いた話ではソレは、古の時代に東の国で言い伝えられてきた魔物だという。


 その名を餓者髑髏がしゃどくろと言うそうな。








『「おおぉ」』


 思わず声を出してしまった。元々大柄だったスカルがその体躯を3倍程まで大きくなったのだ。威圧感が半端では無い。


 風の鞭を断ち切った指代わりの戦斧が一番の脅威と考え、再度鞭を使い、肩の付け根辺りを狙う。
 しかし、反応速度は早いのか、見切られて先ほどのように断ち切られてしまった。


『「鞭はダメか・・・。ならこれはどうだ!」』


 指揮棒タクトから伸びる魔力を切り、思い切り刺突した。魔力がタクトの先端に集まり、凝縮されていく。


 やや時間をおいて、先端からレーザーの様に細く鋭い衝撃波が餓者髑髏に刺さる。


 肩の付け根に当たった衝撃波は骨を抉り、後方に突き抜けていく。右肩から先が地面に落ちる。其処に火炎の柱フレイム・ピラーを唱え、燃やし尽くす。


 片腕を切り落とすことは成功し、安堵のため息をついた。その一瞬が命取りになるところであった。


 片腕を失ったことなど気にするそぶりもなく餓者髑髏は素早く間合いを詰めると、反対の腕で殴りつけてきた。
 斧の部分でなく柄の部分だった為、体が真っ二つになりはしなかった。


 しかし、打撃の威力は凄まじく、防柵に激突するまでの間10m程は弾き飛ばされた。


 同調によりサタンの加護はあれども生身だったのがいけなかった。遠距離戦は敵なしのアイルでも、近距離に持ち込まれるとほぼ何も出来ない。



 其処へ餓者髑髏の追撃が入る。今度は斧の部分で斬りつけようと五指を叩きつけた。









 捉えたと思った餓者髑髏。土煙が晴れると其処には何も無かった。
 あれだけの怪我だ。避けるにしてもそれ程遠くまではいけまい。


 そう判断すると近くを見渡す。しかし、いくら探せど奴はいなかった。


 視認はできないがまあいい。防柵の一部は破損し、奴もいなくなったことでようやく村を襲える。


 本能で仲間を増やそうとするスカル。本能に従い、村へ向け歩み始めた時だった。



 横から煌めく光が見えたかと思えば先行していたスカル達が蒸化されていく。


 飛来してきた方を向くと頭からは流血し片腕を抑えた、先ほど逃した奴がいた。
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