選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

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第2章 南方戦記編

5話 意外な客

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「此処、邪魔しますね」


 此方の返事もなしに、僕から少し離れたところでシャーネが腰を下ろした。


 焚き火のおかげで地面は乾いているが、まだ冬の季節。あれでは体に悪いだろう。


「良かったら、どうぞ」


 彼女にバックから取り出した予備のローブを渡す。彼女はそれを顔を背けたまま手に取り、肩から羽織った。


 暫くお互いに無言の時間が下りる。ペンネやユラさんといる時は感じない、なんだか落ち着かない空気。


 何か喋ろうとした時であった。


「今日は、ありがとうございました。お蔭で被害も極減。重傷者も助かり感謝しています」


 彼女の口から小さいがはっきりとした声が聴こえる。頑なに此方を見ないのは少々気になるが、コミュニケーションを取ろうとしてくれたのだ。
 昼間はどこか避けられている雰囲気があった為、意外であった。


「此方こそ、出過ぎた真似をしました。貴方方も村を襲われた身。助けるのは当然でしょう」


「あら、何故その様なことを仰るのでしょうか?私達からはそんなことを申し上げていませんよ?」


 驚いたと同時に少し警戒の気が読み取れる。同調した姿を見られたのはやはり、痛かったなぁ。


「此処最近、大陸南部の村や集落が魔物に襲われる事件が多発しています。先日も我々の村が襲われました。


 先程の発言は完全に憶測ですが、調査団の中には南方から者もいます。


 気分を悪くしたならすいませんでした」


 あえてユラさんのことを教える必要もない。僕が禁術を使って蘇生させたなど知られたら今度こそ魔法を撃たれるだろう。


 それくらい人にとっては悪魔は忌諱されているのだ。


「いえ、魔物共に襲われたことは事実ですし、ドライアドを守りきれなかったのは我々の落ち度です。気にすることはありません。


 今此処にきたのは昼間、ウチの青年を助けてくださったお礼を言いに参ったのです」


「頭を上げてください。此処には僕と貴方しかいない。誰も見ていないのです。礼儀など要りません」


「そう言ってくださると心が軽くなります。ありがとう」


 ふぅ、と彼女は小さく息を吐くと真面目な表情で此方に尋ねた。


「貴方方は一体何者なのですか?の人ではない様ですが・・・」


「僕らの外見のことですか?説明はし辛いのですが・・・。


 そうですね、命を落としかけた際に契約した。といったところでしょうか?


 彼等も決して悪いモノではないのだなと痛感しました」


「命を救って頂いた貴方方なら理解はできますが、他の方にとっては如何でしょう?この一連の騒動は彼等の仕業ではないのですか?」


 真剣な表情でそんなことを尋ねられる。彼女は僕の中にいる地獄の王サタンには気づいてはいるがどんな存在なのかは知らないのだろう。


 サタンに意識を渡す。


『「お主が言いたいことは分かった」』


 凛とした声が僕の口から発せられる。シャーネはそれを聞いて驚いたのか目を大きく見開く。


「あ、貴方は昼間の・・・」


『「如何にも、我がアイルに力を貸しているサタンという者じゃ。お主らには地獄の王として知られておるがな」』


「貴方がこの騒動を引き起こしているのですか?」


 シャーネは震える声で問う。杖を握る右手は杖が折れるのではと思うほど強く握りしめられている。
 彼女を気の毒に思いながらもサタンが語る。


『「お主たちは我の存在を誤解しがちじゃが、我の仕事は魔物なんぞの管理ではない。


 我の仕事は冥界に来た魂の救済。現世に干渉することはまず無い。それだけは理解してくれ」』


「では、なぜ其処の彼には力を貸しているの?干渉しないはずでは?」


『「其方にも、折角じゃから教えてやろう。生きる全てのものが持つというものを」』


 サタンは、僕の身体であぐらを作りながら彼女に語り出した。




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