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第2章 南方戦記編
4話 奇蹟
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☆
「奴等、一体どうするというの?」
シャーネ達難民がイライラした表情で僕らの周りを取り囲む。側から見たら外見は悪魔の様なので無理もない。
敵対しているとまではいかないが明らかに警戒している。
幼児の手に引かれ、着いた場所は先程の戦闘地からほんの少し離れた所だった。
地面に横たわる男性の口からは血が噴き出た跡が残り、地面を濡らしていた。
呼吸は浅く、顔色が悪い。服をはだけるとお腹の辺りに内出血の痕が残る。
『「じゃあ始めるわね」』
ペンネはそう言うと、目を閉じ詠唱を始めた。
『「超回復」』
杖が白色の光を放ち、杖の頭から出た白濁とした魔力が彼の体に纏わりつく。
魔力が彼の体の中に吸い込まれて行く。一同が固唾を飲み見守る。幼児が男性の手を握り、一心に祈る。
「ぅう・・・」
男性が呻き声を上げ、反応を示す。顔色は熱を帯びたのか明るい色になり、お腹の内出血の跡が消えていく。ペンネの白属性聖級魔術が効いてきた様だ。
彼の手当てをペンネに任せて、僕とユラさんは亡くなった犠牲者の供養を行う。雪を火炎で溶かし、地肌を露出させるとユラさんが糸の魔術で硬い板状に近い岩を持ち上げ穴を開けて行く。
操り人形の様に器用に石を使い、地面を穿つと犠牲者を穴に入れ火炎弾で焼き払う。少し待つと穴の中には僅かな骨を残し、鎮火した。
白骨頭首の襲撃で、これだけ犠牲者が少ないのだ。運が良かった。指導者なのに仲間がいなかったのが幸いしたのだろう。
人垣から歓声が上がる。そちらを見やると横たわっていた男性が幼児を抱えて、涙しながらペンネに頭を下げていた。
ペンネも微笑みながらそれに答える。彼女の笑顔を見て、男性が赤面する。
そんな光景を見ていると、胸の内がモヤモヤしてきた。
『これアイル、あんまり嫉妬しすぎると面倒なことになるぞ』
『別に、嫉妬している訳じゃ・・・』
念話で地獄の王から指摘される。彼等の様子を見て心が少し痛かった。
・
・
・
街道沿いの林の中でその日は野営をすることにした。難民達の体力的にもこれ以上の行軍は無理と判断し、大事を取ったのだ。
難民に口外しないことを約束させ、音無し笛で地の精霊を呼び、風上に向かって土の壁を作る。
薪は雪で凍っていたが、火属性魔法の前では無意味だ。高火力で水分を飛ばし、暖を取る。
疲労の少ない僕たち調査団が警備を買って出て、彼等を休ませた。
「・・・」
頭の中で昼間の光景を思い出す。ペンネが助けた青年と彼女が微笑み合う姿。周りには生還を心から祝っており、入る余地もなかった。
胸が締め付けられる様な感覚に陥る。別に僕は彼女の彼氏では無い。しかし、この胸の切なさは一体・・・。
そんなことをグルグルと考えていると、背後から足音が聞こえる。
まだ交代の時刻では無いはずだ。気になりそちらに目を向ける。
意外にも其処に立っていたのは、不機嫌そうな顔をしたシャーネであった。
「奴等、一体どうするというの?」
シャーネ達難民がイライラした表情で僕らの周りを取り囲む。側から見たら外見は悪魔の様なので無理もない。
敵対しているとまではいかないが明らかに警戒している。
幼児の手に引かれ、着いた場所は先程の戦闘地からほんの少し離れた所だった。
地面に横たわる男性の口からは血が噴き出た跡が残り、地面を濡らしていた。
呼吸は浅く、顔色が悪い。服をはだけるとお腹の辺りに内出血の痕が残る。
『「じゃあ始めるわね」』
ペンネはそう言うと、目を閉じ詠唱を始めた。
『「超回復」』
杖が白色の光を放ち、杖の頭から出た白濁とした魔力が彼の体に纏わりつく。
魔力が彼の体の中に吸い込まれて行く。一同が固唾を飲み見守る。幼児が男性の手を握り、一心に祈る。
「ぅう・・・」
男性が呻き声を上げ、反応を示す。顔色は熱を帯びたのか明るい色になり、お腹の内出血の跡が消えていく。ペンネの白属性聖級魔術が効いてきた様だ。
彼の手当てをペンネに任せて、僕とユラさんは亡くなった犠牲者の供養を行う。雪を火炎で溶かし、地肌を露出させるとユラさんが糸の魔術で硬い板状に近い岩を持ち上げ穴を開けて行く。
操り人形の様に器用に石を使い、地面を穿つと犠牲者を穴に入れ火炎弾で焼き払う。少し待つと穴の中には僅かな骨を残し、鎮火した。
白骨頭首の襲撃で、これだけ犠牲者が少ないのだ。運が良かった。指導者なのに仲間がいなかったのが幸いしたのだろう。
人垣から歓声が上がる。そちらを見やると横たわっていた男性が幼児を抱えて、涙しながらペンネに頭を下げていた。
ペンネも微笑みながらそれに答える。彼女の笑顔を見て、男性が赤面する。
そんな光景を見ていると、胸の内がモヤモヤしてきた。
『これアイル、あんまり嫉妬しすぎると面倒なことになるぞ』
『別に、嫉妬している訳じゃ・・・』
念話で地獄の王から指摘される。彼等の様子を見て心が少し痛かった。
・
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街道沿いの林の中でその日は野営をすることにした。難民達の体力的にもこれ以上の行軍は無理と判断し、大事を取ったのだ。
難民に口外しないことを約束させ、音無し笛で地の精霊を呼び、風上に向かって土の壁を作る。
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「・・・」
頭の中で昼間の光景を思い出す。ペンネが助けた青年と彼女が微笑み合う姿。周りには生還を心から祝っており、入る余地もなかった。
胸が締め付けられる様な感覚に陥る。別に僕は彼女の彼氏では無い。しかし、この胸の切なさは一体・・・。
そんなことをグルグルと考えていると、背後から足音が聞こえる。
まだ交代の時刻では無いはずだ。気になりそちらに目を向ける。
意外にも其処に立っていたのは、不機嫌そうな顔をしたシャーネであった。
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