2 / 10
第二話 新人研修
しおりを挟む
新人研修が始まった。
まずは総務課長から、社内規定に関するお話しがあり、眠たい話が続く。
朝は見る暇が無かったが、休憩時間に周りを見渡した。自然と配属先のメンバーで固まって座っている。道夫達も同じである。
女性だけのグループ、男女混合のグループとあり、彼女のいない道夫は羨ましそうに見てしまう。
「あかん、あかん、そんな目で見てたら、"イケミチ"どころか"エロミチ"ってあだ名がついてしまう」と独り言。
でも、前から2列目の女性だけのグループに釘付けになった。道夫のドストライクの女性が座っていた。
それ以降の講義は、全く頭に入らなかった。
次の日も同じである。なんとか所属と名前がわからないものかと、必死で聞き耳を立ていたが駄目だった。
10日目、事務系の研修は今日までという事で、対象者が一人ずつ研修の成果発表を行うそうだ。道夫はガッツポーズを作り、今日こそはと聞き耳を立てて話しを聞いた。
その甲斐あって、総務部の佐々木萌絵さんだという所属と名前がわかった。
明日からはシステム部門だけの研修になると、いよいよ内容も専門的な講義となり、難しくなった。
講師はシステム課の課長が主に担当を割り振っていた、今日はシステム三課の山田課長だ。
自分の所属部署の課長が講師となると、失敗は今後の評価にも繋がるし、真剣勝負なのだ。
薄い赤のシャツにタイトスカートで入って来た山田課長、会議室が一瞬"オー"となるほどかっこいい。講義の説明も解りやすく新入社員には好印象で、休憩の間も三課はいいなぁとの声が他の部署から聞こえたのも最初だけだった。
「はい、今から午前中の講義がどれほど理解できたかテストを行います。」
問題が配られた。
「…、難しい」
テストが終わると解答を、当てられた人が答え、その理由まで発表させられる。
間違えると、ちゃんと話し聞いていたのかと罵られる。午前中の好印象は何処に行ったか、皆下を向いている。
道夫が当てられた。しかもあだ名で。
「次、イケミチ君!」
他の部署の人間は、まだ名前も覚えられて無いので、"イケミチ"が本名だと思われるじゃないか、と道夫は憤る。
「○○です。」と解答を言うと、
「ブー!」と言われ、正解と理由を山田課長が説明してくれた。
「私、男前には優しいの…」と付け加え。
「えー!」とあちらこちらから不平の声があがった。
道夫はホッと胸を撫で下ろして座った。
こうしたエコ贔屓な二ヶ月間の研修も、やっと終わりそれぞれが配属部署ヘ戻って行った。
まずは総務課長から、社内規定に関するお話しがあり、眠たい話が続く。
朝は見る暇が無かったが、休憩時間に周りを見渡した。自然と配属先のメンバーで固まって座っている。道夫達も同じである。
女性だけのグループ、男女混合のグループとあり、彼女のいない道夫は羨ましそうに見てしまう。
「あかん、あかん、そんな目で見てたら、"イケミチ"どころか"エロミチ"ってあだ名がついてしまう」と独り言。
でも、前から2列目の女性だけのグループに釘付けになった。道夫のドストライクの女性が座っていた。
それ以降の講義は、全く頭に入らなかった。
次の日も同じである。なんとか所属と名前がわからないものかと、必死で聞き耳を立ていたが駄目だった。
10日目、事務系の研修は今日までという事で、対象者が一人ずつ研修の成果発表を行うそうだ。道夫はガッツポーズを作り、今日こそはと聞き耳を立てて話しを聞いた。
その甲斐あって、総務部の佐々木萌絵さんだという所属と名前がわかった。
明日からはシステム部門だけの研修になると、いよいよ内容も専門的な講義となり、難しくなった。
講師はシステム課の課長が主に担当を割り振っていた、今日はシステム三課の山田課長だ。
自分の所属部署の課長が講師となると、失敗は今後の評価にも繋がるし、真剣勝負なのだ。
薄い赤のシャツにタイトスカートで入って来た山田課長、会議室が一瞬"オー"となるほどかっこいい。講義の説明も解りやすく新入社員には好印象で、休憩の間も三課はいいなぁとの声が他の部署から聞こえたのも最初だけだった。
「はい、今から午前中の講義がどれほど理解できたかテストを行います。」
問題が配られた。
「…、難しい」
テストが終わると解答を、当てられた人が答え、その理由まで発表させられる。
間違えると、ちゃんと話し聞いていたのかと罵られる。午前中の好印象は何処に行ったか、皆下を向いている。
道夫が当てられた。しかもあだ名で。
「次、イケミチ君!」
他の部署の人間は、まだ名前も覚えられて無いので、"イケミチ"が本名だと思われるじゃないか、と道夫は憤る。
「○○です。」と解答を言うと、
「ブー!」と言われ、正解と理由を山田課長が説明してくれた。
「私、男前には優しいの…」と付け加え。
「えー!」とあちらこちらから不平の声があがった。
道夫はホッと胸を撫で下ろして座った。
こうしたエコ贔屓な二ヶ月間の研修も、やっと終わりそれぞれが配属部署ヘ戻って行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる