おしゃぶりを咥えたイケメン

ハル

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火の巻

6. 三人そろう時

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 ソラと水月と炎佳の3人は、朝から学校の図書室で話し合っていた。

「ホノカ凄い事をやるのねぇ?」

「困ってる人を見ると何かしたくて…」

「それでどうやって雪を溶かしたの?…」

「鉄パイプをバンパーの端にガムテープで括り付けて、後は呪文で鉄パイプの先から炎が出るように祈っただけ…かな」

「かなぁって、その時と同じ様な事の出来る装置を作れれば解決するんだけど…」

「なら、こういうのはどう?…カセットボンベのガスを鉄パイプの中にとうして…」

「ダメだよ、危ない物を使ったりしたら、それこそ逮捕されてしまうよ!…」

「キャンプファイヤーのような薪を鉄パイプに付けてそれを燃やしたってのは?」

「それいいかも、単純だけど、誰もがそうなんだって思うかも知れない…」

「テレビも危険な事だから実証実験みたいな事は放送出来ないだろうし…それでいいんじゃないかな?」

「それより、その女子高校生が私達じゃ無いってしらを切れば済む事じゃない?…」

「本当だ、それ最初に言ってよホノカ…」

「ごめん、あなた達が必死だったから言い出せなくて…」

3人はクスクスと笑い、しらを切る事を採用した。

テレビ局のスタッフもただ女子高校生っていうだけで、何万といる一人一人に尋ねる訳にもいかず、3日も経てばすっかり話題から消え去った。

数日経った帰り道、水月が炎佳の能力の事を尋ねた。

「ホノカの能力って今回は炎だったけど、鉄パイプの先から水を出す事もできるの?…」

「それは出来ない!…火に関する事だけかなぁ?…だから火事とかの火を逆に水も無く消す事はできるよ…」

「そうなんだぁ、何かアイテムはあるの?」

「あるよ、こっちの眼鏡…これを付けてる時に祈るの…こうやって」

炎佳が人差し指を立てると、指先から突然炎がライターのようについた。

それを水月がリップを塗って同じように指先から水を出して消した。

それを観ていたソラは、咳払いをして2人を注意したが、耳に入らないのか今度は、水月と炎佳のアイテムを交換して同じ事をやってみたが出来なかった。

「能力って人も出来る事も限定なんだね…」

「だね…」

3人は今初めてその事を知った。

「?でも、ソラ、随分前だけど携帯燃やしたよね?…ソラはなんでも出来るの?…」

「出来ないよ、あれは携帯が取込む空気を止めて熱暴走させて燃やしたんだよ…だから僕は空気とかそっち系かなぁ?」

「水月だって、写真のスエットをスカートに変えたじゃん?」

「あれは、塗り絵みたいなもんでしょ…元ある画像に上から違うドットを流し込んだって事かな?…だから小さな事は大体できるんだって…」

お互い頷きあった。

「でもいい事に使おうとする気持ちは一緒だね…」

「そうだね、そういう人が神様から選ばれてるのかなぁ」

3人はそれぞれに選ばれた人間って事に喜びを感じると、顔がクシャクシャになる程の笑顔になった。
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