目指せ!追放√

紅野 雪菜

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第一章 schola

balnea

入学日の次の日、俺は半日をベッドの上で過ごした。
扉の向こうから聞こえて来る、新入生達の談笑や忙しい騒音。早速生徒同士の交流が始まっているらしい

俺には関係の無い世界。
小学校の時だってそうだった、クラスの奴等は俺が見えて無いかの様に仲間と連む
俺は休み時間に決まって、女々しくも独りで人気の無い図書室の文庫本を読み耽っていて居た人間で、決してグラウンドに出てはしゃぎ回る人間では無かった。

教師はそんな俺を見兼ねてよく注意をしていたんだっけ

▼△▼△


はぁぁー、さっむ、マジクソ寒い。
暖炉の使い方?火の灯し方わっかんねーし、朝から薄い毛布に包まってベットから動けない
冷え性な所為か、足が死体みたいに冷たいし
寒過ぎワロタ。てか、腹減った 

そして唐突に、思い出したかの如く、空腹感がくぅくぅと襲う
一緒に持って来た革製のメッセンジャーバッグに手を伸ばして中を漁る

「あった、あった」

ローグレードの店でセールか何かで、安く売り出されてたレーションを数十個程買い溜めていたのだ。
これで暫くは持つだろうな
この体と見合って胃は小さくて、少食気味だが安く済むし。

エイド缶に入っている、一缶三個入りのレーションをモソモソと隠れ食いする様に食べ、腹を満たす。
哀しいかなプレーン味だから、あまりソレと言った味はしない。
チョコ味も売ってたが、アレはめちゃ高かった
プレーン缶四つ分で、やっと一缶買える値が張っていて見た時ビックリした。
まぁ、菓子類が高値の世界なのだからそれ程驚きはしなかったが…
甘党の俺からすると、あまりにも残酷な世界だとは思う。平民は甘い物すら満足に口に入れる事は出来ないのだから

舌がパサつくので、平べったいスクエア型の携帯水筒を取り出して水をちびちびと飲んで喉を潤した。
この世界の清水は貴重なので、大事に飲まないとすぐに無くなってしまう。菓子と言い清水と言い、世知辛い…

それにしても、さぶい…
あの時序に、メルから暖炉の灯し方教えて貰っときゃ良かったと後悔した。
今からでも会って、ご教示願うとしてもインペラトル生前期だし忙しそうだしなー

寮長とか何処に居るかも分からんし、他の寮生に聞くとしてとコミュ障の俺はちゃんと話せるだろうか?吃って、何だコイツとか思われたりとか………
あああっ、考えただけでも恥ずかしい!

おっ、ちょっと待った…。この部屋風呂付きだったよな??アシェプお風呂シーンあったよね? 

じゃぁ、寒いなら風呂入れば良いんじゃね??

うわー、完全にその選択肢飛んでたわ。半日前の俺に教えてやりてぇ
風呂入れば体温まるし、体も綺麗になるし一石二鳥!思い立ったら速行動!


重たい身体を起こし、視界にすら入らなかったもう一つの扉にガチャリと手を掛ける。
扉の先は少し広々とした洗面室あり、更に扉が二つあった

入口から一番近い扉を開くと、憚りトイレがあった。どうやらボットン式らしい…

もう少し奥の扉を開くと、予想通り浴室がそこに広がっていた。存外とデカいな
扉手前の横には、脱衣籠の様な物が置かれていた。

確か精製水石と発熱石で風呂を沸かすんだっけ、どれどれ…

浴室の中を見渡すと、不自然にポツンとタイルに箱が置かれていたので開けてみると目当ての物があった。
どちらも宝石と底ら辺に落ちている石が組み合わさった様な形状をしていた。
宝石で言うと、ブルートパーズみたいな色の方が精製水石で、ガーネットみたいな色をしている方は発熱石だろう

早速、試しに魔力というモノを精製水石に流してみる。目を閉じてゆっくりと感覚を研ぎ澄まして、魔力を石に流すイメージをする

暫く、腹に力を入れる感じで ぐぐっ と体を強張らせていると、ぴちゃっと音と共に手が少し濡れる感覚がして目を開けると、ちょろちょろ とだが水が石から漏れていた…!
おぉ…と感激して気持ちが昂ると、それに合わせてなのか精製水石からは壊れた水栓の如く水がザバァと溢れ出て来て慌てて、浴槽に石を投げ込む。

なる程、コツは何か掴んだ気がする

二つ目の発熱石にも、精製水石と同じ要領で魔力を流し込んで浅い水が張っている浴槽に ちゃぷん と放り込んだ。
後は傍観しているだけで、ものの十分程でお風呂が完成して、体を清め温め出た。

ふぅ…やっぱ風呂は偉大だわ
垢が落ちるって感じが、風呂上がりには堪らなく感じる!

寝間着に着替えて、髪をタオルで適当に拭いて部屋に戻ると、丁度扉から コンコン とノックが聴こえて来た。 
こんな時間に何だろうと、扉を不用心に開けると今朝振りのメルクリウスが立っていた。

「その格好…もう寝るのか?」

メルは今朝声を掛けた時と同じ様に頭から足先を上下に見ていた。デジャヴ 

「あぁ、寒かったから風呂に入った」

「お前、歓迎会来ないつもりか?」

「歓迎会…?」

首を傾げて訝しむ

「そうだ、新入生のな。まぁお前は昔から人が多いのが苦手だから仕様が無いと思うが、旨い晩餐も出るし来ないか?」

「あー、じゃぁ出る」

令矢の頭の中は絶賛「飯!タダ飯!」と賤しい言葉で埋め尽くされていた。

「その前に髪乾かして」

メルは確かそう云う魔法を修得していた筈だ。

「はいはい、時間ないから直ぐ終わらせるぞ」

と言って令矢の部屋に足を踏み入れたメルクリウスは、余りの部屋の寒さに体を震わせ
お前なぁ…と髪を乾かす序に暖炉の灯し方を教え、制服に着替えた令矢と共に急ぎ足で歓迎会の会場へと向かった。

歓迎会はもう始まっていて、各々が目の前の晩餐に行儀良く有り付いていた。
俺達は空いてる席に腰を下ろし、早速と食器に手を掛け様とすると、後ろから急に肩を叩かれ振り返えった。将又、デジャヴ

「此方どうぞ」

この学園の使用人らしい人が銀盆を手に持っていた。銀盆の上には綺麗にラッピングされたプレゼント?が置かれている

「…?」

「受け取っとけ、教師らからの新入生祝いだ」

なる程、とプレゼントを受け取った

「何?これ」

「万年筆だよ、勉学で使うだろ?」

そうか、これ主人公が転校して来た時あったな。転入祝いの万年筆!と思い出した
主人公はこの筆記具に大はしゃぎしていたんだっけ
そう思うと、心が少しポカポカする。主人公もこんな気持ちだったのだろうか
今季は冬だし、お祝いイベントあるし、プレゼントとかあるし、何だかクリスマスみたいだなっと感じた。


こんな日も悪くないな


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