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第二章 domus
papa
空が丁度、手の中にあるオレンジポピーの様に日が沈みだした夕方、俺はメルクリウスが居る部屋の前迄来ていた。木製の扉に差し掛かる茜色の夕影が綺麗だ。
何故、俺は又この部屋の前に立っているのか?と云うと、花瓶無かったから。最初は、メルに飲ませたあのステュクスの水が入っていた小瓶で代用しようとしてみたが、丈が短すぎて話にならなかった。で、イマココ。
さも当たり前の様に陪堂しようとしてるが、折角女子から賜ったプレゼンットを無下にするのも如何なものか、と思い立ち早数億年。男だったら、普通に「なんやコイツ、きっしょ」としか感想が出てこず、その辺に捨て置いてた。
が、女子は違うよな~
異性から貰うのは、やっぱドキるし。ベタな花貰っても嬉しいものだ。
ポピーの花言葉って何だろう~?きゃは♡つって!
俺って乙女チック過ぎや~んwww
丈がそれなりにある物で、花を挿せりゃぶっちゃけ何でも良いんだが、アイツ死ぬほどミニマリストで、部屋が製品展示室みたいな感じだから、何も無い可能性があるけど、一応声は掛けとくよ。一応。
─コンコン
『私メリー。今、貴方の部屋の前に来てるの…』
扉向こうから足音が近付く。茶化すのは、ここら辺で止めるとしよう。
「…はい」
「ぁっ…」
OMG。忘れいたよブロー。そういや、この部屋相部屋だったわ
土の様な茶髪に翠雨の瞳、雀斑が特徴的なメルのルームメイト…
△▼△▼
「又来たのか、女」
「はぃ…」
部屋に上げて貰ったわ良いけど、肝心のメルが不在ーー!何してんだアイツ
「幼馴染だか知らんが、女一人で男子宿舎に然う〱来るもんじゃないぞ。それに、日も落ちかけている。“そう云う”目的で招いてると思われかねん、用件はなんだ?上級生の部屋に態々上げてやってるんだ、言え」
すんません、常識的に俺が完全に100:0で悪いです。己の卑しさを恥じましゅ…。そして、ウェルカムドリンクまで頂いてしまって申し訳ない。
「ぁ、ゕびんをぃただこぅと…」
「花瓶?あぁ、その手に持っている花にか」
うんうんと赤べこみたいに首をコクコク振る。
あっ、これウマッ。林檎?っぽい味で、その原液みたい。ストレート生絞り的な?感じ。
「雛芥子か…摘んできたのか?」
悩まし気に俺の手にあるポピーに目を移す同居人。これヒナゲシって言うのか、覚えた。
「ぃぇ、もらぃました…」
「成程。雛芥子はこの季節に開花しない。察するにフローラの庭園から摘んで来たのだろう」
フローラの庭園って、年中色んな花咲いてる処だよなぁ…外界の季節関係なしに。あの庭園に行くと、ゆったりとした曲調の歌が聞けるからOST買う前は、ずっとあそこに行って曲流してたっけ。今は遠き遥か過去の話ですが。
「…………」
「聞いているのか…」
「は、はぃ!」
おっと、いけない。いけない。
「“花瓶”と言ったか…丁度、草学で使う花挿しがある。何処とも知らぬ奴と長くは居たくない。それ貰ってさっさと帰ってくれ」
面倒だなと云った具合で、遇うメルの同居人。実を言うと、目の前で眉皺を作っている彼は、『アシェプ』本編では一切登場していない一モブ。名前すら出て来ないUnknownキャラ。設定資料集でも買って見ればノート端の落書き程度には描写されてたかも知れない彼は、俺にとって未知の存在な訳で…
つまり、イレギュラーはちょー対応し難い。俺も出来れば早く帰りたい。(ド陰キャ)
「わゕりました…」
メルだけの部屋じゃないし、こう言われても仕方無い。俺も奴の立場だったら気まずくて居た堪れないし。
「少し、待ってろ。探してくる」
同居人はそう言い残して、扉向こうへと消えて行った。
△▼△▼
「ぁりがとぅござぃます」
彼からは草と土っぽい独特の匂いが漂っていたけど、草学に知悉してるキャラなのかも?花に詳しかったし。と、考察していると案外早く、数分も待たずに帰って来た同居人は、試験管の様な底が垂直の花挿しを持って戻って来た。
「あぁ。女、保存魔術は使えるか?」
彼から花挿しを受け取ろうと、手を伸ばした時そんな事を聞かれた。確か、食材とかによく使う魔術だったっけ。状態を良く保つだけで、ちゃんと劣化はするからそれ程凄い魔術って訳じゃない。けど、今の俺には使えない。
「ぃぇ」
「それ、貸してみろ。掛けてやる」
「どぅぞ…」
花を渡すと、同居人は何かの呪文?を唱えて、手にある二輪の花に息を吹き掛けて保存魔術を掛けてくれた……で、合ってるか?
特に何のエフェクトも出ないから、傍から見たら只の厨二病患ってる奴にしか見えないが。
少し気まずい沈黙の後、男が一息吸ってユノに話し掛けた。
「ところで、お前はどういった家業なんだ?」
「ぁ。りょぅしです」
「漁師?猟師?どっちのだ?」
「ゃまのほぅの…」
「嗚呼、そうか。どちらにせよ、だから品性の欠片もなさそうな身なんだな。合点がいった」
おい、失礼過ぎ!ド直球にも程が有るやろ。
「…」
まぁ、何も言えないんですけどね。
「ふふ、だが自然は良い。空気が違う。人と云う獣から隔絶された世界だ。お前もアイアなら分かるだろう?」
そう言って、少し表情が柔らかくなった同居人。
「はぃ」
やだ、ちょっと好感あるじゃん。良いよね、森。フィトンチッドがあって。今度キャンプ行こうぜ。
「狩猟の心得は無いが、よく山野には野草採取の為、足を運ぶ。野獣に出くわすと少々面倒だが、お前が居ると容易く事が運ぶに違いない。お前の事は覚えておこう。名は何と言うんだったか…」
「ュノ・ディァナです…」
「そうだ、そんな名だったな」
ひど…
「俺の名は、シルバヌス・ソムヌスだ。ユノ・ディアナ、日が落ちる。女子宿舎の門限はもう直ぐだ。去ね」
こうして、俺は原作に登場すらしないモブを新たに知る由となったのだった──
何故、俺は又この部屋の前に立っているのか?と云うと、花瓶無かったから。最初は、メルに飲ませたあのステュクスの水が入っていた小瓶で代用しようとしてみたが、丈が短すぎて話にならなかった。で、イマココ。
さも当たり前の様に陪堂しようとしてるが、折角女子から賜ったプレゼンットを無下にするのも如何なものか、と思い立ち早数億年。男だったら、普通に「なんやコイツ、きっしょ」としか感想が出てこず、その辺に捨て置いてた。
が、女子は違うよな~
異性から貰うのは、やっぱドキるし。ベタな花貰っても嬉しいものだ。
ポピーの花言葉って何だろう~?きゃは♡つって!
俺って乙女チック過ぎや~んwww
丈がそれなりにある物で、花を挿せりゃぶっちゃけ何でも良いんだが、アイツ死ぬほどミニマリストで、部屋が製品展示室みたいな感じだから、何も無い可能性があるけど、一応声は掛けとくよ。一応。
─コンコン
『私メリー。今、貴方の部屋の前に来てるの…』
扉向こうから足音が近付く。茶化すのは、ここら辺で止めるとしよう。
「…はい」
「ぁっ…」
OMG。忘れいたよブロー。そういや、この部屋相部屋だったわ
土の様な茶髪に翠雨の瞳、雀斑が特徴的なメルのルームメイト…
△▼△▼
「又来たのか、女」
「はぃ…」
部屋に上げて貰ったわ良いけど、肝心のメルが不在ーー!何してんだアイツ
「幼馴染だか知らんが、女一人で男子宿舎に然う〱来るもんじゃないぞ。それに、日も落ちかけている。“そう云う”目的で招いてると思われかねん、用件はなんだ?上級生の部屋に態々上げてやってるんだ、言え」
すんません、常識的に俺が完全に100:0で悪いです。己の卑しさを恥じましゅ…。そして、ウェルカムドリンクまで頂いてしまって申し訳ない。
「ぁ、ゕびんをぃただこぅと…」
「花瓶?あぁ、その手に持っている花にか」
うんうんと赤べこみたいに首をコクコク振る。
あっ、これウマッ。林檎?っぽい味で、その原液みたい。ストレート生絞り的な?感じ。
「雛芥子か…摘んできたのか?」
悩まし気に俺の手にあるポピーに目を移す同居人。これヒナゲシって言うのか、覚えた。
「ぃぇ、もらぃました…」
「成程。雛芥子はこの季節に開花しない。察するにフローラの庭園から摘んで来たのだろう」
フローラの庭園って、年中色んな花咲いてる処だよなぁ…外界の季節関係なしに。あの庭園に行くと、ゆったりとした曲調の歌が聞けるからOST買う前は、ずっとあそこに行って曲流してたっけ。今は遠き遥か過去の話ですが。
「…………」
「聞いているのか…」
「は、はぃ!」
おっと、いけない。いけない。
「“花瓶”と言ったか…丁度、草学で使う花挿しがある。何処とも知らぬ奴と長くは居たくない。それ貰ってさっさと帰ってくれ」
面倒だなと云った具合で、遇うメルの同居人。実を言うと、目の前で眉皺を作っている彼は、『アシェプ』本編では一切登場していない一モブ。名前すら出て来ないUnknownキャラ。設定資料集でも買って見ればノート端の落書き程度には描写されてたかも知れない彼は、俺にとって未知の存在な訳で…
つまり、イレギュラーはちょー対応し難い。俺も出来れば早く帰りたい。(ド陰キャ)
「わゕりました…」
メルだけの部屋じゃないし、こう言われても仕方無い。俺も奴の立場だったら気まずくて居た堪れないし。
「少し、待ってろ。探してくる」
同居人はそう言い残して、扉向こうへと消えて行った。
△▼△▼
「ぁりがとぅござぃます」
彼からは草と土っぽい独特の匂いが漂っていたけど、草学に知悉してるキャラなのかも?花に詳しかったし。と、考察していると案外早く、数分も待たずに帰って来た同居人は、試験管の様な底が垂直の花挿しを持って戻って来た。
「あぁ。女、保存魔術は使えるか?」
彼から花挿しを受け取ろうと、手を伸ばした時そんな事を聞かれた。確か、食材とかによく使う魔術だったっけ。状態を良く保つだけで、ちゃんと劣化はするからそれ程凄い魔術って訳じゃない。けど、今の俺には使えない。
「ぃぇ」
「それ、貸してみろ。掛けてやる」
「どぅぞ…」
花を渡すと、同居人は何かの呪文?を唱えて、手にある二輪の花に息を吹き掛けて保存魔術を掛けてくれた……で、合ってるか?
特に何のエフェクトも出ないから、傍から見たら只の厨二病患ってる奴にしか見えないが。
少し気まずい沈黙の後、男が一息吸ってユノに話し掛けた。
「ところで、お前はどういった家業なんだ?」
「ぁ。りょぅしです」
「漁師?猟師?どっちのだ?」
「ゃまのほぅの…」
「嗚呼、そうか。どちらにせよ、だから品性の欠片もなさそうな身なんだな。合点がいった」
おい、失礼過ぎ!ド直球にも程が有るやろ。
「…」
まぁ、何も言えないんですけどね。
「ふふ、だが自然は良い。空気が違う。人と云う獣から隔絶された世界だ。お前もアイアなら分かるだろう?」
そう言って、少し表情が柔らかくなった同居人。
「はぃ」
やだ、ちょっと好感あるじゃん。良いよね、森。フィトンチッドがあって。今度キャンプ行こうぜ。
「狩猟の心得は無いが、よく山野には野草採取の為、足を運ぶ。野獣に出くわすと少々面倒だが、お前が居ると容易く事が運ぶに違いない。お前の事は覚えておこう。名は何と言うんだったか…」
「ュノ・ディァナです…」
「そうだ、そんな名だったな」
ひど…
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