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第5話
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層と層を隔てる地面をくぐると、途端に広いスペースに出た。そこには一面草原が広がっていて、1層と比べて起伏の少ないのっぺりとした草原だ。まだ初心者向けといった感じだろう。
そのままてとてとと階段を下る。最後の段を下り終え振り向くと、先ほどまであった階段がなくなり、テレポーターに変化している。
どうやら階段が表示されるのは歩いて下ってきた時だけらしい。
2層の最初の町は、1層に比べて少し規模が小さくボロい感じがする。
ボロいって言ってはいけないかもしれない。純粋にイメージをしている地域が違うみたいだ。
見た目としては、先ほどまでの西洋風の都会っぽい町並みから、少し外れた農村のようなものに変わっている。
地面は土でできていて、1層のようにレンガが敷いてあるわけではない。所々に張り巡らされた用水路から、ちょろちょろといった小さな水の音が聞こえる。
風が吹けば植物がざわめき、僅かに砂埃が舞う。
NPCの数も比較的少なめだ。商店も同じく少なめだが、1層に比べて穀物系統の農作物は多いようだ。ここはボスを攻略しなくてもいけるところなので、1層の民の食料庫と行った所だろう。
町というより村だが、町の周りはぐるっと一周木組みの柵のようなもので覆われている。
1層とはまた違った雰囲気で、多少探究心をそそるが、現状2層にたいした用はないのでサクッとボスを攻略してしまうことにする。また後日来よう。
通常、層によって若干の違いはあるだろうが、ソロでボスを攻略する場合は、出没するボスのレベルの目安が階層プラス4。そこから人数が2人増えるごとに1ずつレベルが上がっていく。
10の倍数層では、非常に強いボスが登場するというのがワールドの概要に書いてあった。
ソロでも攻略出来るようにという運営側の配慮だろうが、人数が多い方が攻略しやすいというのは間違いなさそうだ。少なくとも強いボスが出るときには人数が欲しい。
マップを確認すると、現在地はマップの左下。3層へ続くボス部屋は中央から若干右に逸れたところにある。そこまで一気に向かうことにする。
この層からマップには町やボス部屋の位置の印以外は表示されなくなっている。このマップを埋めるためにはフィールド上を歩き回る必要がある。
既に町に入っているので、この初期の町は完全にマップが完成しているが、そのほかの町にはいくつか建造物が建ったマークが表示されている。ボスのいる場所には角が2本生えたモンスターのマークが振ってある。
10層まで攻略が終わったら余った時間でマップを埋めようと思うが、今はとりあえず攻略が先だ。
道はこの町から上方向、右方向と伸びており、ボス部屋へと一直線で続くような道は存在していない。
どちらからいってもボス部屋に到着できるのか、はたまたどちらか一方で行かないと行き止まりになってしまう、または非常に大回りなルートになってしまうのか。そういったことは不明だ。このゲームはゲーム内で検索エンジンが使用出来るので、攻略サイトを見ればどちらに進めば良いのかはすぐわかるだろう。
しかし、それでは面白くない。せっかく先行リリースでゲームを楽しんでいるのに、せっかく完全初見でゲームをプレイ出来るというのに、その面白さを消してしまってはゲーマーとして恥である。
「別に道を通れと言われているわけではないし……」
どちらの道に進んだところで結局迂回が発生する。ならば草原を突っ切るのが吉だろう。
階段で下ってきているときにある程度のマップを把握しておくべきだった。次の層からはそうする。
今はとりあえず草原を斜めに突っ切ることにする。
幸い私のジョブは女忍者。機動力に長けている。
あのAI、適当に見えて思ったよりしっかりと考えてくれていたのかもしれない。このジョブは非常に扱いやすい。
私の性格に非常にマッチだ。
柵を跳び越えて外へ出るなどという野蛮な行為はしたくないので、ひとまず近くの出口から外へ出る。
そこから一直線にボス部屋へ向かってかけていく。
「さあ、攻略開始だね」
この層でのメインの出没モンスターは動物系だ。
森ではなく、草原というのがメインなので、本当によくイメージする最初の草原といった印象だろう。
最初に出会ったモンスターはオオカミだった。目元にクナイを投げて倒した。
ドロップアイテムはオオカミの毛皮と肉。どうやらモンスターを倒すと低確率で魔石がドロップするようだったが、今回は出なかった。
この2層は1層に比べて起伏が少ない。
1層は草原から森、山までいろいろなものが詰め込まれていた。1層だけで生活から観光までできるような、そんな感じだ。
おそらく運営側は1層だけで商業を営むゲームができるようにしたのだろう。
非戦闘員は2層から下の層に降りるというのが他のジョブに比べて難易度が高い。
鍛冶士とかなら金槌で攻略出来るかもしれないが、薬師や調理師などの職業はそうとはいかないだろう。そりゃあ包丁持って「クッキング、開始ですわ♪」みたいなプレイをする人もいるかもしれないが、ごく少数。
ギルドに入って仲間につれてって貰うとか、そういうのだったら下層へと降りられはするが。
やはり1層は商人街になりそうだ。下層へと進出してこられる商人が力をつけていくのかもしれないな。
そのままてとてとと階段を下る。最後の段を下り終え振り向くと、先ほどまであった階段がなくなり、テレポーターに変化している。
どうやら階段が表示されるのは歩いて下ってきた時だけらしい。
2層の最初の町は、1層に比べて少し規模が小さくボロい感じがする。
ボロいって言ってはいけないかもしれない。純粋にイメージをしている地域が違うみたいだ。
見た目としては、先ほどまでの西洋風の都会っぽい町並みから、少し外れた農村のようなものに変わっている。
地面は土でできていて、1層のようにレンガが敷いてあるわけではない。所々に張り巡らされた用水路から、ちょろちょろといった小さな水の音が聞こえる。
風が吹けば植物がざわめき、僅かに砂埃が舞う。
NPCの数も比較的少なめだ。商店も同じく少なめだが、1層に比べて穀物系統の農作物は多いようだ。ここはボスを攻略しなくてもいけるところなので、1層の民の食料庫と行った所だろう。
町というより村だが、町の周りはぐるっと一周木組みの柵のようなもので覆われている。
1層とはまた違った雰囲気で、多少探究心をそそるが、現状2層にたいした用はないのでサクッとボスを攻略してしまうことにする。また後日来よう。
通常、層によって若干の違いはあるだろうが、ソロでボスを攻略する場合は、出没するボスのレベルの目安が階層プラス4。そこから人数が2人増えるごとに1ずつレベルが上がっていく。
10の倍数層では、非常に強いボスが登場するというのがワールドの概要に書いてあった。
ソロでも攻略出来るようにという運営側の配慮だろうが、人数が多い方が攻略しやすいというのは間違いなさそうだ。少なくとも強いボスが出るときには人数が欲しい。
マップを確認すると、現在地はマップの左下。3層へ続くボス部屋は中央から若干右に逸れたところにある。そこまで一気に向かうことにする。
この層からマップには町やボス部屋の位置の印以外は表示されなくなっている。このマップを埋めるためにはフィールド上を歩き回る必要がある。
既に町に入っているので、この初期の町は完全にマップが完成しているが、そのほかの町にはいくつか建造物が建ったマークが表示されている。ボスのいる場所には角が2本生えたモンスターのマークが振ってある。
10層まで攻略が終わったら余った時間でマップを埋めようと思うが、今はとりあえず攻略が先だ。
道はこの町から上方向、右方向と伸びており、ボス部屋へと一直線で続くような道は存在していない。
どちらからいってもボス部屋に到着できるのか、はたまたどちらか一方で行かないと行き止まりになってしまう、または非常に大回りなルートになってしまうのか。そういったことは不明だ。このゲームはゲーム内で検索エンジンが使用出来るので、攻略サイトを見ればどちらに進めば良いのかはすぐわかるだろう。
しかし、それでは面白くない。せっかく先行リリースでゲームを楽しんでいるのに、せっかく完全初見でゲームをプレイ出来るというのに、その面白さを消してしまってはゲーマーとして恥である。
「別に道を通れと言われているわけではないし……」
どちらの道に進んだところで結局迂回が発生する。ならば草原を突っ切るのが吉だろう。
階段で下ってきているときにある程度のマップを把握しておくべきだった。次の層からはそうする。
今はとりあえず草原を斜めに突っ切ることにする。
幸い私のジョブは女忍者。機動力に長けている。
あのAI、適当に見えて思ったよりしっかりと考えてくれていたのかもしれない。このジョブは非常に扱いやすい。
私の性格に非常にマッチだ。
柵を跳び越えて外へ出るなどという野蛮な行為はしたくないので、ひとまず近くの出口から外へ出る。
そこから一直線にボス部屋へ向かってかけていく。
「さあ、攻略開始だね」
この層でのメインの出没モンスターは動物系だ。
森ではなく、草原というのがメインなので、本当によくイメージする最初の草原といった印象だろう。
最初に出会ったモンスターはオオカミだった。目元にクナイを投げて倒した。
ドロップアイテムはオオカミの毛皮と肉。どうやらモンスターを倒すと低確率で魔石がドロップするようだったが、今回は出なかった。
この2層は1層に比べて起伏が少ない。
1層は草原から森、山までいろいろなものが詰め込まれていた。1層だけで生活から観光までできるような、そんな感じだ。
おそらく運営側は1層だけで商業を営むゲームができるようにしたのだろう。
非戦闘員は2層から下の層に降りるというのが他のジョブに比べて難易度が高い。
鍛冶士とかなら金槌で攻略出来るかもしれないが、薬師や調理師などの職業はそうとはいかないだろう。そりゃあ包丁持って「クッキング、開始ですわ♪」みたいなプレイをする人もいるかもしれないが、ごく少数。
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