33 / 53
第2章
第33話
しおりを挟む
「くそッ!」
ひとまず帝都の外へ出て、岩の陰に隠れてやり過ごす。
どうやら騎士たちは帝都の外までは追ってこないようだが、見失って追って来られていないだけかもしれない。
私は別に傷つけられても良いのだ。でも、何も悪いことをしていない人が理不尽に傷つけられる。
それを見ているだけで私の胸は苦しくなる。
その対象が私にとって良くしてくれる相手であればなおのことだ。
私は頑張る人の味方でいたいと思う。悪を悪と認識して、世界から少しでも悪意をなくしたい。
そう思っている。
やはり生きていく上で、幸せが一番大事だ。
悪人はきっと更生できる。
そう思っている。そう分かっている。
それでも私はあの皇帝を許せない。
「……どうしますか?」
おそらく怒っている私を見て気を遣ったのだろうが、恐る恐るといった感じでマイヤが聞いてきた。
「潰す。一刻も早く皇帝を殺す」
そういうと、マイヤは明らかにバツが悪そうな顔をした。
元をたどればマイヤが引き起こしたこと。でも別に私はそれを責めたりはしない。
人は大きい小さいはあれど、必ず過ちを犯す。過ちを犯さない者は居ない。
犯す犯さないではなく、犯してしまった後にどうするかの方が大切だと思う。
マイヤは反省している。
それはしばらく隣に居る私が一番分かっている。おそらく彼女本人よりも分かっている。
後悔の念に押しつぶされそうになりながらも、なんとか状況を打破するために頑張って頑張って、必死に藻掻いている。
だがあの皇帝は何だ。あの騎士共は何だ。
自分の力ではない。マイヤによって運び込まれた魔道具によって作られた偽りの力。
それを振りかざして良いようにする。もちろん悪びれもなくだ。
偽りの力をまるで自身の努力によって手に入れた風に演じ、ひたすらに悪を振りまく。自身の幸せのために大多数の幸せを奪い取っている。
誰かが幸せになるとき、そのほかの誰かが不幸になる。
それはよくあること。しょうがないこと。
1人が幸せになるために、相当数の人が不幸になる。
それはおかしい。
許せない。本当に許せない。
生かしておけない。ここで私の手で確実に殺さなければならない。
「すぐ行く。すぐに城に入る」
「どうやってですか?」
「門から入る。立ち塞がる者はねじ伏せる。何もせず手に入れた偽りの力と、200年掛けて本気で鍛えて手に入れた本物の力、どっちの方が上か思い知らせてやる。
待っていろ皇帝」
そう言い、出発しようと思ったとき、こちらに向かって近づく人影を確認した。
魔力の反応は弱い。そうなると騎士ではないようだ。
怒りにまかせて行動していたと今この時点で自覚した。
少し気持ちを落ち着かせるように深呼吸をして、落ち着いて状況を把握する。
「町人か?」
「……そうっぽいですね。服装からしても」
すぐに危害を加えそうな感じではない。
「話を聞いてみるか」
「わかりました。でも嫌な予感がします」
「同感だ」
ザクザクと砂を踏む音を鳴らしながら、ゆっくりと近づいてくる。
その数は10人ほどだ。
歩いてきているのは皆女性で、深刻そうな面持ちでいる。
やつれた顔と、汚れた服装。胸がきゅっと締め付けられる。
軽く息を吐き、気持ちを落ち着かせながら近づいてきた女性たちに話しかける。
「あの、何か御用でしょうか」
「お願いします。皇帝を殺すのをやめてください」
「……はい? いまなんと?」
「皇帝陛下を殺さないでください」
「は? いやだって、え? 苦しめられてるんじゃないの??」
言っていることが理解できない。
なぜ己を苦しめる存在を庇うのか。
私は民にとって正義の味方であると思っていたのだけれど、もしかして私が悪なのだろうか。
困惑している私をよそに、リーダーらしき女性が話を続ける。
「皇帝陛下が亡くなれば、私の夫も死んでしまう。そんな世界、私は生きていけません」
そう低いトーンで言う女性に続き、後ろの方にいる女性が声を上げる。
「そうなんです! 私の夫は騎士でした。休みがあれば家に帰ってきて、私に優しく接してくれる、良い夫だったんです。
でも、……魔人になって。彼は変わってしまった……。
それでも、それでも、大事な大事な夫なんです。どうか……」
そう1人の女性が言うと、他の女性たちも次々に声を上げ始めた。
はぁ、なるほど。
う~ん、それは……。
思わずうねり声を上げてしまう。
隣を見ると、マイヤは俯いて黙り込んでいる。
「う~ん、えぇ……、えー? はぁ……」
困った。
いや、でも皇帝殺さないと……。
「……申し訳ありません。それでも私はあの皇帝を殺す。殺さなければならないんです」
「どうしてですか?」
「あの皇帝はこの世界にとって危険な人物です。放っておけば近隣の国まで被害が及んでしまう。
……ここから少し離れたところに私の知り合いが国王の国があります。
その国王は、またいつか私が戻ってきたときに今より良くなった国を見せる。そう意気込んで必死に政治をしています。
そうして、民を思って運営されている国。民の幸せで満ちあふれる国を私は守りたい。
だから、ここでこの悪の根源を倒さないといけないのです」
「……そうですか。その決定は変わりませんか?」
困ったような、最後の望みを掛けるような。そんな表情で私に聞いてくる女性。
ただ、私はその質問に対して即座に返答した。
「はい。変わりません」
「わかりました。……なら私たちはあなたたちをここで殺します」
「っ!?」
そう発した女性。
その言葉を聞いて、マイヤはひるんだように一歩後ずさりをした。
私は一切の驚きを見せない。なぜなら予想できていたからだ。
目を見ていれば分かる。徐々に増えていく私への殺意。
やはり皇帝を許せない。こうして話している間にもそう思う。
きっと数年前は幸せだったと思う。砂漠というあまり恵まれていない土地に住みながらも、信頼するものと過ごした日々は幸せだったと思う。
そんな日々が壊され、命を張って壊された日々を守ろうとしている。
「出来るとお思いで?」
「やります。おそらくあなたは強いでしょう。ただ、後ろの少女を守りながら10対2の戦いは厳しいでしょう?」
そうして私に向ける刃物はただの包丁だ。
反乱防止のために、剣の流通は制限されているのだろう。きっとこれが今彼女たちが出来る最大の装備。
「そうか。そう言うならあなたたちは人を見る目がない。
きっとマイヤ1人でもあなたたちは倒せる。でも、そうしたらあなたたちをきっと殺してしまう。
だから私が相手になりましょう。しばらく眠っていてください」
そう言うと、相手の返事を待つ前に女性たちから魔力を抜き取った。
すべてではない。1日眠るだろうと言ったぐらいの魔力だ。今目の前で倒れたのは、ただ魔力が枯渇しただけ。枯れ死ぬほどの魔力は抜いていない。
「……殺したんですか?」
「殺してはないよ。眠らせただけ。
さあ、お城へ向かおう」
「……はい」
今の一件で多少怒りが落ち着いた。
それでも怒りはある。
落ち着いては居るものの、怒りの量は多くなっていると思う。
だが、それと同時に焦りと躊躇いも生まれてしまった。
その躊躇いをそっと心の奥底へ塞ぐように。感情を押し殺してゆっくりと城へ向かって歩き出す。
ひとまず帝都の外へ出て、岩の陰に隠れてやり過ごす。
どうやら騎士たちは帝都の外までは追ってこないようだが、見失って追って来られていないだけかもしれない。
私は別に傷つけられても良いのだ。でも、何も悪いことをしていない人が理不尽に傷つけられる。
それを見ているだけで私の胸は苦しくなる。
その対象が私にとって良くしてくれる相手であればなおのことだ。
私は頑張る人の味方でいたいと思う。悪を悪と認識して、世界から少しでも悪意をなくしたい。
そう思っている。
やはり生きていく上で、幸せが一番大事だ。
悪人はきっと更生できる。
そう思っている。そう分かっている。
それでも私はあの皇帝を許せない。
「……どうしますか?」
おそらく怒っている私を見て気を遣ったのだろうが、恐る恐るといった感じでマイヤが聞いてきた。
「潰す。一刻も早く皇帝を殺す」
そういうと、マイヤは明らかにバツが悪そうな顔をした。
元をたどればマイヤが引き起こしたこと。でも別に私はそれを責めたりはしない。
人は大きい小さいはあれど、必ず過ちを犯す。過ちを犯さない者は居ない。
犯す犯さないではなく、犯してしまった後にどうするかの方が大切だと思う。
マイヤは反省している。
それはしばらく隣に居る私が一番分かっている。おそらく彼女本人よりも分かっている。
後悔の念に押しつぶされそうになりながらも、なんとか状況を打破するために頑張って頑張って、必死に藻掻いている。
だがあの皇帝は何だ。あの騎士共は何だ。
自分の力ではない。マイヤによって運び込まれた魔道具によって作られた偽りの力。
それを振りかざして良いようにする。もちろん悪びれもなくだ。
偽りの力をまるで自身の努力によって手に入れた風に演じ、ひたすらに悪を振りまく。自身の幸せのために大多数の幸せを奪い取っている。
誰かが幸せになるとき、そのほかの誰かが不幸になる。
それはよくあること。しょうがないこと。
1人が幸せになるために、相当数の人が不幸になる。
それはおかしい。
許せない。本当に許せない。
生かしておけない。ここで私の手で確実に殺さなければならない。
「すぐ行く。すぐに城に入る」
「どうやってですか?」
「門から入る。立ち塞がる者はねじ伏せる。何もせず手に入れた偽りの力と、200年掛けて本気で鍛えて手に入れた本物の力、どっちの方が上か思い知らせてやる。
待っていろ皇帝」
そう言い、出発しようと思ったとき、こちらに向かって近づく人影を確認した。
魔力の反応は弱い。そうなると騎士ではないようだ。
怒りにまかせて行動していたと今この時点で自覚した。
少し気持ちを落ち着かせるように深呼吸をして、落ち着いて状況を把握する。
「町人か?」
「……そうっぽいですね。服装からしても」
すぐに危害を加えそうな感じではない。
「話を聞いてみるか」
「わかりました。でも嫌な予感がします」
「同感だ」
ザクザクと砂を踏む音を鳴らしながら、ゆっくりと近づいてくる。
その数は10人ほどだ。
歩いてきているのは皆女性で、深刻そうな面持ちでいる。
やつれた顔と、汚れた服装。胸がきゅっと締め付けられる。
軽く息を吐き、気持ちを落ち着かせながら近づいてきた女性たちに話しかける。
「あの、何か御用でしょうか」
「お願いします。皇帝を殺すのをやめてください」
「……はい? いまなんと?」
「皇帝陛下を殺さないでください」
「は? いやだって、え? 苦しめられてるんじゃないの??」
言っていることが理解できない。
なぜ己を苦しめる存在を庇うのか。
私は民にとって正義の味方であると思っていたのだけれど、もしかして私が悪なのだろうか。
困惑している私をよそに、リーダーらしき女性が話を続ける。
「皇帝陛下が亡くなれば、私の夫も死んでしまう。そんな世界、私は生きていけません」
そう低いトーンで言う女性に続き、後ろの方にいる女性が声を上げる。
「そうなんです! 私の夫は騎士でした。休みがあれば家に帰ってきて、私に優しく接してくれる、良い夫だったんです。
でも、……魔人になって。彼は変わってしまった……。
それでも、それでも、大事な大事な夫なんです。どうか……」
そう1人の女性が言うと、他の女性たちも次々に声を上げ始めた。
はぁ、なるほど。
う~ん、それは……。
思わずうねり声を上げてしまう。
隣を見ると、マイヤは俯いて黙り込んでいる。
「う~ん、えぇ……、えー? はぁ……」
困った。
いや、でも皇帝殺さないと……。
「……申し訳ありません。それでも私はあの皇帝を殺す。殺さなければならないんです」
「どうしてですか?」
「あの皇帝はこの世界にとって危険な人物です。放っておけば近隣の国まで被害が及んでしまう。
……ここから少し離れたところに私の知り合いが国王の国があります。
その国王は、またいつか私が戻ってきたときに今より良くなった国を見せる。そう意気込んで必死に政治をしています。
そうして、民を思って運営されている国。民の幸せで満ちあふれる国を私は守りたい。
だから、ここでこの悪の根源を倒さないといけないのです」
「……そうですか。その決定は変わりませんか?」
困ったような、最後の望みを掛けるような。そんな表情で私に聞いてくる女性。
ただ、私はその質問に対して即座に返答した。
「はい。変わりません」
「わかりました。……なら私たちはあなたたちをここで殺します」
「っ!?」
そう発した女性。
その言葉を聞いて、マイヤはひるんだように一歩後ずさりをした。
私は一切の驚きを見せない。なぜなら予想できていたからだ。
目を見ていれば分かる。徐々に増えていく私への殺意。
やはり皇帝を許せない。こうして話している間にもそう思う。
きっと数年前は幸せだったと思う。砂漠というあまり恵まれていない土地に住みながらも、信頼するものと過ごした日々は幸せだったと思う。
そんな日々が壊され、命を張って壊された日々を守ろうとしている。
「出来るとお思いで?」
「やります。おそらくあなたは強いでしょう。ただ、後ろの少女を守りながら10対2の戦いは厳しいでしょう?」
そうして私に向ける刃物はただの包丁だ。
反乱防止のために、剣の流通は制限されているのだろう。きっとこれが今彼女たちが出来る最大の装備。
「そうか。そう言うならあなたたちは人を見る目がない。
きっとマイヤ1人でもあなたたちは倒せる。でも、そうしたらあなたたちをきっと殺してしまう。
だから私が相手になりましょう。しばらく眠っていてください」
そう言うと、相手の返事を待つ前に女性たちから魔力を抜き取った。
すべてではない。1日眠るだろうと言ったぐらいの魔力だ。今目の前で倒れたのは、ただ魔力が枯渇しただけ。枯れ死ぬほどの魔力は抜いていない。
「……殺したんですか?」
「殺してはないよ。眠らせただけ。
さあ、お城へ向かおう」
「……はい」
今の一件で多少怒りが落ち着いた。
それでも怒りはある。
落ち着いては居るものの、怒りの量は多くなっていると思う。
だが、それと同時に焦りと躊躇いも生まれてしまった。
その躊躇いをそっと心の奥底へ塞ぐように。感情を押し殺してゆっくりと城へ向かって歩き出す。
0
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる