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第3章
第45話
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ぽちゃんぽちゃんと水のしたたる音がする。それも至る所から。
先ほどまでは結構蒸し暑かった。季節が夏に近いと言うこともあるし、雨が降っていて湿度が高かったからだ。とは言っても洞窟内と言うだけはあって外よりは涼しかった。
ただ、今いる場所はその洞窟内よりも遙かに涼しい。
真っ暗で多少の息苦しさを覚えるような場所。光が差し込んでいないようで、相当真っ暗だ。
おそらくあの門は転移門になっていて、あの門に魔力を流したことで効果が発揮されたと言うことだろう。
「真っ暗だと何も出来ないし、とりあえず明かりをともそう」
魔法でぼんやりと明かりをともしてみる。真っ暗だった室内に、小さな明かりが灯った。
やはり今いる場所は洞窟らしい。それも相当大きい。小さな明かりでは全体を照らすことが出来ない。
パンッと手を叩いてみると、この広い洞窟内に反響してぼんやりと音が響く。洞窟の中はまるで梅雨時期の鍾乳洞の中みたいな涼しさと湿度で、暑くはないのにいるだけで肌がべたつく。あまり良い環境というわけではなさそうだ。
洞窟内は基本的に年間を通して気温が一定。湿度がどうかは知識が無いので分からないが、ポタポタと垂れている水、ぼんやりと聞こえる水のせせらぎから推測するに、この洞窟内は年中水がたくさんあるのだろう。
きっとこの湿度はずっと続く。少し湿度が高く感じるが、長くいられるような、そんな場所だ。
「一体これはなんなんだ?」
ここに来てからまだ1歩も動いていない。明かりを灯しても今どうなっているのかは先ほど推測した上記のことのみ。
とりあえず大きな洞窟だ。
「地面は……、石畳かな」
床に目をやってみると、石レンガのような、石畳のようなそんな感じの道らしき物が見える。おそらく何かの遺跡なのだろう。
しばらくぼうっと明かりを見ながら立ち尽くす。そして大きく深呼吸。
「やっぱり息がしにくいな」
ここに来たときから思っていたのだが、妙にここは息苦しい。微妙に頭痛も感じるし。別に暗所恐怖症というわけでは無いのだが、何か別の要因でもあるのだろうか。
まあいい。とりあえず探索してみよう。転移魔法を使えばいつでも外に出られるわけだし、こういう場所にはお宝があるというのが普通だし、せっかくだから少しね。
「それにしても変だね。なんか町みたい」
少し歩いてみると、明らかに整備された道と、街灯のような物がある。ただ、街灯のような物は経年劣化で崩れてしまっているらしい。
地面も道にはなっているが、上から垂れてくる水で削られたのだろう。結構でこぼこしている。
「さすがにこの明るさじゃダメだな。もう少し魔力を入れよう」
想像以上に広い。魔力を多く投入して明かりを広めに灯す。手の上に出していた明かりを頭の上、少し後ろの方にやる。そうしないとまぶしくて大変だから。
もわっと辺り一帯が映る。少し目が暗いところになれてきていたのだろう。初めは見えにくかったがだんだんとよく見えるようになってきた。
まず視界に映ったのは、廃墟のようになった家の数々。これは明らかに町の跡だ。
石のレンガで作られた家は、所々が崩れている。ただ、何かの衝撃があって崩れたような感じでは無く、時の流れによって徐々に削れていった。そんな感じの崩れ方だ。
光が届かないからか、植物によって侵食されているというわけでは無い。
天井は相当高くて、20メートルは優にあると思う。もちろん手を伸ばして届くような高さではない。
横幅も相当で、この洞窟は大きなスタジアムのような、そんな形状をしている。結構頑張って光を灯しているが、これでも端の方までは光が届いていない。
少し横に目をやると、おそらく先ほどの川のせせらぎの発音源なのだろう川が流れていた。地下水脈だろう。美しく澄んだ水だ。
「冷たい」
触ってみるともちろん冷たい。飲みはしない。なにか菌があったら嫌だからね。
おそらくここは地下文明なのだと思う。様子を見るに既に滅んだ地下文明。
きっとあの門はここへの入り口。
実は転移場所の後ろの方にもう1つ門らしき物があった。ただそちらは落石によって潰されてしまったみたいで使えないようだ。まあ別にこれに関しては良い。先ほども言ったとおり私はいつでも外に出られる。
広い洞内に下駄の音が響く。地面には地を這う虫がうねうねとしていて、甲虫のような物も見える。
家の方に目をやると、大きな蜘蛛が巣を張って、餌が引っかかるのを待っているようだ。こんなに水がいっぱいあるのだから蚊とかはいそうだが、光が入っていないのでなんとも言えない。
「この家は比較的無事みたい」
いくつか連なる家の中に、比較的劣化のひどくない家を発見した。とは言っても扉は既に朽ちているらしい。金属はさび、木材は虫に食い荒らされたのか地面にボロボロになって転がっている。
探知魔法で見ても人の気配はない。
私はこの家にお邪魔してみることにした。
先ほどまでは結構蒸し暑かった。季節が夏に近いと言うこともあるし、雨が降っていて湿度が高かったからだ。とは言っても洞窟内と言うだけはあって外よりは涼しかった。
ただ、今いる場所はその洞窟内よりも遙かに涼しい。
真っ暗で多少の息苦しさを覚えるような場所。光が差し込んでいないようで、相当真っ暗だ。
おそらくあの門は転移門になっていて、あの門に魔力を流したことで効果が発揮されたと言うことだろう。
「真っ暗だと何も出来ないし、とりあえず明かりをともそう」
魔法でぼんやりと明かりをともしてみる。真っ暗だった室内に、小さな明かりが灯った。
やはり今いる場所は洞窟らしい。それも相当大きい。小さな明かりでは全体を照らすことが出来ない。
パンッと手を叩いてみると、この広い洞窟内に反響してぼんやりと音が響く。洞窟の中はまるで梅雨時期の鍾乳洞の中みたいな涼しさと湿度で、暑くはないのにいるだけで肌がべたつく。あまり良い環境というわけではなさそうだ。
洞窟内は基本的に年間を通して気温が一定。湿度がどうかは知識が無いので分からないが、ポタポタと垂れている水、ぼんやりと聞こえる水のせせらぎから推測するに、この洞窟内は年中水がたくさんあるのだろう。
きっとこの湿度はずっと続く。少し湿度が高く感じるが、長くいられるような、そんな場所だ。
「一体これはなんなんだ?」
ここに来てからまだ1歩も動いていない。明かりを灯しても今どうなっているのかは先ほど推測した上記のことのみ。
とりあえず大きな洞窟だ。
「地面は……、石畳かな」
床に目をやってみると、石レンガのような、石畳のようなそんな感じの道らしき物が見える。おそらく何かの遺跡なのだろう。
しばらくぼうっと明かりを見ながら立ち尽くす。そして大きく深呼吸。
「やっぱり息がしにくいな」
ここに来たときから思っていたのだが、妙にここは息苦しい。微妙に頭痛も感じるし。別に暗所恐怖症というわけでは無いのだが、何か別の要因でもあるのだろうか。
まあいい。とりあえず探索してみよう。転移魔法を使えばいつでも外に出られるわけだし、こういう場所にはお宝があるというのが普通だし、せっかくだから少しね。
「それにしても変だね。なんか町みたい」
少し歩いてみると、明らかに整備された道と、街灯のような物がある。ただ、街灯のような物は経年劣化で崩れてしまっているらしい。
地面も道にはなっているが、上から垂れてくる水で削られたのだろう。結構でこぼこしている。
「さすがにこの明るさじゃダメだな。もう少し魔力を入れよう」
想像以上に広い。魔力を多く投入して明かりを広めに灯す。手の上に出していた明かりを頭の上、少し後ろの方にやる。そうしないとまぶしくて大変だから。
もわっと辺り一帯が映る。少し目が暗いところになれてきていたのだろう。初めは見えにくかったがだんだんとよく見えるようになってきた。
まず視界に映ったのは、廃墟のようになった家の数々。これは明らかに町の跡だ。
石のレンガで作られた家は、所々が崩れている。ただ、何かの衝撃があって崩れたような感じでは無く、時の流れによって徐々に削れていった。そんな感じの崩れ方だ。
光が届かないからか、植物によって侵食されているというわけでは無い。
天井は相当高くて、20メートルは優にあると思う。もちろん手を伸ばして届くような高さではない。
横幅も相当で、この洞窟は大きなスタジアムのような、そんな形状をしている。結構頑張って光を灯しているが、これでも端の方までは光が届いていない。
少し横に目をやると、おそらく先ほどの川のせせらぎの発音源なのだろう川が流れていた。地下水脈だろう。美しく澄んだ水だ。
「冷たい」
触ってみるともちろん冷たい。飲みはしない。なにか菌があったら嫌だからね。
おそらくここは地下文明なのだと思う。様子を見るに既に滅んだ地下文明。
きっとあの門はここへの入り口。
実は転移場所の後ろの方にもう1つ門らしき物があった。ただそちらは落石によって潰されてしまったみたいで使えないようだ。まあ別にこれに関しては良い。先ほども言ったとおり私はいつでも外に出られる。
広い洞内に下駄の音が響く。地面には地を這う虫がうねうねとしていて、甲虫のような物も見える。
家の方に目をやると、大きな蜘蛛が巣を張って、餌が引っかかるのを待っているようだ。こんなに水がいっぱいあるのだから蚊とかはいそうだが、光が入っていないのでなんとも言えない。
「この家は比較的無事みたい」
いくつか連なる家の中に、比較的劣化のひどくない家を発見した。とは言っても扉は既に朽ちているらしい。金属はさび、木材は虫に食い荒らされたのか地面にボロボロになって転がっている。
探知魔法で見ても人の気配はない。
私はこの家にお邪魔してみることにした。
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