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美少女vs天使
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すると次の瞬間、女の背後から、例のトカゲ型のモンスターが襲い掛かってきた。
「危ない!」
進は思わずそう叫ぶ。が、
「邪魔」
そうとだけ呟くと、女はモンスターの頭に鉄拳を叩き込み、粉砕してしまった。それも前を向いたまま。
なんつー膂力をしてやがる。
そして、手を血塗れにしたまま、こちらへと歩み寄ってくる。
「不動進で間違いないわね?」
「は、は、はい!」
「悪いけど、あなたには少し眠っててもらうわ」
そう言って女はハンカチを取り出し、進の口にあてがおうとする。クロロホルムか何かだろうか?だが、
「はい!ストップストーップ!」
そこへエラールが割って入る。さすがは俺の守護天使。助かったぜ。
「進さんに危害を加えようとする者は私が許さないのです。あなた、いったい何者なのです?」
「私はAWF社傭兵部隊【レギオン】の隊長、水野春香よ」
女はそう名乗った。
「え、AWF社……?」
「詳細を話している暇はない。今はとにかく新たな異世界の召喚を防ぐため、その男の意識を絶たなければならない」
「気絶させるということですね。そうはいきません。私は進さんの身に一切の危害が加わらないようお守りするように神様から仰せつかっているのです。させるわけには……」
「ふぅん。じゃああたしとやろうってわけね」
春香は好戦的な口ぶりでそう言う。
「そうするしかなさそうですね」
エラールの方もやる気みたいだ。これは逃げないとな。
春香はずんずんとこちらへ歩み寄り、進に手を伸ばそうとする。だがエラールがその腕を掴んだ。
「邪魔ね」
そうとだけ言うと、春香はエラールの顔面に向けて強烈なパンチを繰り出した。だがすんでのところでエラールも避ける。
「ふん。モンスターの頭を粉砕するほどパンチでも、当たらなければ……」
などとエラールが言っていると、春香は腰に向けて素早い蹴りを繰り出していた。エラールは避け切れず、進の部屋の壁を突き破り、隣の民家まで吹き飛ばされた。何という力だ。
すると、土煙の向こうから光の矢が数本飛んできた。エラールの放ったものだろう。だが、春香は腰に付けた謎の装置のボタンを素早く押し、即座にバリアを展開した。その翡翠色のシールドのようなものに阻まれ、光の矢は折れて地に落ちた。
「聖魔法【サンクチュアリ】。このバリアの前ではあらゆる攻撃は意味をなさない」
「へぇ、聖魔法とは……人間風情がよくやりますね」
「言ってる場合? 炎魔法【フレイムバースト】」
春香はベルトから短杖を取り出し、なんと炎魔法を放って見せた。巨大な火球が現れ、エラールを襲う。たしかどっかの傭兵部隊の隊長とか言ってたよな? そのいでたちは特殊部隊の隊員そのものだが、魔法まで使えるのか。
「天上魔法【エーテルキャンセラー】」
だがエラールも負けてはいない。エラールがそう唱えると、灰色の障壁がドーム状に展開され、炎魔法をかき消した。
「へぇ、これが噂に聞く天上魔法ね。魔法を無効化するとは……」
「危ない!」
進は思わずそう叫ぶ。が、
「邪魔」
そうとだけ呟くと、女はモンスターの頭に鉄拳を叩き込み、粉砕してしまった。それも前を向いたまま。
なんつー膂力をしてやがる。
そして、手を血塗れにしたまま、こちらへと歩み寄ってくる。
「不動進で間違いないわね?」
「は、は、はい!」
「悪いけど、あなたには少し眠っててもらうわ」
そう言って女はハンカチを取り出し、進の口にあてがおうとする。クロロホルムか何かだろうか?だが、
「はい!ストップストーップ!」
そこへエラールが割って入る。さすがは俺の守護天使。助かったぜ。
「進さんに危害を加えようとする者は私が許さないのです。あなた、いったい何者なのです?」
「私はAWF社傭兵部隊【レギオン】の隊長、水野春香よ」
女はそう名乗った。
「え、AWF社……?」
「詳細を話している暇はない。今はとにかく新たな異世界の召喚を防ぐため、その男の意識を絶たなければならない」
「気絶させるということですね。そうはいきません。私は進さんの身に一切の危害が加わらないようお守りするように神様から仰せつかっているのです。させるわけには……」
「ふぅん。じゃああたしとやろうってわけね」
春香は好戦的な口ぶりでそう言う。
「そうするしかなさそうですね」
エラールの方もやる気みたいだ。これは逃げないとな。
春香はずんずんとこちらへ歩み寄り、進に手を伸ばそうとする。だがエラールがその腕を掴んだ。
「邪魔ね」
そうとだけ言うと、春香はエラールの顔面に向けて強烈なパンチを繰り出した。だがすんでのところでエラールも避ける。
「ふん。モンスターの頭を粉砕するほどパンチでも、当たらなければ……」
などとエラールが言っていると、春香は腰に向けて素早い蹴りを繰り出していた。エラールは避け切れず、進の部屋の壁を突き破り、隣の民家まで吹き飛ばされた。何という力だ。
すると、土煙の向こうから光の矢が数本飛んできた。エラールの放ったものだろう。だが、春香は腰に付けた謎の装置のボタンを素早く押し、即座にバリアを展開した。その翡翠色のシールドのようなものに阻まれ、光の矢は折れて地に落ちた。
「聖魔法【サンクチュアリ】。このバリアの前ではあらゆる攻撃は意味をなさない」
「へぇ、聖魔法とは……人間風情がよくやりますね」
「言ってる場合? 炎魔法【フレイムバースト】」
春香はベルトから短杖を取り出し、なんと炎魔法を放って見せた。巨大な火球が現れ、エラールを襲う。たしかどっかの傭兵部隊の隊長とか言ってたよな? そのいでたちは特殊部隊の隊員そのものだが、魔法まで使えるのか。
「天上魔法【エーテルキャンセラー】」
だがエラールも負けてはいない。エラールがそう唱えると、灰色の障壁がドーム状に展開され、炎魔法をかき消した。
「へぇ、これが噂に聞く天上魔法ね。魔法を無効化するとは……」
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