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7章 軍事介入
解放連合国③
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『現在、王都より少し離れた農村付近に魔物の集団と思われるものが発見されました。しかしながら、そこで発見された魔物のレートを当ギルドのものと比較し、今回の件について評価した所、SSSという、最高難度と評価されました。ここまで難度であると、当ギルド単体では、戦力も資金も不足し、今回の件に関して、当ギルドでは解決不可能と処理しました。また、当ギルド以外のギルドにも協力を要請しましたが、協力は得られませんでした。今回の件は、王国自体にも関係が大きく、そして重要性が高いものだと考え、国王陛下殿に報告すべきだと判断いたし、この文書をお送り致しました。ギルドと国家の不可侵の方が存在いたしますが、それに該当しないレベルの援助は当ギルド独断でさせて頂きます。 ギルドマスター 』
この文書を読み終わり、国王は周りから見られないようにそっとため息をつく。国王として威厳を保たなければならないことはわかってはいるが、それはかなりの重労働にほかならない。それにしてもそんな魔物の集団をどのように処理すればいいのか国王はすぐには思いつかなかった。当然、彼自身が魔物と戦ったことは一度しかないからだ。だが、よく考えるとそれに適任な者を思い出した。その者は、その場に丁度…いや、話しかけられるのを待っていたかのように軽く目を閉じ、立ち尽くしていた。
「アルファ=インスペクター、こちらに来てはくれないか」
少し態度を柔らかくしたことに対して、とやかく言う者は国王の目前ではいなかったようだ。
「何でしょうか。国王…陛下」
わざとらしい間については、この際、どうでも良いとして、話を進める。
「この文書を読んでみてくれ」
アルファを国王の目の届く宮廷の者にすることで、アルファに公式的に助言を頼むことができるのだ。
「冒険者ギルドが無理ということは、かなりの人数で叩かなくてはなりませんね。ただ、今は…」
今の状況を考えると、かなりの人数で叩くと言う行為は簡単にはできない。そのことをアルファも気付いたのだ。
「とりあえず、そこから被害が出ないように、ギルドにお願いをして、その間に、近隣国に協力を仰げば、おそらく大丈夫だと思います。運が良ければ、解放連合国からも協力を仰げるかもしれません」
「確かに、そうだな。ギルド宛に被害を食い止めてほしいという旨を文書にしてくれ」
アルファ以外の家臣はそれで動き出す。いつもそうだ、アルファは行動をしない。だが、誰も文句は言えない。何故なら今の王国が国力が壊滅的なのにも関わらず、いまだに近隣国に肩を並べることが出来るのは、アルファ=インスペクターのおかげだからだ。そして、彼自身の魔術の才能もさることながら、教育者としても魔術に関しては勝てる者はこの王国には居ない。それもそうだ。彼は、ランキング速報によると、魔術1位、剣術3位、格闘術10位だそうだ。総合力は、ダントツ1位。彼に真っ向から挑んでも返り討ちされるだけだと誰もが理解しているのだ。
------------
近隣国へ文書を送り、近隣国からの協力を仰ぐことができた5日後。遂に、王国は解放連合国のある場所へ向かう。
途中途中の生い茂った木々を馬車で通っていく。かなりの奥地で、大人数がいくような場所ではなく、少数精鋭といった、メンバーである。もう5日間も過ぎて、食料もじわじわと無くなっていくのが感じられ、もうそこまで備蓄がないことが容易に想像できた。それにしてもここまで木々に囲まれたような深林の中でどのように暮らしているのだろうか。主食はやはり、獣だろうか。それとも、山菜を食べるのだろうか。なにぶん、このような木々の中で過ごしてという経験が少なく、このような体験が新鮮にも感じられたということもあったのだろう。だが、そんな好奇心もすぐになくなり、どのようにしてこの地を駆けぬけようか考える自分が居た。馬では、素早くは駆け抜けられない。では、焼き討ちをすれば…。そうすれば、スムーズに事を進めることが出来る。だが、そんな思考を嫌う自分もいる。国王自身、この5日間、誰とも喋らず、常に考えていた姿から、どの家臣も喋りかけることができなかった。話しかけてはならない。そんなオーラがあったのかもしれない。しかし、そんな淀んだ空気もある一言によって変わった。
「解放連合国が見えてきました。かなりの民衆がこちらを見ています」
事前にくる事をこちらが一方的に知らしていたのだが、それにしてもこのムードはなんなのだろうか。まるで、巨人から身を守るかのような大きさの門を潜るとそこには王国のように賑わった街並みがあった。
「ひとまず、この奥の屋敷に進んでみなされ。使節殿方。長老が首を長くして待っとりますわ」
少し古めかしい口調で話す老人にお礼を言い、言われたように、屋敷へ向かっていった。
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ランキング速報については、いつもの如く説明する文が、同時に公開されていますのでご覧ください。
読んでいただき、ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします!
この文書を読み終わり、国王は周りから見られないようにそっとため息をつく。国王として威厳を保たなければならないことはわかってはいるが、それはかなりの重労働にほかならない。それにしてもそんな魔物の集団をどのように処理すればいいのか国王はすぐには思いつかなかった。当然、彼自身が魔物と戦ったことは一度しかないからだ。だが、よく考えるとそれに適任な者を思い出した。その者は、その場に丁度…いや、話しかけられるのを待っていたかのように軽く目を閉じ、立ち尽くしていた。
「アルファ=インスペクター、こちらに来てはくれないか」
少し態度を柔らかくしたことに対して、とやかく言う者は国王の目前ではいなかったようだ。
「何でしょうか。国王…陛下」
わざとらしい間については、この際、どうでも良いとして、話を進める。
「この文書を読んでみてくれ」
アルファを国王の目の届く宮廷の者にすることで、アルファに公式的に助言を頼むことができるのだ。
「冒険者ギルドが無理ということは、かなりの人数で叩かなくてはなりませんね。ただ、今は…」
今の状況を考えると、かなりの人数で叩くと言う行為は簡単にはできない。そのことをアルファも気付いたのだ。
「とりあえず、そこから被害が出ないように、ギルドにお願いをして、その間に、近隣国に協力を仰げば、おそらく大丈夫だと思います。運が良ければ、解放連合国からも協力を仰げるかもしれません」
「確かに、そうだな。ギルド宛に被害を食い止めてほしいという旨を文書にしてくれ」
アルファ以外の家臣はそれで動き出す。いつもそうだ、アルファは行動をしない。だが、誰も文句は言えない。何故なら今の王国が国力が壊滅的なのにも関わらず、いまだに近隣国に肩を並べることが出来るのは、アルファ=インスペクターのおかげだからだ。そして、彼自身の魔術の才能もさることながら、教育者としても魔術に関しては勝てる者はこの王国には居ない。それもそうだ。彼は、ランキング速報によると、魔術1位、剣術3位、格闘術10位だそうだ。総合力は、ダントツ1位。彼に真っ向から挑んでも返り討ちされるだけだと誰もが理解しているのだ。
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近隣国へ文書を送り、近隣国からの協力を仰ぐことができた5日後。遂に、王国は解放連合国のある場所へ向かう。
途中途中の生い茂った木々を馬車で通っていく。かなりの奥地で、大人数がいくような場所ではなく、少数精鋭といった、メンバーである。もう5日間も過ぎて、食料もじわじわと無くなっていくのが感じられ、もうそこまで備蓄がないことが容易に想像できた。それにしてもここまで木々に囲まれたような深林の中でどのように暮らしているのだろうか。主食はやはり、獣だろうか。それとも、山菜を食べるのだろうか。なにぶん、このような木々の中で過ごしてという経験が少なく、このような体験が新鮮にも感じられたということもあったのだろう。だが、そんな好奇心もすぐになくなり、どのようにしてこの地を駆けぬけようか考える自分が居た。馬では、素早くは駆け抜けられない。では、焼き討ちをすれば…。そうすれば、スムーズに事を進めることが出来る。だが、そんな思考を嫌う自分もいる。国王自身、この5日間、誰とも喋らず、常に考えていた姿から、どの家臣も喋りかけることができなかった。話しかけてはならない。そんなオーラがあったのかもしれない。しかし、そんな淀んだ空気もある一言によって変わった。
「解放連合国が見えてきました。かなりの民衆がこちらを見ています」
事前にくる事をこちらが一方的に知らしていたのだが、それにしてもこのムードはなんなのだろうか。まるで、巨人から身を守るかのような大きさの門を潜るとそこには王国のように賑わった街並みがあった。
「ひとまず、この奥の屋敷に進んでみなされ。使節殿方。長老が首を長くして待っとりますわ」
少し古めかしい口調で話す老人にお礼を言い、言われたように、屋敷へ向かっていった。
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