5回目の転生でやっと村人に

死天使魅飛

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2章〜時空を超えた出会い〜

〜旅立ち〜

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 リテラが殺される少し前、別の異世界でのお話



 僕は伊藤涼太。
 どこにでもいるような普通の高校生。
 人と違うのは少し頭がいいだけで、人並みに運動もできる。
 部活はやってないけど、太っているわけでもない。
 日本探し回ったら僕に似た人なんて1万人ぐらいいると思う。
 ただ少し、困ったことがあって…
 まぁ大体の人はわかるだろう。
 高校生で大体の人がわかるような悩みと言えば…
 そう、いじめられているのだ。
 いじめの原因はたしか、僕がインフルエンザで学校を休んでいた頃、インフルじゃなくて不良グループとつるんでいると噂を流されたことが原因だ。
 そのことから俺はクラスの人から無視されたり、ものを隠されたり、いつも一人だった。
 はじめの頃は話しかけてくれる人もいたのだが、いじめグループが睨みを聞かせているので、なかなかしゃべりかけてくれる人も減ってきて、ゼロになった。
 ある日学校に行ってみると、ゴミ箱の中に上履きがあった。
 これもいつものことだから、もう気にならなくなった。
 いじめの主犯達は陰から見て笑っている。
 もうこんなことは慣れた。
 だがそれを見ていじめグループの奴らは、

「うわっ、あいつゴミ箱履いてるぜwww」
「臭くないのかな?あ、あいつゴミだったわwww」
「やめろよ、気づかれるだろwww」

 などとこちらに聞こえるよう、わざと大きな声で言っているのがばればれだ。
 今日も目立たず一日を終わらせよう。
 
 キーンコーンカーンコーン

 学校が終わった。

「今日暇?」
「無理、部活。」
「あ、そっか。そういえばそうだね!じゃあ一人で帰ってるわ。」
「おう、最近通り魔出てるらしいから気をつけろよな」

 リア充の会話が聞こえてくる。
 どうしてここまで同じ人間なのに格差があるのだろうか。
 家に帰ってまた次の日をまとう。
 この繰り返しをもう1年以上続けていた。
 あと一年で受験だ、あと一年でこの生活は終わるんだ。
 そう思えたからこそ、これまで折れずに入れた。
 
「おい、お前2年の伊藤か?ちょっとこっち来いや。」

 有無を言わせず俺は腹を殴られ、その場に倒れ込んだ。
 そしてそのまま体育館裏の隠れ家に入れられ、1時間ほど殴られたり、蹴られたりされた。
 
「おいてめぇ、弱いくせに何俺らの仲間気取ってんだよ。」
「おいなんとか言ったらどうだ?」

 僕が言った訳じゃないのに、どうしてこんな目に合わなければいけないの?
 その日は結局開放された。
 もう、こんなのは嫌だ。
 
 死にたい。

 駅のホームで僕は飛び込もうかと考えた。
 だけど怖くなった。
 生きる理由もないのに死ぬ覚悟もできない、そんな弱い人間、それが僕。
 僕はどうすればいいのか。
 駅で降りた僕は考えていた。
 僕が何をすればいいのか。
 でも結論はいくら考えても同じだった。
 僕が何をしても変わらないのだ。
 そんな時突然。

「グサッ」

 え?
 何?これ?血?
 とっさの出来事に、僕は混乱する。
 どうやら考え事をしていて、通り魔に気づかなかったようだ。
 バカバカしい死に方だ。
 だけど感謝するよ。
 死ぬ覚悟ができていなかった僕を殺してくれて。
 
 消えゆく世界で僕は考えた。
 そうだ、神様が悪いんだ。
 この世界を作った神様が。
 それなら、僕が『作ってやる』平等な世界を。
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