普通の人生が意外とドラマチック

グループ

廊下に出るとすぐに体育館の彼女も出てきた。
『私も今日から初めて食べる子ばっかだけど一緒に食べようよ。』

約束しているわけではないものの昨日まで一緒に食べていた席から移動していいものか…
考えていると彼女は

『一緒に食べてる子女の子が好きな子みたいだよ？あなたの事が好きだって周りに言ってるみたいで。中学の時も好きになった女子に友達も彼氏も作らせないって泣きわめいて大変だったんだって。』

予想外だった。
その好きが友情的な執着なのか、恋愛としての執着なのか分からないが
この先3年間彼女に時間全てを囚われるのは単純に嫌だと思った。

『任せるけど…教室に戻ったら呼びかけるから抜けれたらおいでよ。』

無理強いしない彼女の物言いが余計に女子特有のものではなく私を心配して言ってくれているような気がして私は選択しなければいけないと思った。

教室に戻り席に着くといつも通り彼女は私の好きな物を全て聞き出そうと質問攻めにした。
 
体育館の彼女が
『一緒に食べないー？』
と声をあげてくれた。
その前に自分が今日から食べるメンバーに私を呼びたいと話題を振ってくれているのが横目に見えていた。

「今日あっちで食べて来ていい？」
そう言った私に彼女は涙を浮かべた。
怒りと軽蔑と悲しみを込めた瞳を後に私は席を移動した。

座り直したその席には
入学初日私に『ださっ』と言い放ったショートカットの美少女がいた。