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離れるほど好きになるって、やっぱり本当だなぁ
しおりを挟む「「ハァ!!?!?記憶喪失!?村瀬大先生が!!?」」
「玲央も糸も声大きい!」
「いや、普通に驚こと聞かされたら、こうなるって!」
「それもなんで、朔と羅人君の記憶だけがないのさ!!」
「それは俺が1番知りたいよ、、、、」
拝啓、天国のママ、パパ、咲夜兄さん、雅陽姉さん夫婦、雅之兄さん夫婦、お元気ですか?俺は全くと言って良いほど元気じゃないです。
フユさんが目を覚まして俺は羅人と一緒に病室に入った。
フユさんは俺を目にして一言。
『誰?』
その発言は病室を一瞬で凍らせた。そのあと来た、玲央と糸の事は認識出来てたのに。
今、俺は玲央と糸、それと秋人さんと日和さんと1階のカフェテリアに来ていて、さっき夏人さんから言われた診断結果を聞いた。
「、、、、まさか、冬人お兄様が、朔羅と羅人だけの記憶がないなんて、ビックリですわ」
「俺もだ。頭を強く打った衝撃で記憶を失ったのは分かるが、何故朔と羅人だけの記憶が、」
「日和さんも秋人さんもそんな、落ち込まないでよ」
「朔は落ち込まないのか?」
「!、玲央、」
「今1番辛いのは朔だろ??好きな人、それも番から自分の記憶がゴッソリなくなって、自分を自分だと認識して貰えないのは、辛いだろ?」
「ッ、、、、辛い、辛いよ」
「なら、」
「でも、、俺が悲しんでたら、羅人に伝わっちゃう。この子は自分のパパが自分の記憶なくなったの知らないから、だから」
「ッ~、朔は優し過ぎるんだよ!僕本当にそこ心配!」
「俺らはいつでも朔の味方なんだからな」
「私もですわね。時には甘える事も覚えたら如何ですの?」
「そうだな。俺だって朔にとっては恋人で番なんだ」
「、、、、はい」
4人からの言葉に俺はそう返事をする。
でもまだ、不安だ。なんで俺と羅人の記憶だけがなくなったんだろ。それに1番辛いのは、、、、玲央達の記憶がある事だ。
俺の方が、俺の方がずっとそばに居たのに、ずっと、、、、ずっと一緒に居るって誓ったのに、、、、なんでなんだよ。
心の中で悔しいと言う気持ちの海が出来てしまう。
ガラッ
「フユさん、服持って来たよ」
「!、あぁ、ありがとう」
次の日、病室にフユさんの服や必要な物を持って行くと、少しビクッとしながらも、対応をするフユさん。
前のフユさんだったら、平然と「遅かったじゃないか」とか言ってたな。
「ここに、置いておくからね」
「あぁ」
「使い終わったフユさんの着替え、持って帰って洗濯するけど、必要になったら言ってね」
「分かった」
「、、、、、、、、あの」
「ん?何?」
「君は、俺の事をフユさん、と呼ぶんだな」
「、」
フユさんのその言葉に動きが止まる。
あぁ、そっか、疑問に感じるよね。記憶がなくてそれなのに自分とは夫婦で番と言う男が目の前に現れてそれも自分の嫌いなΩで、困惑するのは突然で、それでいて誰にも呼ばれていない呼び方、、、、違和感を感じるのは当たり前だ。
「嫌、でしたか?」
「!、いや、そう言うわk 「すみません、気をつけますね、冬人さん」、、え」
「苗字呼びだと他のご兄弟と間違っちゃうので、これで勘弁して下さい」
「ちょっ」
「じゃあ、これで俺失礼しますね。ぁ、今度からは楓斗さんとか夏人さんに渡して持って来て貰うんで、会いたくなかったら言って下さい。じゃ、さようなら」
「!、待っt」
俺はそう言って、病室を早々に出た。
なんだろうなぁ、多分俺、今のフユさん、いや、冬人さんをちゃんと見れる自信がない。
見たら、泣く自信しかない。
あんな、俺の知らない冬人さん、俺を愛してくれない冬人さんは、ただの別人に感じるはずなのに、仕草が変わってないし、俺と羅人の記憶だけがないだけで、冬人さんはフユさん、なんだよなぁ。
「ただいま」
「ぁ、おかえり、朔ちゃん。冬人兄さんどうだった?」
「元気そうにしてたよ。先生もだいぶ怪我は良くなってるって、退院も早くなるかもだって」
「それは良かった!」
家に帰ると、1人待っていた楓斗さんが羅人を抱っこして俺に近づく。
「ぁ、そうだ、楓斗さん」
「ん?何?朔ちゃん」
「今度からさ、フユさんの荷物、楓斗さんが持って行ってくれない?」
「え?、何、で?」
「俺が行ったら、フユさん困惑しちゃうよ。記憶もないし思い出もない他人が、来るなんてストレスに、なる」
「!、他人なんかじゃな 「今のフユさんにとっては俺はただ突然現れた正体不明の苦手なΩ!」、」
「フユさんにとっては俺と言う存在だけでストレスになる。だったら、、、、楓斗さんが行って」
「、、、、朔ちゃん、それ本心で言ってる?」
「言ってるに決まってるじゃん。何言ってるの、楓斗さん」
「じゃあ、なんで朔ちゃん泣いてるの?」
「え?、、、、、、、、ぁ、」
楓斗さんの言葉で、俺は頬を触る。すると冷たかった。
この時気付いた、俺泣いてるんだって。
楓斗さんは羅人をベビーベッドに寝かせてから、俺に近づいて抱きしめて来た。
ギュッ
「朔ちゃん、前に夏君も言ってたけど、泣いて良いんだよ。泣いて、無理に離れようなんてしなくて良いんだよ!」
「ウルッ、俺、、おれ、、フユさんが俺に知らない視線、グスッ 送ってくるの、グスッ 怖くて、それ以上に、辛くて グスッ」
「うん、うん」ナデナデ
「でも、でも、グスッ フユさんはそれ以上に記憶がないけど、グスッ、優しくしようとしてくれて、ハァ ハァ、ハァ、それが苦しくて、、そばに居たいのに、居たら、フユさんをグスッ ハァ ハァ ハァ、傷つけちゃうって思うと、、嫌で、堪らない」
「うん、うん、、、、ぜーんぶ、吐き出して良いんだよ。良いんだよ、朔ちゃん」ナデナデ
楓斗さんの優しく包み込んでくれる声に俺は涙を流しながら思った事を全部ぶち撒けた。
苦しい、だけどそれ以上に記憶のないフユさんの方が苦しいのは当たり前だ。
だったら、その原因である俺は、フユさんから離れた方が良いんじゃないか、そう頭の中で入り混じってしまう。
あぁ、、、、離れる事がこんなにも苦しいのなんて、もう二度と味わいたくなかったのに、、、、なぁぁ。
「スゥ スゥ スゥ」
ガチャン
「朔ちゃん、寝たよ」
「そうか、、、、帰って来て朔が泣いてた時はビックリした」
「朔羅も限界来てますわよね、、、、でも、当然、ですわよね」
「夏君から、色々情報貰ってるけど、記憶の回復は見られない。夏君から、朔ちゃんの事話しても、分かんない、みたい」
「そうか、、、、」
「楓斗お兄様、朔羅は冬人お兄様から離れようとしているって本当ですの?」
「うーん、俺が見た感じは、そう。朔ちゃん、多分もしこの家に帰って来ても自分が居れば本来の自分を出せないから、って思って兄さんを守りたいがために自分を犠牲にしようと思ってる」
「、、、、本当に、朔羅は」
「朔は自己犠牲をしてしまうところがあるからな、、、、だが、今回の事は冬人も悪くない、朔も悪くない、誰も悪くないのに怒ってしまった」
「とりあえず、俺達は朔ちゃんを守ろう!」
「そうですわね、、出来るだけの事はやりますわ」
「だが、冬人の記憶をどうやって戻すか、だな」
「夏人お兄様曰く、身近な物や、思い出の強い物などで思い出す、のですわよね?」
「うん、そう見たい。だけど、何がトリガーになるのか、分かんないんだよなぁぁ」
「「うーん」」
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