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揺らぐ心
19. 泣きたい日 〜リーゼロッテ〜
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ヴィンフリート殿下からの手紙を胸に抱きしめたまま、どれくらいの時間が経っただろう。
(これも殿下の作戦の一つなのかもしれないわ。動揺したらあちらの思う壺よ。しっかりしないと)
いくらか落ち着きを取り戻すと、扉の向こうが静かになっていることに気がついた。
鍵を開けて恐る恐る扉を開けて様子を伺う。
「あ、姫様やっと出て来たー」
入り口付近にいたアンナがすぐに気付き、ぴょーんと飛び跳ねながら駆けてきた。
「大丈夫ですか? 心配しましたよー」
「ごめんなさい取り乱して」
アンナの後からユリウスもやってきた。何だか渋い顔をしている。どうしたのかしら。小さく首を傾げるとアンナが教えてくれた。
「さっき王子が来たんです。姫様と話がしたいって。その手紙のことでなんか物申したいみたいですよ」
胸元の手紙を指差され、落ち着いたはずの心臓がまたびくっと高鳴る。
「どんな内容なのか俺達は聞くなと言われました」
「そう……」
この手紙は私が書いたわけじゃないけれど、二人には恥ずかしくて見せられない。
ユリウスは不機嫌を隠そうともしないものの、手紙の内容を聞こうとはしない。殿下の見ていないところで命に背いてもばれやしないのに、そういうところは昔から律儀だ。
(会いたい……か)
手紙の内容を思い出すだけで頬が熱くなる。ついさっき受け取ったばかりの胸をざわつかせる手紙。そして突然のお誘い。
(怖い。何の話をするの? この手紙の続き? それともこの手紙は何かの間違いだったとか?)
どちらにしても、いつものように笑顔の仮面をつけていられるかどうか、自信がない。最悪、逃げ出してしまうかもしれない。
(それでも、一人であれこれ考えてても仕方ないわね……)
どのみち殿下の意に逆らうわけにはいかないのだから、ここはもう腹を括るしかない。
「ユリウス、殿下へ伝えて。いつでも喜んでお会い致しますと」
「……良いのですか」
「大丈夫。心配しないで」
安心させるために言ったつもりが、ますますユリウスの顔つきが険しくなる。手紙に何か私が傷つくようなことが書かれていると勘違いしたのかもしれない。
(むしろ、その逆で困っているのだけれど)
下手に何か言い繕おうとすれば、かえって墓穴を掘ってしまいそう。私は今できる最高の笑顔をユリウスに向けた。
「……わかりました。殿下に伝えに行って参ります」
ユリウスの目にはどう映ったのか。ひとまず納得してくれたようで良かった。ほっと溜息を漏らす。
「姫様、お供しましょうか」
「大丈夫よアンナ、ありがとう」
「そう仰ると思いました」
にやにやと何か察した様子のアンナ。勘が鋭く、ユリウスには隠せることがアンナには簡単にばれてしまうことが多々ある。
「そのうち話せるようになったら、絶対に聞かせてくださいね」
「……そうね」
アンナの追及からはきっと逃げられない。諦めて私は小さく頷いた。
ユリウスに案内されて行き着いた部屋は、城内の最奥にある小さな一室だった。
「俺はディルクと隣の部屋に控えています。何かあったらすぐに大声で助けを呼んでください。すぐに参ります」
心配そうに何度も念押ししてから、それでも名残惜しそうにユリウスが部屋を後にした。
一人残された私は部屋中をきょろきょろと見回した。
楕円型のテーブルと、それを取り囲むように淡いイエローの一人掛けソファが四つ。小窓から漏れる陽光がきらきらと眩しく床一面に降り注ぐ。壁にかけられた絵画は、多分この王城の遠景。生い茂る緑の中に凛とそびえ立つ白亜の美しい王城が描かれていた。
(綺麗……)
この前、馬車の中から城下の街並みを見下ろした時も、同じことを思った。雲一つない澄んだ青空と、整然と並ぶ真っ白い街並み。
ソファの一つに座り、王城の絵画に見入った。
自然のものではない、歴然と作られた美がそこにある。偶然に生まれたものではない、すべてが計算され尽くされた、精巧な美しさ。
(天空の国リングエラ……不思議なところね)
がちゃっと扉の開く音がして振り向くと、ヴィンフリート殿下が部屋に足を踏み入れようとしているところだった。
慌てて立ち上がり、皺の寄ったドレスの裾をさっと直して両手で摘んだ。
「殿下、本日はお招きいただきありがとうございます」
深く頭を下げる。殿下からは何の反応もない。服装にまで気が回らなくて普段着のドレスのまま来てしまったから、粗末な格好だと呆れているのかもしれない。
何も声をかけられないまま勝手に顔を上げて良いものか少し迷い、恐る恐る顔を上げると正面から殿下と目が合った。
鮮やかな赤い前髪の奥に光る、切れ長の茶色い瞳。
(あれ……?)
その目つきは心なしか柔らかい。前に感じた身が竦むほどの威圧感はなりを潜め、これは本当に殿下なのかと一瞬疑うほど。
「急に呼び出してすまなかった。座ってくれ」
口調も棘がなくどこか優しく聞こえる。そもそも殿下が謝罪の言葉を口にするなんて。一体どうしたんだろう。
私の向かいに殿下が腰を下ろし、それに合わせて私もソファにもう一度腰を落ち着けた。殿下が何か言いたそうな視線をちらちら向けてくるけれど、なかなか口を開こうとしない。私から何て声を掛けるべきかわからず、同じようにそわそわしてしまう。微妙に気まずい空気が流れる。
(こんな殿下は初めて……)
原因として思い当たるのはあの手紙しかない。顔に熱が集まるのを感じて、思わず俯いた。
(どうしよう、恥ずかしくてもう顔をあげられないわ)
どくどくと心臓が激しく脈打つ。静寂の中で、殿下にまでこの鼓動が聞こえてしまうんじゃないかとどきどきして、ますます速くなる。ドレスの布地を握った両掌はじんわり汗で滲んできた。灼熱の太陽の下に晒されたかのように身体中が熱くて、今にも倒れ込んでしまいたい気分だった。
長い沈黙を先に破ったのは殿下の方だった。
「リーゼロッテ」
名前を呼ばれて、反射的に顔を上げてしまった。真っ直ぐにこちらを見据える殿下と視線が交わる。
私の記憶違いでなければ、今まで殿下に名前を呼ばれたことは一度もない。あの手紙の中で初めて殿下に名前を呼ばれて、私の名前ご存知だったのね、なんて失礼なことを考えてしまったくらい。
こうして実際にヴィンフリート殿下の低い声音に乗った自分の名前を耳にすると、首筋の辺りがぞわぞわする。
「ディルクがそう呼んでいた。私もそう呼んでも構わないだろう」
不貞腐れたような表情の殿下に、思わず返事をしてしまった。
手紙にもディルクがどうとか書かれていた。
(それで名前を……?)
それはつまり。いやそんな、まさか。
「リーゼロッテ」
もう一度、凛とした声で呼ばれた。その視線は真っ直ぐ私に注がれている。
「はい、殿下」
正面から目を合わせ、私もはっきりと返事を返した。ほんの少しだけ垂れ下がった茶色い瞳が、柔らかい光を含ませながら惜しみなく向けられる。かすかに熱を宿したようにも見える眼差し。
(どうしてそんな目で私を見るの?)
私の願いは、殿下から婚約破棄してもらって地上に帰ること。
殿下から好意を持たれても何の得にもならない。目的を達成するにはむしろ嫌われた方が良い。そのために色々やってきた。悪印象を与えることしかしていない。それなのに、殿下からのあの手紙、今のこの態度。さっぱりわからない。
もっとわからないのは、この困った状況にも関わらず、胸の奥にじんわりと広がる温かい気持ち。
(どうしちゃったの、私)
殿下に少なからず好かれているかも、と思い至った刹那、嬉しいと思ってしまった。
どうして……。
「これから時間ができたら、こうしてリーゼロッテと会って話がしたい。ユリウスに声を掛ければ良いだろうか。ああ、それからこの部屋は私の私室だがリーゼロッテも好きに使ってくれて構わない。ディルクにもそう言っておこう」
私の脳内は混乱したまま、殿下は嬉々として話し始めた。私は黙ってこくこくと頷くことしかできない。
「この前の庭園のテラスは控えの侍女に言えばいつでも自由に使える。他にも気になる場所や部屋があったら、言ってくれればすぐに開けさせる。不便なことがあれば言ってくれ。すぐに対処する」
「あの……」
「何だ」
おずおずと口を挟むと、殿下は喜色満面の笑みを浮かべた。
「恐れながら、私には身に余るご厚意かと」
「そんなことはない。リーゼロッテ、君は私の婚約者なのだから」
声高らかにそう宣言されてしまうと、こちらとしては何も言い返せない。
そう、私はこの方の婚約者なんだった。全然それらしく扱われないし、私としてもすぐに解消されるものと思い込んでいたから、いまいち実感が湧かないままだったけれど。
(このまま行ったら、私は本当に殿下と……)
ちらりと殿下を盗み見る。初めて見る優しい微笑みを向けられ、何故だか泣きたくなった。
(これも殿下の作戦の一つなのかもしれないわ。動揺したらあちらの思う壺よ。しっかりしないと)
いくらか落ち着きを取り戻すと、扉の向こうが静かになっていることに気がついた。
鍵を開けて恐る恐る扉を開けて様子を伺う。
「あ、姫様やっと出て来たー」
入り口付近にいたアンナがすぐに気付き、ぴょーんと飛び跳ねながら駆けてきた。
「大丈夫ですか? 心配しましたよー」
「ごめんなさい取り乱して」
アンナの後からユリウスもやってきた。何だか渋い顔をしている。どうしたのかしら。小さく首を傾げるとアンナが教えてくれた。
「さっき王子が来たんです。姫様と話がしたいって。その手紙のことでなんか物申したいみたいですよ」
胸元の手紙を指差され、落ち着いたはずの心臓がまたびくっと高鳴る。
「どんな内容なのか俺達は聞くなと言われました」
「そう……」
この手紙は私が書いたわけじゃないけれど、二人には恥ずかしくて見せられない。
ユリウスは不機嫌を隠そうともしないものの、手紙の内容を聞こうとはしない。殿下の見ていないところで命に背いてもばれやしないのに、そういうところは昔から律儀だ。
(会いたい……か)
手紙の内容を思い出すだけで頬が熱くなる。ついさっき受け取ったばかりの胸をざわつかせる手紙。そして突然のお誘い。
(怖い。何の話をするの? この手紙の続き? それともこの手紙は何かの間違いだったとか?)
どちらにしても、いつものように笑顔の仮面をつけていられるかどうか、自信がない。最悪、逃げ出してしまうかもしれない。
(それでも、一人であれこれ考えてても仕方ないわね……)
どのみち殿下の意に逆らうわけにはいかないのだから、ここはもう腹を括るしかない。
「ユリウス、殿下へ伝えて。いつでも喜んでお会い致しますと」
「……良いのですか」
「大丈夫。心配しないで」
安心させるために言ったつもりが、ますますユリウスの顔つきが険しくなる。手紙に何か私が傷つくようなことが書かれていると勘違いしたのかもしれない。
(むしろ、その逆で困っているのだけれど)
下手に何か言い繕おうとすれば、かえって墓穴を掘ってしまいそう。私は今できる最高の笑顔をユリウスに向けた。
「……わかりました。殿下に伝えに行って参ります」
ユリウスの目にはどう映ったのか。ひとまず納得してくれたようで良かった。ほっと溜息を漏らす。
「姫様、お供しましょうか」
「大丈夫よアンナ、ありがとう」
「そう仰ると思いました」
にやにやと何か察した様子のアンナ。勘が鋭く、ユリウスには隠せることがアンナには簡単にばれてしまうことが多々ある。
「そのうち話せるようになったら、絶対に聞かせてくださいね」
「……そうね」
アンナの追及からはきっと逃げられない。諦めて私は小さく頷いた。
ユリウスに案内されて行き着いた部屋は、城内の最奥にある小さな一室だった。
「俺はディルクと隣の部屋に控えています。何かあったらすぐに大声で助けを呼んでください。すぐに参ります」
心配そうに何度も念押ししてから、それでも名残惜しそうにユリウスが部屋を後にした。
一人残された私は部屋中をきょろきょろと見回した。
楕円型のテーブルと、それを取り囲むように淡いイエローの一人掛けソファが四つ。小窓から漏れる陽光がきらきらと眩しく床一面に降り注ぐ。壁にかけられた絵画は、多分この王城の遠景。生い茂る緑の中に凛とそびえ立つ白亜の美しい王城が描かれていた。
(綺麗……)
この前、馬車の中から城下の街並みを見下ろした時も、同じことを思った。雲一つない澄んだ青空と、整然と並ぶ真っ白い街並み。
ソファの一つに座り、王城の絵画に見入った。
自然のものではない、歴然と作られた美がそこにある。偶然に生まれたものではない、すべてが計算され尽くされた、精巧な美しさ。
(天空の国リングエラ……不思議なところね)
がちゃっと扉の開く音がして振り向くと、ヴィンフリート殿下が部屋に足を踏み入れようとしているところだった。
慌てて立ち上がり、皺の寄ったドレスの裾をさっと直して両手で摘んだ。
「殿下、本日はお招きいただきありがとうございます」
深く頭を下げる。殿下からは何の反応もない。服装にまで気が回らなくて普段着のドレスのまま来てしまったから、粗末な格好だと呆れているのかもしれない。
何も声をかけられないまま勝手に顔を上げて良いものか少し迷い、恐る恐る顔を上げると正面から殿下と目が合った。
鮮やかな赤い前髪の奥に光る、切れ長の茶色い瞳。
(あれ……?)
その目つきは心なしか柔らかい。前に感じた身が竦むほどの威圧感はなりを潜め、これは本当に殿下なのかと一瞬疑うほど。
「急に呼び出してすまなかった。座ってくれ」
口調も棘がなくどこか優しく聞こえる。そもそも殿下が謝罪の言葉を口にするなんて。一体どうしたんだろう。
私の向かいに殿下が腰を下ろし、それに合わせて私もソファにもう一度腰を落ち着けた。殿下が何か言いたそうな視線をちらちら向けてくるけれど、なかなか口を開こうとしない。私から何て声を掛けるべきかわからず、同じようにそわそわしてしまう。微妙に気まずい空気が流れる。
(こんな殿下は初めて……)
原因として思い当たるのはあの手紙しかない。顔に熱が集まるのを感じて、思わず俯いた。
(どうしよう、恥ずかしくてもう顔をあげられないわ)
どくどくと心臓が激しく脈打つ。静寂の中で、殿下にまでこの鼓動が聞こえてしまうんじゃないかとどきどきして、ますます速くなる。ドレスの布地を握った両掌はじんわり汗で滲んできた。灼熱の太陽の下に晒されたかのように身体中が熱くて、今にも倒れ込んでしまいたい気分だった。
長い沈黙を先に破ったのは殿下の方だった。
「リーゼロッテ」
名前を呼ばれて、反射的に顔を上げてしまった。真っ直ぐにこちらを見据える殿下と視線が交わる。
私の記憶違いでなければ、今まで殿下に名前を呼ばれたことは一度もない。あの手紙の中で初めて殿下に名前を呼ばれて、私の名前ご存知だったのね、なんて失礼なことを考えてしまったくらい。
こうして実際にヴィンフリート殿下の低い声音に乗った自分の名前を耳にすると、首筋の辺りがぞわぞわする。
「ディルクがそう呼んでいた。私もそう呼んでも構わないだろう」
不貞腐れたような表情の殿下に、思わず返事をしてしまった。
手紙にもディルクがどうとか書かれていた。
(それで名前を……?)
それはつまり。いやそんな、まさか。
「リーゼロッテ」
もう一度、凛とした声で呼ばれた。その視線は真っ直ぐ私に注がれている。
「はい、殿下」
正面から目を合わせ、私もはっきりと返事を返した。ほんの少しだけ垂れ下がった茶色い瞳が、柔らかい光を含ませながら惜しみなく向けられる。かすかに熱を宿したようにも見える眼差し。
(どうしてそんな目で私を見るの?)
私の願いは、殿下から婚約破棄してもらって地上に帰ること。
殿下から好意を持たれても何の得にもならない。目的を達成するにはむしろ嫌われた方が良い。そのために色々やってきた。悪印象を与えることしかしていない。それなのに、殿下からのあの手紙、今のこの態度。さっぱりわからない。
もっとわからないのは、この困った状況にも関わらず、胸の奥にじんわりと広がる温かい気持ち。
(どうしちゃったの、私)
殿下に少なからず好かれているかも、と思い至った刹那、嬉しいと思ってしまった。
どうして……。
「これから時間ができたら、こうしてリーゼロッテと会って話がしたい。ユリウスに声を掛ければ良いだろうか。ああ、それからこの部屋は私の私室だがリーゼロッテも好きに使ってくれて構わない。ディルクにもそう言っておこう」
私の脳内は混乱したまま、殿下は嬉々として話し始めた。私は黙ってこくこくと頷くことしかできない。
「この前の庭園のテラスは控えの侍女に言えばいつでも自由に使える。他にも気になる場所や部屋があったら、言ってくれればすぐに開けさせる。不便なことがあれば言ってくれ。すぐに対処する」
「あの……」
「何だ」
おずおずと口を挟むと、殿下は喜色満面の笑みを浮かべた。
「恐れながら、私には身に余るご厚意かと」
「そんなことはない。リーゼロッテ、君は私の婚約者なのだから」
声高らかにそう宣言されてしまうと、こちらとしては何も言い返せない。
そう、私はこの方の婚約者なんだった。全然それらしく扱われないし、私としてもすぐに解消されるものと思い込んでいたから、いまいち実感が湧かないままだったけれど。
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