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揺らぐ心
20. 新たな策略 〜リーゼロッテ〜
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やたらと甘い雰囲気を醸し出す殿下との時間は、ディルクが飛び込んできてお開きとなった。
「殿下、そろそろ午後の準備がございます」
ノックもなしに突然開いた扉に、殿下のご機嫌は一気に急降下したように見えた。
「少しは気を利かせろ」
「最大限お待ちしたつもりですが」
軽く舌打ちをして、殿下が立ち上がる。
「リーゼロッテはこのままここでしばらく寛いでいくと良い。せっかくだからこれも食べていってほしい」
そう言われて初めて、紅茶やお菓子がテーブルに用意されていることに気がついた。びっくりすることの連続で、全然目に入っていなかった。
「ありがとうございます、いただきます」
「私の分はユリウスに……やるのは癪だな。侍女にやろう。女性二人で楽しんでくれ」
(どうしてアンナに? まさかアンナのことを知っている?)
できるだけ表に出ないように私もアンナ本人も重々気をつけていたけれど、殿下と全く接触がないわけではないから、どこかで顔を見られたのかもしれない。たったそれだけで覚えてるとしたら、さすがは王子だ。
ここで渋ると変に印象が残ってしまうかもしれない。私は慌てて殿下に笑顔を作ってみせた。
「お気遣いありがとうございます」
殿下は少し立ち止まり私の顔を一瞥してから、さっと踵を返し出て行った。それに続くディルクがそっと耳打ちしてくる。
「まずは読み書きを覚えていただきたく、また追って連絡致します、リーゼロッテ様」
(きた……!)
ディルクが私の名前を呼んだ。ひとまず信じてくれる気にはなったみたい。心の中ではガッツポーズを取りつつ、顔は澄ましたままディルクを見つめる。
「ええ、待ってるわ」
ディルクが出ていくのと入れ替わりで今度はユリウスが慌ただしく駆け込んできた。
「リゼ様、ご無事ですか?!」
「何ともないわ、心配しすぎよユリウス」
「良かった……しかしまたあの王子に何か腹の立つことを言われたのでは?」
「それも大丈夫。……大したことなかったわ」
本当はユリウスが考えているのとは真逆の意味で、私の心は大きく揺さぶられているのだけれど、決してそれを表には出さない。
とは言え、アンナにはこのこともばれてしまうかも。追及されるのが怖い。
その日の午後、ディルクからさっそく呼び出し連絡があった。明日の午前また殿下のサロンに来るようにとのことで、特に何の予定もない私はすぐに承諾した。
翌日。朝食を終えてすぐにサロンに向かった。扉を開けると既にディルクがそこにいた。昨日はなかったはずのデスクが一台と椅子が二脚運び込まれ、片方の椅子でディルクいつもの書物を開いていた。デスクの上にも何冊か同じような書物が置いてある。
「リーゼロッテ様」
私の姿を認めるとディルクは書物を閉じ、すっと立ち上がった。
「お待ちしておりました」
「名前を呼んでもらえて嬉しいわ。ありがとう」
以前一緒に外出した時よりも、私に対する態度が柔らかくなっている。笑顔、とまではいかないまでも、険しい表情ではなくなっていた。
「ディルクならきっと私を信じてくれると思ってたの。やっぱりさすがは元宰相ね。じゃあさっそく今後の話をしましょう」
「お言葉ですが、まずはこちらの清書から始めさせてください」
そう言ってディルクが差し出したのは、とある文章が書かれた一枚の便箋だった。受け取りざっと目を通す。
「少し前に流行った小説の一節かしら。リングエラでも同じ本が出回ってるのね」
「やはりご存知でしたか」
ディルクが苦笑を浮かべる。
「読み書きが苦手というのは、殿下を欺くための嘘ですか」
「当然よ。まさか本当に読み書きの指南をしてくれる気だったの?」
「いえ、念のため確認です」
「ちゃんと私を指導したって証拠が必要なら、さっさとやっちゃいましょう」
ディルクの返事も聞かず、私は空いている椅子に座り用意されたペンを手にした。万人受けする優しい文章で、地上では大ベストセラーを巻き起こした小説の一節。難しい単語は全然出てこないからすぐに書き上がってしまった。
「これでどうかしら」
「……お見事です」
私が書き上げたものを恭しく手に取ると、ディルクは唸り声を上げた。
「秀麗ですね。あの手紙とはまるで別人だ」
当然だ。本当に別人が書いたものなのだから。私も頑張って色々書いてみたけれど、アンナの手紙の破壊力には全然力及ばなかった。
その辺りはディルクに話すつもりはない。
「これで満足かしら。さあ、本題に入りましょうか」
にっこり笑って見せると、ディルクは書物や手紙、ペンなどをデスクの端に寄せた。
「私もリーゼロッテ様にお話ししたいことが」
「あら、何かしら」
「私はリーゼロッテ様を信頼することに致しました。クレマチスにリングエラと戦う意思はない、他でもないリーゼロッテ様がそう仰るのなら、本当にそうなのでしょう。その辺りのことはいずれまたクレマチス国王を招いて話し合いの場を設けるなり書面でやりとりをするなり、何らかの国交を敷くべきかと存じます。その際にはリーゼロッテ様のお力もお貸しいただくことになりましょう」
しかし、とそこでディルクは言葉を切り、ずいと詰め寄ってきた。
「そのことと、殿下との婚約は別です」
「え……?」
「リーゼロッテ様は高い知性と教養をお持ちの上に大変聡明でいらっしゃいます。我がリングエラの次期王妃として、貴方ほど相応しい人は他にいない。婚約解消など到底受け入れられません」
「ちょっと待って。それじゃ話が違うじゃない」
私は、椅子が大きな音を立てて倒れるのも構わず立ち上がった。ディルクは大して動揺もせず座ったまま私を見上げる。
「協力すると言った覚えはありません」
「それじゃ、単に私がクレマチスの国情を漏らしただけってことになるわ」
「リーゼロッテ様もご存知の通り、リングエラとしても地上に攻め入る気はありませんので、双方とも何の被害も被っていません。問題ないのでは」
冗談じゃない。
それでは私一人がディルクを懐柔しただけで、何の意味もない。肝心の婚約破棄の話は何も進まない。思ってもみなかった展開にわなわなと机に置いた両手が震える。
(ちょっと待って)
そこで、はたと気づいた。ディルクが殿下と私を本気で結婚させたがっているんだとしたら。
私はカッと目を見開き、ディルクに人差し指を突きつけた。
「あれは貴方の差し金ね!」
「何のことでしょう」
しれっと答える姿がいっそ憎らしい。
「とぼけないで。殿下のあの手紙、筆跡は確かに殿下のものだったけれど、まるで殿下らしくないあの文章……貴方の仕業でしょう」
ちょうど今さっき、私がディルクの用意した手紙を書き写したように、殿下も何らかのお手本を元にあの手紙を書いたんだろう。きっとそうに違いない。
私の名推理に、ディルクは首を横に振った。
……あれ、違うの?
「あれは間違いなく殿下自身が書かれた手紙です。私は関与していません。……まあ、リーゼロッテ様にお渡しする気はなかったようですが」
「そんな話、信用できないわ」
「私が用意するなら、もっとちゃんとした文章のものをきちんと用意します」
そう言われると、納得せざるを得ない。たしかにディルクがあらかじめ準備した文章にしては、まとまりがなかったような気もする。本気で私を落とそうというのなら、もっと洗練された熱烈な内容を用意周到に持ってくるだろう。
「いかがでしたか?」
ディルクの問いに私は眉を顰めた。
「何が?」
「殿下の手紙をお読みになられて。少しは心が動かされたのではないですか」
どくん、と一瞬胸が鳴る。この人は、他人の心が読めるのだろうか。
「そ、それは……驚いたわ。殿下があんなお手紙を書かれるなんて。でもそれだけよ」
「そうですか」
つん、と澄ました表情で取り繕うものの、ディルクは意味ありげに口の端だけで意地悪く微笑む。この男、一筋縄ではいかない。もっと簡単に味方にできると踏んでいたのに。こちらの手の内をあっさりとディルクに教えてしまったのは失敗だったかもしれない。自分の読みの甘さを少し後悔した。
「殿下、そろそろ午後の準備がございます」
ノックもなしに突然開いた扉に、殿下のご機嫌は一気に急降下したように見えた。
「少しは気を利かせろ」
「最大限お待ちしたつもりですが」
軽く舌打ちをして、殿下が立ち上がる。
「リーゼロッテはこのままここでしばらく寛いでいくと良い。せっかくだからこれも食べていってほしい」
そう言われて初めて、紅茶やお菓子がテーブルに用意されていることに気がついた。びっくりすることの連続で、全然目に入っていなかった。
「ありがとうございます、いただきます」
「私の分はユリウスに……やるのは癪だな。侍女にやろう。女性二人で楽しんでくれ」
(どうしてアンナに? まさかアンナのことを知っている?)
できるだけ表に出ないように私もアンナ本人も重々気をつけていたけれど、殿下と全く接触がないわけではないから、どこかで顔を見られたのかもしれない。たったそれだけで覚えてるとしたら、さすがは王子だ。
ここで渋ると変に印象が残ってしまうかもしれない。私は慌てて殿下に笑顔を作ってみせた。
「お気遣いありがとうございます」
殿下は少し立ち止まり私の顔を一瞥してから、さっと踵を返し出て行った。それに続くディルクがそっと耳打ちしてくる。
「まずは読み書きを覚えていただきたく、また追って連絡致します、リーゼロッテ様」
(きた……!)
ディルクが私の名前を呼んだ。ひとまず信じてくれる気にはなったみたい。心の中ではガッツポーズを取りつつ、顔は澄ましたままディルクを見つめる。
「ええ、待ってるわ」
ディルクが出ていくのと入れ替わりで今度はユリウスが慌ただしく駆け込んできた。
「リゼ様、ご無事ですか?!」
「何ともないわ、心配しすぎよユリウス」
「良かった……しかしまたあの王子に何か腹の立つことを言われたのでは?」
「それも大丈夫。……大したことなかったわ」
本当はユリウスが考えているのとは真逆の意味で、私の心は大きく揺さぶられているのだけれど、決してそれを表には出さない。
とは言え、アンナにはこのこともばれてしまうかも。追及されるのが怖い。
その日の午後、ディルクからさっそく呼び出し連絡があった。明日の午前また殿下のサロンに来るようにとのことで、特に何の予定もない私はすぐに承諾した。
翌日。朝食を終えてすぐにサロンに向かった。扉を開けると既にディルクがそこにいた。昨日はなかったはずのデスクが一台と椅子が二脚運び込まれ、片方の椅子でディルクいつもの書物を開いていた。デスクの上にも何冊か同じような書物が置いてある。
「リーゼロッテ様」
私の姿を認めるとディルクは書物を閉じ、すっと立ち上がった。
「お待ちしておりました」
「名前を呼んでもらえて嬉しいわ。ありがとう」
以前一緒に外出した時よりも、私に対する態度が柔らかくなっている。笑顔、とまではいかないまでも、険しい表情ではなくなっていた。
「ディルクならきっと私を信じてくれると思ってたの。やっぱりさすがは元宰相ね。じゃあさっそく今後の話をしましょう」
「お言葉ですが、まずはこちらの清書から始めさせてください」
そう言ってディルクが差し出したのは、とある文章が書かれた一枚の便箋だった。受け取りざっと目を通す。
「少し前に流行った小説の一節かしら。リングエラでも同じ本が出回ってるのね」
「やはりご存知でしたか」
ディルクが苦笑を浮かべる。
「読み書きが苦手というのは、殿下を欺くための嘘ですか」
「当然よ。まさか本当に読み書きの指南をしてくれる気だったの?」
「いえ、念のため確認です」
「ちゃんと私を指導したって証拠が必要なら、さっさとやっちゃいましょう」
ディルクの返事も聞かず、私は空いている椅子に座り用意されたペンを手にした。万人受けする優しい文章で、地上では大ベストセラーを巻き起こした小説の一節。難しい単語は全然出てこないからすぐに書き上がってしまった。
「これでどうかしら」
「……お見事です」
私が書き上げたものを恭しく手に取ると、ディルクは唸り声を上げた。
「秀麗ですね。あの手紙とはまるで別人だ」
当然だ。本当に別人が書いたものなのだから。私も頑張って色々書いてみたけれど、アンナの手紙の破壊力には全然力及ばなかった。
その辺りはディルクに話すつもりはない。
「これで満足かしら。さあ、本題に入りましょうか」
にっこり笑って見せると、ディルクは書物や手紙、ペンなどをデスクの端に寄せた。
「私もリーゼロッテ様にお話ししたいことが」
「あら、何かしら」
「私はリーゼロッテ様を信頼することに致しました。クレマチスにリングエラと戦う意思はない、他でもないリーゼロッテ様がそう仰るのなら、本当にそうなのでしょう。その辺りのことはいずれまたクレマチス国王を招いて話し合いの場を設けるなり書面でやりとりをするなり、何らかの国交を敷くべきかと存じます。その際にはリーゼロッテ様のお力もお貸しいただくことになりましょう」
しかし、とそこでディルクは言葉を切り、ずいと詰め寄ってきた。
「そのことと、殿下との婚約は別です」
「え……?」
「リーゼロッテ様は高い知性と教養をお持ちの上に大変聡明でいらっしゃいます。我がリングエラの次期王妃として、貴方ほど相応しい人は他にいない。婚約解消など到底受け入れられません」
「ちょっと待って。それじゃ話が違うじゃない」
私は、椅子が大きな音を立てて倒れるのも構わず立ち上がった。ディルクは大して動揺もせず座ったまま私を見上げる。
「協力すると言った覚えはありません」
「それじゃ、単に私がクレマチスの国情を漏らしただけってことになるわ」
「リーゼロッテ様もご存知の通り、リングエラとしても地上に攻め入る気はありませんので、双方とも何の被害も被っていません。問題ないのでは」
冗談じゃない。
それでは私一人がディルクを懐柔しただけで、何の意味もない。肝心の婚約破棄の話は何も進まない。思ってもみなかった展開にわなわなと机に置いた両手が震える。
(ちょっと待って)
そこで、はたと気づいた。ディルクが殿下と私を本気で結婚させたがっているんだとしたら。
私はカッと目を見開き、ディルクに人差し指を突きつけた。
「あれは貴方の差し金ね!」
「何のことでしょう」
しれっと答える姿がいっそ憎らしい。
「とぼけないで。殿下のあの手紙、筆跡は確かに殿下のものだったけれど、まるで殿下らしくないあの文章……貴方の仕業でしょう」
ちょうど今さっき、私がディルクの用意した手紙を書き写したように、殿下も何らかのお手本を元にあの手紙を書いたんだろう。きっとそうに違いない。
私の名推理に、ディルクは首を横に振った。
……あれ、違うの?
「あれは間違いなく殿下自身が書かれた手紙です。私は関与していません。……まあ、リーゼロッテ様にお渡しする気はなかったようですが」
「そんな話、信用できないわ」
「私が用意するなら、もっとちゃんとした文章のものをきちんと用意します」
そう言われると、納得せざるを得ない。たしかにディルクがあらかじめ準備した文章にしては、まとまりがなかったような気もする。本気で私を落とそうというのなら、もっと洗練された熱烈な内容を用意周到に持ってくるだろう。
「いかがでしたか?」
ディルクの問いに私は眉を顰めた。
「何が?」
「殿下の手紙をお読みになられて。少しは心が動かされたのではないですか」
どくん、と一瞬胸が鳴る。この人は、他人の心が読めるのだろうか。
「そ、それは……驚いたわ。殿下があんなお手紙を書かれるなんて。でもそれだけよ」
「そうですか」
つん、と澄ました表情で取り繕うものの、ディルクは意味ありげに口の端だけで意地悪く微笑む。この男、一筋縄ではいかない。もっと簡単に味方にできると踏んでいたのに。こちらの手の内をあっさりとディルクに教えてしまったのは失敗だったかもしれない。自分の読みの甘さを少し後悔した。
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