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ジレンマ
39. 集まる欠片 〜リーゼロッテ〜
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退位式がやり直されると聞いて、私は今度こそきちんと役目を果たそうと奮起した。にも関わらず、寄ってたかって部屋で休むようにと説得され、ほぼ強制的に部屋に押し込められている。
(これはもう軟禁と言っても良いんじゃ……?)
婚約式以来、舞踏会も一度目の退位式もすっぽかさてしまった私としては、今度こそヴィンフリート様の婚約者として公の場にきちんと出席したい。
けれど他ならぬヴィンフリート様までもが「無理しなくて良い」とユリウス達と一緒になって諭してくるのだから、逆らいようがない。
病気でもなければ怪我もしていないのに、安静にしてろなんておかしな話だ。
そんなわけで、退位式当日。
アンナとユリウスに加えてディルクまでもが、私を監視するために一堂に会している。
「監視だなんて人聞きの悪い。リーゼロッテ様が無理をしないようにこうして見守っているだけのことです」
「言い方が違うだけじゃないの」
「まあまあ、立ち話もあれなんでお茶淹れましょうかね」
大の大人が四人も揃うと、それなりに広いはずのリビングもいつもより手狭に見える。アンナがいそいそとお茶の用意に出ると、ユリウスもお茶菓子を探しに席を立った。取り残されるディルクと私。
「リーゼロッテ様、お伺いしたいことがあるんですが」
「何かしら」
「こちらに見覚えございませんか」
ディルクが懐から取り出したのは、黒革の書物……私が書庫から持ち出し寝室のチェスターにしまったのと全く同じ書物だった。
(それをどうしてディルクが……もしかしてディルクが持っているのは下巻?)
私が手にしたのは、闇魔術の総論がまとめられた上巻。下巻には多分、恐ろしい闇魔術の会得方法が記されている。
「やはりリーゼロッテ様がお持ちでしたか」
何も言葉を発せずにいる私に、ディルクは察しがついたようだ。
「あの時に持ち出されたのですね。気づかなかった私も私ですが」
「ごめんなさい。あの時は無我夢中で……」
リングエラにのみ存在する魔力について知りたくて、ヴィンフリート様のお役に立ちたくて後先何も考えていなかった。そして結局何の役にも立てなかったわけだけれど。
「あの本は持出し厳禁書なので本来は決して外に出してはいけません。例外的に今は私が上中とも一時所有していることになっていますので、お預かりできますか」
「わかった、すぐ持ってくるわ」
実はちょうどあの書物をどうしようかと思っていたところだった。書庫に戻すにはまたアンナに道案内をお願いしないといけないけれど、そうしたらアンナが自分一人で行ってくると言い出しかねない。それはさすがに申し訳ない。ディルクの申し出も気が引けるものの、アンナにお願いするよりは良いかなと思えた。私は慌てて寝室に書物を取りに行った。
チェスターから書物を引っ張り出し表紙を開くと、そこに挟んでおいたはずのビアンカからの手紙がなくなっていて、代わりに一本の白い羽が挟まっていた。
(いつの間に?)
最初から証拠を残さないためにそういう魔術がかけられていたんだろうか。白い羽だけをチェスターの引き出しに戻し、書物を胸に抱えて私は立ち上がった。
それにしても、さっきのディルクの言葉に引っかかるものがある。
「ディルク、さっき上中って言ったわよね?」
リビングへ戻るとアンナとユリウスもちょうど戻ってきて、三人でテーブルを囲んでいるところだった。
「はい、私が持っているのは中巻です。リーゼロッテ様がお持ちなのは上巻ですね?」
「ええ、そうよ」
(何てこと……この書物は上中下の全三巻だったのね)
「何? 何の話?」
「全く見えないんですが」
ざわつく二人にディルクがかいつまんで説明をする。
「何とまあ、あの時ですか。さすが姫様というか何と言いますか……」
「黙っててごめんなさい」
「いやまあ、俺達もそこは同罪ですから」
「……何のこと?」
アンナとユリウスは気まずそうに顔を見合わせた。
「その……実は私達も姫様に内緒にしてたことがありまして」
「魔力保持者がリゼ様を狙ってるかもってディルクから聞かされて、防御法を習ってたんです」
私は目をパチクリしながら二人を見比べた。
退位式の前、何となく二人が元気ないように見えたのはそのせいだったのね、と今頃になってようやく納得がいった。
「血反吐を吐くような猛特訓を受けたのに、肝心の姫様は守れなくて面目無い」
「退位式のどさくさに紛れて狙ってくるとばかり思い込んでたからなあ。まさか直接ここに乗り込んでくるとは、予想外過ぎ……まあこれも言い訳にしかならないですよね。申し訳ありませんでした」
二人揃って頭を下げるので、私は二人に駆け寄り肩を叩いた。
「そんな、もう終わったことは良いわ。おかげでヴィンフリート様のお役に立ったんでしょう?」
「まあそれは」
「そうですけど……」
しょんぼり顔の二人に、ほらほら顔を上げて、と私はにっこり笑って見せた。
「はい、この話はもう終わり。それよりディルク、この書物について聞きたいんだけど、中巻と下巻は何が書かれているの?」
くるりと向きを変えてディルクの方を見やる。ディルクは手にした中巻をテーブルの端に置き、私達に座るよう促した。
「上巻は闇魔術についての一般論、中巻は闇魔術を用いた際に支払う代償について、下巻は闇魔術の具体的な会得方法について書かれています」
思った通り、やっぱり下巻は闇魔術の会得についてだった。でも中巻で書かれている代償とは何のことだろう。闇魔術を使うと寿命が短くなる、とは上巻にも書かれていたけれど、それ以上にまだ何か犠牲になるものがあるんだろうか。
「三巻とも一般には知られない禁書として書庫の一番奥に収められていました。特に下巻は禁書中の禁書、書庫の隠し扉内の金庫に厳重に保管されていました。ところが、私が調べた時には……あの夜リーゼロッテ様とお会いした後のことです、書庫にあったのはこの中巻のみで、上巻と下巻は何者かによって持ち出されていたのです」
「上巻を持ち出したのが私……?」
「はい。すぐにぴんと来ました。お二人が見ていた棚に上中巻があったのはわかっていましたし、いかに有能な間諜と言えどさすがに金庫までは嗅ぎつけられないだろうと。下巻を持ち出した者も予想はついています。そもそも金庫の存在を知る者自体が限られていますので」
「それがシュルツ伯爵?」
「はい、恐らく。法官が今取り調べているところですので、いずれ下巻の隠し場所も明るみに出るでしょう」
アンナがティーセットに全員分の紅茶を丁寧に注いでくれた。ふんわりと漂う良い香りの湯気。
「何はともあれ姫様がご無事で王子も大した傷を負わなくて良かったです」
「本当にな。リゼ様に何かあったら後悔どころじゃ済まないぞ」
「ビアンカの真の狙いは殿下だったのですから。結果的にはリーゼロッテ様に怪我がなくて本当に良かったです」
思い思いのことを口にしながら、それぞれのティーカップに口をつける。
(……本当にそうかしら?)
私には、真実は少し違うところにある気がした。
ビアンカが次の王位を手に入れようとヴィンフリート様の命を狙っていたのは間違いない。けれど同時に、ビアンカは本当にヴィンフリート様のことを好きだったんじゃないだろうか。
そもそもビアンカは、王位ではなくヴィンフリート様の伴侶になりたかったのでは。ヴィンフリート様に寄り添い一緒にリングエラを支えたかったのでは。
その目的が王位の掌握に変わってしまったきっかけは、私だったのかもしれない。私が現れたことで、ビアンカは父親の話に乗ったとも考えられる。どうせヴィンフリート様が自分を見てくれないのならいっそ……と。
初めて会った時のビアンカは、ディルクと噂になった私に心から憤っているように見えた。その噂が嘘だとわかった時は、嬉しそうな反面どこか切なそうでもあった。
ビアンカは私に出会うずっと前からヴィンフリート様のことを想っていたのだから、私は疎ましい存在だったはず。たとえ私が囮りだったとしても、殺すつもりまではなかったとしても、良い機会だから苦しめてやろう、くらいには考えていたかもしれない。
嫉妬と羨望。その感情を私は知っている。私もフローラに対して、かつて同じ気持ちを抱いたことがあったから。でも私はそれを行動で示すことはなかった。
もちろん、すべては私の憶測に過ぎない。
本当のことはビアンカにしかわからない。そして多分ビアンカは何も話さない。
気になるのは、闇魔術の代償。
闇魔術を使ったビアンカはどうなってしまったんだろう。
(これはもう軟禁と言っても良いんじゃ……?)
婚約式以来、舞踏会も一度目の退位式もすっぽかさてしまった私としては、今度こそヴィンフリート様の婚約者として公の場にきちんと出席したい。
けれど他ならぬヴィンフリート様までもが「無理しなくて良い」とユリウス達と一緒になって諭してくるのだから、逆らいようがない。
病気でもなければ怪我もしていないのに、安静にしてろなんておかしな話だ。
そんなわけで、退位式当日。
アンナとユリウスに加えてディルクまでもが、私を監視するために一堂に会している。
「監視だなんて人聞きの悪い。リーゼロッテ様が無理をしないようにこうして見守っているだけのことです」
「言い方が違うだけじゃないの」
「まあまあ、立ち話もあれなんでお茶淹れましょうかね」
大の大人が四人も揃うと、それなりに広いはずのリビングもいつもより手狭に見える。アンナがいそいそとお茶の用意に出ると、ユリウスもお茶菓子を探しに席を立った。取り残されるディルクと私。
「リーゼロッテ様、お伺いしたいことがあるんですが」
「何かしら」
「こちらに見覚えございませんか」
ディルクが懐から取り出したのは、黒革の書物……私が書庫から持ち出し寝室のチェスターにしまったのと全く同じ書物だった。
(それをどうしてディルクが……もしかしてディルクが持っているのは下巻?)
私が手にしたのは、闇魔術の総論がまとめられた上巻。下巻には多分、恐ろしい闇魔術の会得方法が記されている。
「やはりリーゼロッテ様がお持ちでしたか」
何も言葉を発せずにいる私に、ディルクは察しがついたようだ。
「あの時に持ち出されたのですね。気づかなかった私も私ですが」
「ごめんなさい。あの時は無我夢中で……」
リングエラにのみ存在する魔力について知りたくて、ヴィンフリート様のお役に立ちたくて後先何も考えていなかった。そして結局何の役にも立てなかったわけだけれど。
「あの本は持出し厳禁書なので本来は決して外に出してはいけません。例外的に今は私が上中とも一時所有していることになっていますので、お預かりできますか」
「わかった、すぐ持ってくるわ」
実はちょうどあの書物をどうしようかと思っていたところだった。書庫に戻すにはまたアンナに道案内をお願いしないといけないけれど、そうしたらアンナが自分一人で行ってくると言い出しかねない。それはさすがに申し訳ない。ディルクの申し出も気が引けるものの、アンナにお願いするよりは良いかなと思えた。私は慌てて寝室に書物を取りに行った。
チェスターから書物を引っ張り出し表紙を開くと、そこに挟んでおいたはずのビアンカからの手紙がなくなっていて、代わりに一本の白い羽が挟まっていた。
(いつの間に?)
最初から証拠を残さないためにそういう魔術がかけられていたんだろうか。白い羽だけをチェスターの引き出しに戻し、書物を胸に抱えて私は立ち上がった。
それにしても、さっきのディルクの言葉に引っかかるものがある。
「ディルク、さっき上中って言ったわよね?」
リビングへ戻るとアンナとユリウスもちょうど戻ってきて、三人でテーブルを囲んでいるところだった。
「はい、私が持っているのは中巻です。リーゼロッテ様がお持ちなのは上巻ですね?」
「ええ、そうよ」
(何てこと……この書物は上中下の全三巻だったのね)
「何? 何の話?」
「全く見えないんですが」
ざわつく二人にディルクがかいつまんで説明をする。
「何とまあ、あの時ですか。さすが姫様というか何と言いますか……」
「黙っててごめんなさい」
「いやまあ、俺達もそこは同罪ですから」
「……何のこと?」
アンナとユリウスは気まずそうに顔を見合わせた。
「その……実は私達も姫様に内緒にしてたことがありまして」
「魔力保持者がリゼ様を狙ってるかもってディルクから聞かされて、防御法を習ってたんです」
私は目をパチクリしながら二人を見比べた。
退位式の前、何となく二人が元気ないように見えたのはそのせいだったのね、と今頃になってようやく納得がいった。
「血反吐を吐くような猛特訓を受けたのに、肝心の姫様は守れなくて面目無い」
「退位式のどさくさに紛れて狙ってくるとばかり思い込んでたからなあ。まさか直接ここに乗り込んでくるとは、予想外過ぎ……まあこれも言い訳にしかならないですよね。申し訳ありませんでした」
二人揃って頭を下げるので、私は二人に駆け寄り肩を叩いた。
「そんな、もう終わったことは良いわ。おかげでヴィンフリート様のお役に立ったんでしょう?」
「まあそれは」
「そうですけど……」
しょんぼり顔の二人に、ほらほら顔を上げて、と私はにっこり笑って見せた。
「はい、この話はもう終わり。それよりディルク、この書物について聞きたいんだけど、中巻と下巻は何が書かれているの?」
くるりと向きを変えてディルクの方を見やる。ディルクは手にした中巻をテーブルの端に置き、私達に座るよう促した。
「上巻は闇魔術についての一般論、中巻は闇魔術を用いた際に支払う代償について、下巻は闇魔術の具体的な会得方法について書かれています」
思った通り、やっぱり下巻は闇魔術の会得についてだった。でも中巻で書かれている代償とは何のことだろう。闇魔術を使うと寿命が短くなる、とは上巻にも書かれていたけれど、それ以上にまだ何か犠牲になるものがあるんだろうか。
「三巻とも一般には知られない禁書として書庫の一番奥に収められていました。特に下巻は禁書中の禁書、書庫の隠し扉内の金庫に厳重に保管されていました。ところが、私が調べた時には……あの夜リーゼロッテ様とお会いした後のことです、書庫にあったのはこの中巻のみで、上巻と下巻は何者かによって持ち出されていたのです」
「上巻を持ち出したのが私……?」
「はい。すぐにぴんと来ました。お二人が見ていた棚に上中巻があったのはわかっていましたし、いかに有能な間諜と言えどさすがに金庫までは嗅ぎつけられないだろうと。下巻を持ち出した者も予想はついています。そもそも金庫の存在を知る者自体が限られていますので」
「それがシュルツ伯爵?」
「はい、恐らく。法官が今取り調べているところですので、いずれ下巻の隠し場所も明るみに出るでしょう」
アンナがティーセットに全員分の紅茶を丁寧に注いでくれた。ふんわりと漂う良い香りの湯気。
「何はともあれ姫様がご無事で王子も大した傷を負わなくて良かったです」
「本当にな。リゼ様に何かあったら後悔どころじゃ済まないぞ」
「ビアンカの真の狙いは殿下だったのですから。結果的にはリーゼロッテ様に怪我がなくて本当に良かったです」
思い思いのことを口にしながら、それぞれのティーカップに口をつける。
(……本当にそうかしら?)
私には、真実は少し違うところにある気がした。
ビアンカが次の王位を手に入れようとヴィンフリート様の命を狙っていたのは間違いない。けれど同時に、ビアンカは本当にヴィンフリート様のことを好きだったんじゃないだろうか。
そもそもビアンカは、王位ではなくヴィンフリート様の伴侶になりたかったのでは。ヴィンフリート様に寄り添い一緒にリングエラを支えたかったのでは。
その目的が王位の掌握に変わってしまったきっかけは、私だったのかもしれない。私が現れたことで、ビアンカは父親の話に乗ったとも考えられる。どうせヴィンフリート様が自分を見てくれないのならいっそ……と。
初めて会った時のビアンカは、ディルクと噂になった私に心から憤っているように見えた。その噂が嘘だとわかった時は、嬉しそうな反面どこか切なそうでもあった。
ビアンカは私に出会うずっと前からヴィンフリート様のことを想っていたのだから、私は疎ましい存在だったはず。たとえ私が囮りだったとしても、殺すつもりまではなかったとしても、良い機会だから苦しめてやろう、くらいには考えていたかもしれない。
嫉妬と羨望。その感情を私は知っている。私もフローラに対して、かつて同じ気持ちを抱いたことがあったから。でも私はそれを行動で示すことはなかった。
もちろん、すべては私の憶測に過ぎない。
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