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ジレンマ
40. 待望の再会 〜リーゼロッテ〜
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私の疑問を見透かしたかのように、ディルクがカップをソーサーに戻し小さく頷いた。
「シュルツ伯爵もリーゼロッテ様と同じように中巻の存在を知らなかった、もしくは中巻の内容を軽視していたのでしょう。これを読んでいれば、自分の娘に闇魔術を使わせようとは思わなかったでしょう」
「上巻には、生命力を奪われるとしか書かれていなかったけれど」
「闇魔術は魔力の定義を根本から覆しかねない恐ろしい禁忌の術です。それを使った代償が、ただ寿命が短くなるだけのはずがありません」
そこでディルクはいったん言葉を切った。アンナがそっとマドレーヌの乗ったプレートを差し出すも、ディルクは黙って首を横に振る。
「生命力を奪われるというのは、今の自分の状態が死を迎える直前まで進んでしまうということです。仮に80歳まで生きられる運命だったとすれば、体が突然79歳になってしまう、という具合です」
「急に歳を取るってこと?」
「鏡を見れば老いぼれた自分が映り、体力がなければ身体の自由も利かない……長い年月をかけて受け入れていくはずの自分の変化が、突然起こる。しかもすぐ目の前には死が迫っている。闇魔術を使った者は自分の命が尽きる日がいつなのかはっきりわかり、それを避けることは絶対にできないそうです。想像を絶する苦痛でしょうね」
聞いているだけで身震いする。思わず自分で自分の肩を抱きしめた。それを見たディルクがふっと表情を緩めた。
「中巻には他にも様々なことが記されていますが、リーゼロッテ様はこれ以上はご存じないままの方がよろしいかと。これを機に上中巻も下巻と同じく金庫保管とすることにします」
「そうね……」
殿下の命を狙ったことは許せないけれど、だからと言ってビアンカを憎み切ることもできない。かといって、最後に一目会えたら、という願いも真実を目にする勇気がない限り叶えられそうにない。
「暗い話はここまでにして、旅支度の話でもしましょうや」
ぱんぱん、と手を打ちアンナが明るい声を出した。場の空気がぱっと変わる。
「久々のクレマチスですよ。楽しみですね、姫様」
「ええ、そうね」
「オリバー様とフローラ様に何かお土産が必要ですね」
和気藹々と盛り上がるクレマチス出身の三人。ディルクだけが不思議そうな顔をしている。
「クレマチスへ行かれるのですか?」
「あら聞いてない? ヴィンフリート様からお誘いいただいたのだけれど」
「いいえ、まったく」
ディルクはしばらく思案した後、確認してまいります、と言い残して部屋を出て行った。
「……除け者にされたんですかねえ?」
「単に言い忘れてただけだろう」
退位式は今度は無事に滞りなく執り行われたようだった。旅支度を整えたりしているうちにあっという間に数日が経ち、クレマチスに帰るその日がやってきた。
どこまでも続く晴天の青空の下、やけに強く風が吹いている。
(オリバー様がクレマチスに帰られた日も、こんな風が吹いていたわね)
あの頃は想像もしなかった自分の気持ちの変化。た。まさかこんな形でクレマチスに帰ることになるなんて。
ディルクの代わりに同行することになった侍従次長のハンスは、私の臣下以上に賑やかで明るい人だった。
「さあさあ早いとこ乗り込んじゃってさっさと出発しましょう。殿下の気分が変わらないうちに」
「え、王子って実はそんな自己中なの?」
「地上に行くなんてよっぽどのことがない限りないねえ。リングエラ第一主義だから」
「ああ、なるほど。確かにそんな感じだな」
「何で急にクレマチスに行く気になったんだか」
ハンス、アンナ、ユリウスの三人はすっかり仲良くなり、わちゃわちゃお喋りしながら飛行船の飛び立つ準備をしている。
「しっかり聞こえてるんだがな……」
青筋を立てながら独りごちるヴィンフリート様がおかしくて、隣に立った私はついくすくすと笑ってしまった。
すると、その瞬間に風に揺られふわりと舞い上がった髪が私の顔面を覆い、口の中にまで入り込んできた。
「これを使うと良い」
見かねたヴィンフリート様が胸ポケットから青いスカーフをさっと取り出し私の手に握らせた。これでうっとおしそうな髪を結べということのようだ。
まさかこんなに風が吹き荒れてるとは思わず、髪はそのまま結わずに来てしまったことが恥ずかしい。頬に熱が集まるのを感じつつ、ヴィンフリート様からお借りしたスカーフで髪を一つに束ねた。
ヴィンフリート様の視線が私の首筋に突き刺さる。
「どこか変ですか?」
「いや……」
何か言いたげな様子でありながらも、ヴィンフリート様はふいと視線を逸らした。
スカートの裾でも捲れ上がっているのかときょろきょろしていると、首元でふわふわ揺れる青いスカーフから、ふわりと微かにヴィンフリート様の香りが漂ってきた。
(う……うわぁ……)
びっくりして声が漏れそうになるのを、両手で口元を押さえて何とか堪えた。
これはまずい。刺激が強すぎる。
まるでヴィンフリート様に背中からぴったり寄り添われているような。
(駄目よ、そんな想像したら余計に意識してしまうわ)
「どうしたリゼ、気分でも悪いのか?」
「い、いえ……ちょっとはしゃぎ疲れたみたいです」
心配して顔色を覗き込もうとしてくるヴィンフリート様に、心の中でごめんなさいと謝りながら私はさっとアンナ達の方へ駆け出した。口元に手を当てたまま、これ以上ヴィンフリート様の香りを嗅がないように指先で鼻も摘む。
「姫様どうしました? そんな慌てて」
「何でもないの。もう飛行船乗り込んでも良い?」
不思議がる臣下達三人の前を素通りして、そのまま我先にと飛行船に飛び乗った。
飛行船の中はそれほど広くなく、前方の運転席側をあけてコの字に席が並んでいる。
リングエラに来た時の飛行船はかなり大型のものだったから、それと比べると今回はかなり小さい。
私に続いて乗り込んできたハンスが、きょろきょろ辺りを見回す私に苦笑しながら運転席に座った。
「今回は公式訪問でも何でもないですからね。人数も我々だけの最小限ですし、いわゆるお忍びスタイルってやつです」
さあさあどうぞ、と促され一番後ろの席に座った。皮張りの席は硬すぎず柔らかすぎず良い座り心地で快適な旅ができそうだった。それぞれの席にある小さなサイドテーブルには、ご丁寧に飲み物と小菓子まで用意されている。
(小旅行にここまで用意するもの?)
不思議に思っていると、後からアンナ、ユリウス、そしてヴィンフリート様が続けて乗り込んできた。
「まあまあ随分と可愛い飛行船ですなあ」
「にしては内装は立派だ。さすがリングエラか」
アンナとユリウスが各々感嘆の声を上げて立ち尽くしている間に、ヴィンフリート様がすたすたと私の方まで歩いてくると、私のすぐ左隣の席に腰掛けた。
(え……?)
目を丸くする私。それに気づいたヴィンフリート様が横目で私を見やる。
「別に問題ないだろう」
君は俺の婚約者だ、と耳元で低く囁かれる。
私は何も言い返せず、ただ金魚のように口をぱくぱくさせながら顔を真っ赤にするばかりだった。
私の反対側の隣、飛行船の右側面の席に座ったユリウスが不思議そうな目で私とヴィンフリート様を見比べている。ヴィンフリート様の反対側の隣、飛行船の左側面の席に座ったアンナは、にやにやと締まりのない笑顔で私に意味ありげな目線を送ってくる。
(ああ、もう……!)
居たたまれない気分になり、一番端の席にしておけば良かったと後悔してももう遅い。
「じゃ、早速出発しますよ。最初は少し揺れるのでご注意をー」
助け舟のように前から響くハンスの声。そこで私達もそれぞれの席にきちんと座り直した。
ハンスの言う通り、揺れが大きかったのは離陸の時だけで後はゆったり快適な時間を過ごし、程なくしてクレマチスまでやってきた。
窓の外に懐かしい赤い国旗が見えて、王城まで来たのだとわかる。
「まもなく到着ですよー」
ハンスの声で飛行船が大きく旋回し、着陸態勢に入った。
見る見るうちに地面が近づいてくる。
王城の前で、私と同じ明るい金髪を風に靡かせながら大きく手を振っているフローラが見えた。
「シュルツ伯爵もリーゼロッテ様と同じように中巻の存在を知らなかった、もしくは中巻の内容を軽視していたのでしょう。これを読んでいれば、自分の娘に闇魔術を使わせようとは思わなかったでしょう」
「上巻には、生命力を奪われるとしか書かれていなかったけれど」
「闇魔術は魔力の定義を根本から覆しかねない恐ろしい禁忌の術です。それを使った代償が、ただ寿命が短くなるだけのはずがありません」
そこでディルクはいったん言葉を切った。アンナがそっとマドレーヌの乗ったプレートを差し出すも、ディルクは黙って首を横に振る。
「生命力を奪われるというのは、今の自分の状態が死を迎える直前まで進んでしまうということです。仮に80歳まで生きられる運命だったとすれば、体が突然79歳になってしまう、という具合です」
「急に歳を取るってこと?」
「鏡を見れば老いぼれた自分が映り、体力がなければ身体の自由も利かない……長い年月をかけて受け入れていくはずの自分の変化が、突然起こる。しかもすぐ目の前には死が迫っている。闇魔術を使った者は自分の命が尽きる日がいつなのかはっきりわかり、それを避けることは絶対にできないそうです。想像を絶する苦痛でしょうね」
聞いているだけで身震いする。思わず自分で自分の肩を抱きしめた。それを見たディルクがふっと表情を緩めた。
「中巻には他にも様々なことが記されていますが、リーゼロッテ様はこれ以上はご存じないままの方がよろしいかと。これを機に上中巻も下巻と同じく金庫保管とすることにします」
「そうね……」
殿下の命を狙ったことは許せないけれど、だからと言ってビアンカを憎み切ることもできない。かといって、最後に一目会えたら、という願いも真実を目にする勇気がない限り叶えられそうにない。
「暗い話はここまでにして、旅支度の話でもしましょうや」
ぱんぱん、と手を打ちアンナが明るい声を出した。場の空気がぱっと変わる。
「久々のクレマチスですよ。楽しみですね、姫様」
「ええ、そうね」
「オリバー様とフローラ様に何かお土産が必要ですね」
和気藹々と盛り上がるクレマチス出身の三人。ディルクだけが不思議そうな顔をしている。
「クレマチスへ行かれるのですか?」
「あら聞いてない? ヴィンフリート様からお誘いいただいたのだけれど」
「いいえ、まったく」
ディルクはしばらく思案した後、確認してまいります、と言い残して部屋を出て行った。
「……除け者にされたんですかねえ?」
「単に言い忘れてただけだろう」
退位式は今度は無事に滞りなく執り行われたようだった。旅支度を整えたりしているうちにあっという間に数日が経ち、クレマチスに帰るその日がやってきた。
どこまでも続く晴天の青空の下、やけに強く風が吹いている。
(オリバー様がクレマチスに帰られた日も、こんな風が吹いていたわね)
あの頃は想像もしなかった自分の気持ちの変化。た。まさかこんな形でクレマチスに帰ることになるなんて。
ディルクの代わりに同行することになった侍従次長のハンスは、私の臣下以上に賑やかで明るい人だった。
「さあさあ早いとこ乗り込んじゃってさっさと出発しましょう。殿下の気分が変わらないうちに」
「え、王子って実はそんな自己中なの?」
「地上に行くなんてよっぽどのことがない限りないねえ。リングエラ第一主義だから」
「ああ、なるほど。確かにそんな感じだな」
「何で急にクレマチスに行く気になったんだか」
ハンス、アンナ、ユリウスの三人はすっかり仲良くなり、わちゃわちゃお喋りしながら飛行船の飛び立つ準備をしている。
「しっかり聞こえてるんだがな……」
青筋を立てながら独りごちるヴィンフリート様がおかしくて、隣に立った私はついくすくすと笑ってしまった。
すると、その瞬間に風に揺られふわりと舞い上がった髪が私の顔面を覆い、口の中にまで入り込んできた。
「これを使うと良い」
見かねたヴィンフリート様が胸ポケットから青いスカーフをさっと取り出し私の手に握らせた。これでうっとおしそうな髪を結べということのようだ。
まさかこんなに風が吹き荒れてるとは思わず、髪はそのまま結わずに来てしまったことが恥ずかしい。頬に熱が集まるのを感じつつ、ヴィンフリート様からお借りしたスカーフで髪を一つに束ねた。
ヴィンフリート様の視線が私の首筋に突き刺さる。
「どこか変ですか?」
「いや……」
何か言いたげな様子でありながらも、ヴィンフリート様はふいと視線を逸らした。
スカートの裾でも捲れ上がっているのかときょろきょろしていると、首元でふわふわ揺れる青いスカーフから、ふわりと微かにヴィンフリート様の香りが漂ってきた。
(う……うわぁ……)
びっくりして声が漏れそうになるのを、両手で口元を押さえて何とか堪えた。
これはまずい。刺激が強すぎる。
まるでヴィンフリート様に背中からぴったり寄り添われているような。
(駄目よ、そんな想像したら余計に意識してしまうわ)
「どうしたリゼ、気分でも悪いのか?」
「い、いえ……ちょっとはしゃぎ疲れたみたいです」
心配して顔色を覗き込もうとしてくるヴィンフリート様に、心の中でごめんなさいと謝りながら私はさっとアンナ達の方へ駆け出した。口元に手を当てたまま、これ以上ヴィンフリート様の香りを嗅がないように指先で鼻も摘む。
「姫様どうしました? そんな慌てて」
「何でもないの。もう飛行船乗り込んでも良い?」
不思議がる臣下達三人の前を素通りして、そのまま我先にと飛行船に飛び乗った。
飛行船の中はそれほど広くなく、前方の運転席側をあけてコの字に席が並んでいる。
リングエラに来た時の飛行船はかなり大型のものだったから、それと比べると今回はかなり小さい。
私に続いて乗り込んできたハンスが、きょろきょろ辺りを見回す私に苦笑しながら運転席に座った。
「今回は公式訪問でも何でもないですからね。人数も我々だけの最小限ですし、いわゆるお忍びスタイルってやつです」
さあさあどうぞ、と促され一番後ろの席に座った。皮張りの席は硬すぎず柔らかすぎず良い座り心地で快適な旅ができそうだった。それぞれの席にある小さなサイドテーブルには、ご丁寧に飲み物と小菓子まで用意されている。
(小旅行にここまで用意するもの?)
不思議に思っていると、後からアンナ、ユリウス、そしてヴィンフリート様が続けて乗り込んできた。
「まあまあ随分と可愛い飛行船ですなあ」
「にしては内装は立派だ。さすがリングエラか」
アンナとユリウスが各々感嘆の声を上げて立ち尽くしている間に、ヴィンフリート様がすたすたと私の方まで歩いてくると、私のすぐ左隣の席に腰掛けた。
(え……?)
目を丸くする私。それに気づいたヴィンフリート様が横目で私を見やる。
「別に問題ないだろう」
君は俺の婚約者だ、と耳元で低く囁かれる。
私は何も言い返せず、ただ金魚のように口をぱくぱくさせながら顔を真っ赤にするばかりだった。
私の反対側の隣、飛行船の右側面の席に座ったユリウスが不思議そうな目で私とヴィンフリート様を見比べている。ヴィンフリート様の反対側の隣、飛行船の左側面の席に座ったアンナは、にやにやと締まりのない笑顔で私に意味ありげな目線を送ってくる。
(ああ、もう……!)
居たたまれない気分になり、一番端の席にしておけば良かったと後悔してももう遅い。
「じゃ、早速出発しますよ。最初は少し揺れるのでご注意をー」
助け舟のように前から響くハンスの声。そこで私達もそれぞれの席にきちんと座り直した。
ハンスの言う通り、揺れが大きかったのは離陸の時だけで後はゆったり快適な時間を過ごし、程なくしてクレマチスまでやってきた。
窓の外に懐かしい赤い国旗が見えて、王城まで来たのだとわかる。
「まもなく到着ですよー」
ハンスの声で飛行船が大きく旋回し、着陸態勢に入った。
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