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愛する人
52. 自覚 〜ヴィンフリート〜
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翌朝、ディルクが俺の部屋にやって来た。
「おはようございます殿下」
まだ浅い眠りの中にいる俺のことなんてお構いなしに、カーテンをさっと開ける。差し込む日の光で頭より先に体が揺り起こされた。
ゆっくり目を開けると、いつもと変わらない無表情のディルクがベッド脇に立っていた。
昨日帰って来てからずっとディルクと顔を合わせないよう逃げ回っていたが……こう来たか。
むくりと起き上がり、ディルクを正面から見据えた。
「言いたいことは山程あるだろうが、今はそっとしておいてくれ」
ディルクは目を大きく見開き息を呑んだ。俺がこんなしおらしいことを言い出すとは露程も思っていなかったのだろう。
「体調を崩されましたか? 何か変な感染症か……失礼ながら食中毒……?」
それにしても驚きすぎじゃないだろうか。
「体調は問題ない」
昨日庭園で父上に言われたことが、ずっと頭が痛くなるほど反芻している。不調と言えばそれくらいだ。
(同じ舞台に立つな、か)
それは具体的にどういうことなのか、いまいちよくわからない。わからないなりに考えた結果、無性にリゼの顔が見たくなった。
「リゼをサロンに呼んでくれるか? 二人で話がしたい」
「リーゼロッテ様をですか? ……なるほど、承知致しました」
何を納得したのか、ディルクは颯爽と部屋を出て行った。
サロンにやって来たリゼはいつも通り、凛とした佇まいでそこに存在する。
その取りすました顔を崩せるのはオリバーだけなのか……いや、フローラの前でも屈託のない笑みを振りまいていたか。
(俺にも少しは心動かされてくれるだろうか)
時折見せる、揺れる瞳や赤く染まる頰。もっと見せて欲しい。俺の前だけで。そうしたら胸に渦巻くどす黒い感情も少しは落ち着くかもしれない。
「リゼは何故俺の名を呼ばない? そんなに俺が嫌いか?」
正確には、愛称でヴィンと呼んで欲しい、という願いだ。一度そう話しリゼも承諾してくれたはずなのに、いつの間にか呼ばれなくなっていた。
こんなことにこだわるなんて我ながらどうかしている。自覚は充分にある。
「ヴィン様とお呼びしてよろしいのですか?」
「前にもそう言ったはずだが。俺だってリゼと呼んでいる。何の問題がある? むしろその方が自然ではないか」
もっともらしい理由をこじつけて、自分の願望をリゼに突き付ける。強気な態度を貫いてはいるものの、内心は懇願に近い。
(これを拒まれたら……)
リゼは難しい顔をして少し考えるような素振りを見せた。そんな姿さえはっとするほど美しく思わず目を奪われてしまうのだから、もうどうしようもない。
体にどこか不調があるとしたら全部リゼのせいだ。今朝ディルクにもそう言ってやればよかった。
「すぐには直せないかと思いますが……善処致します」
ようやく答えを絞り出したリゼは、所在なさげに視線をあちこち彷徨わせながら頰をうっすら朱に染めた。
(そう、この顔が見たかった)
加虐心など持ち合わせていないつもりだが、何故だか妙な満足感に包まれた。
リゼの心に少しでも波風を立てられたことが単純に嬉しかった。こんなにもリゼの一挙手一頭足に振り回されていて俺は大丈夫なんだろうか。
異変が起こったのは翌朝だった。
溜まった雑務を片付けるために執務室へ行くと、ディルクの他にもう一人。
「王子! ちょうど良かった、大事な話が」
「アンナか。どうした、こんなところまで」
ユリウスとアンナとはまた妙な組み合わせだ。それほど気が合うようにも見えないが。
訝しがる俺に、ディルクが口を引き結んだままソファを勧めてくる。
「折いってご相談したいことがあって馳せ参じましたです」
「リゼ絡みか。何があった」
アンナが直接俺のところまで来るなど初めてのことだ。余程のことが起こったか。
黙ったまま首を縦に振るアンナに先を促す。
「クレマチスが危機的状況にあります。姫様に救援要請が来ました」
かねてより手を焼いていた隣国ホクシアが、別の隣国ネリネと手を結んだ。残る隣国のイキシアは同盟を結んでいるもののいつ裏切るかわからない。そこへリゼを遣り、同盟を強固にしたいと。アンナの話を要約すると大体そんな話だった。
「オリバー様に直接請われたわけではありませんが」
「暗にそう匂わせてきたのだろう? いかにもあの王のやりそうなことだ」
リゼはリングエラが誇る宰相ディルクにも認められた、頭の回転が速い女性だ。リゼだったら罠だらけの会合でも上手く立ち回り、必ず結果を残すだろう。そう踏んだに違いない。
(たしかにそうだ。リゼは自分の立ち位置をよくわかっている。クレマチスのためなら惜しみなく働くだろう)
しかし仮に、相手国側は最初から話し合う気すら無いとしたら。
リゼが到着したその瞬間に、リゼは人質となる。それならまだ良い。クレマチスの使者など来ていない、そう言い張る可能性だってある。リゼがどんな目に遭うか……想像したくもない。
「俺からしたら言語道断だな。危険すぎる。リゼを使者になど出来るか」
リングエラのごたごたに巻き込んで散々リゼを傷つけてきた。もうこれ以上リゼが傷つくところは見たくない。
しかし行くなと言ってリゼが大人しく引き下がるとも思えない。リゼを納得させるために俺が出来ることは。
「リングエラとクレマチスが正式に同盟を……いや、姉妹国家として提携を結ぶか」
元々、俺とリゼの婚約にあたってリングエラとクレマチスは同盟を結んだも同然。それでこの状況に陥るのであれば、二国間により強い結びつきが必要となる。
「何なら騎士団の一つや二つクレマチスに派遣して暴れ回ってやろうか。クレマチスの後ろにはリングエラが構えているという良い知らしめになる」
リングエラの騎士団は実力もさることながら、ある程度の魔力を持つ者が少なからず在籍している。地上国相手であれば、その気になれば敵方を全く傷つけることなく屈服させるくらい難なくやってのけるだろう。
「さすが王子、そう言ってくれると信じてました」
アンナはにやりと悪そうな笑みを浮かべ、懐から何か取り出した。それは十数枚に及ぶ書状のようなものだった。
「リングエラとクレマチスが正式に姉妹提携するための契約書類です。先程ディルクに確認してもらったので不備はないかと。一度目を通して下さい」
差し出されたそれを受け取り、ざっと目を通す。
「確かに……見たところ問題ない。よくこれだけのものを一人で用意したな」
最初の条文から始まり、細かな取り決めまで漏れなく綿密に記載されている。余程国政に精通した者か、あるいは過去に似たような文書を作った経験がある者でなければここまで用意周到に、しかも数日とかからずに完成させることは難しい。
クレマチス出身者の頭は一体どうなっているんだ。
「おかげで完徹ですけどね。姫様のためならこれくらいへっちゃらです。納得いただけたのならさっそくご署名を」
長々と書き連ねられた文書の最後に、リングエラとクレマチスそれぞれの王の署名欄がある。ここが埋まって初めてこの文書が効力を持つ。
「納得はしたが未だ署名は無理だ」
「どうしてですか?」
アンナは声を荒げた。それを嗜め、ディルクが代わりに説明する。
「殿下は任命式を終えていないので、正式には未だ国王ではありません。今の殿下が署名されてもそれがリングエラの総意とはなり得ないのです」
「じゃあその任命式っていつ?」
「数日中には執り行われる予定ですが」
「数日中……それじゃ困るわ。明日、いや今日中に何とかなりませんかね」
珍しく焦ったような声を上げるアンナに、俺はディルクと顔を見合わせた。
「緊急事態なのは理解しているつもりだが、そんなに一刻を争うのか?」
「姫様がクレマチスに着くまでに何とか形にして急ぎ知らせを出さないと。じゃないと姫様をお止めする方法がない、そのままイキシアに行ってしまわれる」
「リゼが? クレマチスに向かっているのか?」
「もうすぐ庭園の森から出発するかと」
クレマチスのために走り出したリゼを止めることなど出来るのか? 誰が?
オリバーに直接頼まれたら、リゼは俄然張り切るはずだ。リゼは自分の犠牲を惜しまない。
リゼをクレマチスに行かせてはならない。クレマチスに着いたらもうリゼを止められる者は誰もいない。
「それを先に言え」
俺は部屋を飛び出した。
「おはようございます殿下」
まだ浅い眠りの中にいる俺のことなんてお構いなしに、カーテンをさっと開ける。差し込む日の光で頭より先に体が揺り起こされた。
ゆっくり目を開けると、いつもと変わらない無表情のディルクがベッド脇に立っていた。
昨日帰って来てからずっとディルクと顔を合わせないよう逃げ回っていたが……こう来たか。
むくりと起き上がり、ディルクを正面から見据えた。
「言いたいことは山程あるだろうが、今はそっとしておいてくれ」
ディルクは目を大きく見開き息を呑んだ。俺がこんなしおらしいことを言い出すとは露程も思っていなかったのだろう。
「体調を崩されましたか? 何か変な感染症か……失礼ながら食中毒……?」
それにしても驚きすぎじゃないだろうか。
「体調は問題ない」
昨日庭園で父上に言われたことが、ずっと頭が痛くなるほど反芻している。不調と言えばそれくらいだ。
(同じ舞台に立つな、か)
それは具体的にどういうことなのか、いまいちよくわからない。わからないなりに考えた結果、無性にリゼの顔が見たくなった。
「リゼをサロンに呼んでくれるか? 二人で話がしたい」
「リーゼロッテ様をですか? ……なるほど、承知致しました」
何を納得したのか、ディルクは颯爽と部屋を出て行った。
サロンにやって来たリゼはいつも通り、凛とした佇まいでそこに存在する。
その取りすました顔を崩せるのはオリバーだけなのか……いや、フローラの前でも屈託のない笑みを振りまいていたか。
(俺にも少しは心動かされてくれるだろうか)
時折見せる、揺れる瞳や赤く染まる頰。もっと見せて欲しい。俺の前だけで。そうしたら胸に渦巻くどす黒い感情も少しは落ち着くかもしれない。
「リゼは何故俺の名を呼ばない? そんなに俺が嫌いか?」
正確には、愛称でヴィンと呼んで欲しい、という願いだ。一度そう話しリゼも承諾してくれたはずなのに、いつの間にか呼ばれなくなっていた。
こんなことにこだわるなんて我ながらどうかしている。自覚は充分にある。
「ヴィン様とお呼びしてよろしいのですか?」
「前にもそう言ったはずだが。俺だってリゼと呼んでいる。何の問題がある? むしろその方が自然ではないか」
もっともらしい理由をこじつけて、自分の願望をリゼに突き付ける。強気な態度を貫いてはいるものの、内心は懇願に近い。
(これを拒まれたら……)
リゼは難しい顔をして少し考えるような素振りを見せた。そんな姿さえはっとするほど美しく思わず目を奪われてしまうのだから、もうどうしようもない。
体にどこか不調があるとしたら全部リゼのせいだ。今朝ディルクにもそう言ってやればよかった。
「すぐには直せないかと思いますが……善処致します」
ようやく答えを絞り出したリゼは、所在なさげに視線をあちこち彷徨わせながら頰をうっすら朱に染めた。
(そう、この顔が見たかった)
加虐心など持ち合わせていないつもりだが、何故だか妙な満足感に包まれた。
リゼの心に少しでも波風を立てられたことが単純に嬉しかった。こんなにもリゼの一挙手一頭足に振り回されていて俺は大丈夫なんだろうか。
異変が起こったのは翌朝だった。
溜まった雑務を片付けるために執務室へ行くと、ディルクの他にもう一人。
「王子! ちょうど良かった、大事な話が」
「アンナか。どうした、こんなところまで」
ユリウスとアンナとはまた妙な組み合わせだ。それほど気が合うようにも見えないが。
訝しがる俺に、ディルクが口を引き結んだままソファを勧めてくる。
「折いってご相談したいことがあって馳せ参じましたです」
「リゼ絡みか。何があった」
アンナが直接俺のところまで来るなど初めてのことだ。余程のことが起こったか。
黙ったまま首を縦に振るアンナに先を促す。
「クレマチスが危機的状況にあります。姫様に救援要請が来ました」
かねてより手を焼いていた隣国ホクシアが、別の隣国ネリネと手を結んだ。残る隣国のイキシアは同盟を結んでいるもののいつ裏切るかわからない。そこへリゼを遣り、同盟を強固にしたいと。アンナの話を要約すると大体そんな話だった。
「オリバー様に直接請われたわけではありませんが」
「暗にそう匂わせてきたのだろう? いかにもあの王のやりそうなことだ」
リゼはリングエラが誇る宰相ディルクにも認められた、頭の回転が速い女性だ。リゼだったら罠だらけの会合でも上手く立ち回り、必ず結果を残すだろう。そう踏んだに違いない。
(たしかにそうだ。リゼは自分の立ち位置をよくわかっている。クレマチスのためなら惜しみなく働くだろう)
しかし仮に、相手国側は最初から話し合う気すら無いとしたら。
リゼが到着したその瞬間に、リゼは人質となる。それならまだ良い。クレマチスの使者など来ていない、そう言い張る可能性だってある。リゼがどんな目に遭うか……想像したくもない。
「俺からしたら言語道断だな。危険すぎる。リゼを使者になど出来るか」
リングエラのごたごたに巻き込んで散々リゼを傷つけてきた。もうこれ以上リゼが傷つくところは見たくない。
しかし行くなと言ってリゼが大人しく引き下がるとも思えない。リゼを納得させるために俺が出来ることは。
「リングエラとクレマチスが正式に同盟を……いや、姉妹国家として提携を結ぶか」
元々、俺とリゼの婚約にあたってリングエラとクレマチスは同盟を結んだも同然。それでこの状況に陥るのであれば、二国間により強い結びつきが必要となる。
「何なら騎士団の一つや二つクレマチスに派遣して暴れ回ってやろうか。クレマチスの後ろにはリングエラが構えているという良い知らしめになる」
リングエラの騎士団は実力もさることながら、ある程度の魔力を持つ者が少なからず在籍している。地上国相手であれば、その気になれば敵方を全く傷つけることなく屈服させるくらい難なくやってのけるだろう。
「さすが王子、そう言ってくれると信じてました」
アンナはにやりと悪そうな笑みを浮かべ、懐から何か取り出した。それは十数枚に及ぶ書状のようなものだった。
「リングエラとクレマチスが正式に姉妹提携するための契約書類です。先程ディルクに確認してもらったので不備はないかと。一度目を通して下さい」
差し出されたそれを受け取り、ざっと目を通す。
「確かに……見たところ問題ない。よくこれだけのものを一人で用意したな」
最初の条文から始まり、細かな取り決めまで漏れなく綿密に記載されている。余程国政に精通した者か、あるいは過去に似たような文書を作った経験がある者でなければここまで用意周到に、しかも数日とかからずに完成させることは難しい。
クレマチス出身者の頭は一体どうなっているんだ。
「おかげで完徹ですけどね。姫様のためならこれくらいへっちゃらです。納得いただけたのならさっそくご署名を」
長々と書き連ねられた文書の最後に、リングエラとクレマチスそれぞれの王の署名欄がある。ここが埋まって初めてこの文書が効力を持つ。
「納得はしたが未だ署名は無理だ」
「どうしてですか?」
アンナは声を荒げた。それを嗜め、ディルクが代わりに説明する。
「殿下は任命式を終えていないので、正式には未だ国王ではありません。今の殿下が署名されてもそれがリングエラの総意とはなり得ないのです」
「じゃあその任命式っていつ?」
「数日中には執り行われる予定ですが」
「数日中……それじゃ困るわ。明日、いや今日中に何とかなりませんかね」
珍しく焦ったような声を上げるアンナに、俺はディルクと顔を見合わせた。
「緊急事態なのは理解しているつもりだが、そんなに一刻を争うのか?」
「姫様がクレマチスに着くまでに何とか形にして急ぎ知らせを出さないと。じゃないと姫様をお止めする方法がない、そのままイキシアに行ってしまわれる」
「リゼが? クレマチスに向かっているのか?」
「もうすぐ庭園の森から出発するかと」
クレマチスのために走り出したリゼを止めることなど出来るのか? 誰が?
オリバーに直接頼まれたら、リゼは俄然張り切るはずだ。リゼは自分の犠牲を惜しまない。
リゼをクレマチスに行かせてはならない。クレマチスに着いたらもうリゼを止められる者は誰もいない。
「それを先に言え」
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