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高速隧道
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夏の初めに、何となく熊本に行きたく鳴った。熊本に行くには新幹線が一番早い。次に電車か自動車かと言った感じだから一番早い新幹線で熊本に行くことにした。今回も甘木に頼んで八時前に博多を出る「さくら」の指定席を取って貰った。七時半に甘木と待ち合わせて、切符を受け取った。「朝早くからすまないね」と言おうと思ったが、旅の格好をして付いてきそうなので何も言わなかった。到着時間のだいぶ前から到着のベルが鳴って、到着時間ピッタリに広島仕立ての「さくら」が這入ってきた。
それにしても自由席の列が恐ろしく長い。蛇の様な形をしているからコンパクトに纏まっているけど、真っ直ぐ正したら熊本までも届きそうな勢いである。「そこに並んでる人はみんな座れるの」と甘木に聞いたら「いや、無理でしょうな。広島からのお客さんも座ってるわけですし」と言った。なるほどと思っていると車掌が奥に詰めるように放送をしていた。
博多を滑らかに出発して、新鳥栖と久留米に止まってからは熊本まで止まらない。開通当初は久留米に停車か新鳥栖に停車かで喧嘩をしたそうだが、結局どちらも止まるようになった。筑後船小屋を通過してしばらくするとトンネルに突入する。電車や列車のトンネルは好きだが新幹線のは好きになれない。なぜかと言うに滅茶苦茶に早いし、すれ違う時の揺れがとんでもないからである。「甘木君、今日は一気に南に下るけども....」そう言ったタイミングで上りの新幹線が来て、会話を吹き飛ばした。トンネルを出て「なんて仰いましたか?」と聞かれたけど答える前にまたトンネルに突っ込んでしまった。こういう時は珈琲を飲んで一服するに限る。そう思って珈琲を飲みだすと甘木も呆れたような顔をして、珈琲を飲みだした。
新玉名を出て、田原坂あたりの下を駆け抜けて崇城大学の横に出た。左の窓にへばり付いていると若干遠くに形を取り戻した熊本城が見えた。もう熊本駅は間近である。陸トラスを抜けて右に左にカーブしながら電車は熊本に到着した。改札を抜けて、東側の出口から外に出てみると、しとしとと雨が降り始めて、やがて本降りになってしまった。
それにしても自由席の列が恐ろしく長い。蛇の様な形をしているからコンパクトに纏まっているけど、真っ直ぐ正したら熊本までも届きそうな勢いである。「そこに並んでる人はみんな座れるの」と甘木に聞いたら「いや、無理でしょうな。広島からのお客さんも座ってるわけですし」と言った。なるほどと思っていると車掌が奥に詰めるように放送をしていた。
博多を滑らかに出発して、新鳥栖と久留米に止まってからは熊本まで止まらない。開通当初は久留米に停車か新鳥栖に停車かで喧嘩をしたそうだが、結局どちらも止まるようになった。筑後船小屋を通過してしばらくするとトンネルに突入する。電車や列車のトンネルは好きだが新幹線のは好きになれない。なぜかと言うに滅茶苦茶に早いし、すれ違う時の揺れがとんでもないからである。「甘木君、今日は一気に南に下るけども....」そう言ったタイミングで上りの新幹線が来て、会話を吹き飛ばした。トンネルを出て「なんて仰いましたか?」と聞かれたけど答える前にまたトンネルに突っ込んでしまった。こういう時は珈琲を飲んで一服するに限る。そう思って珈琲を飲みだすと甘木も呆れたような顔をして、珈琲を飲みだした。
新玉名を出て、田原坂あたりの下を駆け抜けて崇城大学の横に出た。左の窓にへばり付いていると若干遠くに形を取り戻した熊本城が見えた。もう熊本駅は間近である。陸トラスを抜けて右に左にカーブしながら電車は熊本に到着した。改札を抜けて、東側の出口から外に出てみると、しとしとと雨が降り始めて、やがて本降りになってしまった。
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