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災厄の魔王~戯れ~
過去編~『紅玉の離宮』 ~
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"ストレイト皇国軍部最高顧問"という地位の通り、ガウェイは彼自身が大陸に覇を唱える皇国を動かす重臣である。
そんな彼の屋敷は崖の上に聳え立つヒュンベリオン城内に位置しており、有事の際にはすぐに駆けつけられるようになっている。
…というのも破格の待遇で城内の離宮一つが彼に与えられているためだ。
本来ならその離宮は『聖王』が結婚して生まれた『皇子皇女』が入る離宮だが。
何百年にも亘る『聖王』の治世において彼が未婚のため、広大な無人の離宮の扱いに困った『聖王』がその一つをガウェイに下賜した。
同様に聖王旗下の騎士たちは『聖王』から一定の信頼を得ると離宮を与えられ、その宮の規模やヒュンベリオン城内での宮の位置によって騎士のステータスは内外においてある意味図られている。
『聖王』が住まう『天空の尖塔』と呼ばれる城の最深部から、与えられた場所が近いか遠いかで『聖王』の信頼が見えるのだという。
今のところ『皇子皇女』が本来用いる程の離宮を与えられているのはガウェイを含めても数えるほどしかいない…そこからも彼の権力が現れているといえる。
そして『聖王』はガウェイには質実剛健な紅玉の離宮を与え、彼の炎のような髪に似合うと尊んだ。
紅玉の離宮ではガウェイが主に使っている東の間を中心に、東西南北に大きく分かれる造りとなっており、ガウェイは西と南の間は他の騎士達に解放していた。
それは彼自身が大変苦労し今の地位を築いたことから他者のためになればと彼が始めたことで、安い給与の部下たちや、軍部最高顧問であるガウェイ直属の騎士は勿論、日を区切って貧民に対しても職を探すまで衣食住を世話したりというようなことをしている。
広く門戸を開放して多くの人が住むことを良しとするのは軍事機密漏洩の危険があるという声は勿論上がったが、ガウェイ自身が屋敷で一切仕事をしないということ徹底して貫いたため、その声は封じられた。
ガウェイは紙一枚であろうとも仕事関係の書類は家に持ち込まずに執務室で終わらせる。
それは彼自身のためでもあるし、彼が守る弱い立場の者たちのためでもあるとガウェイはよく理解していた。
また彼の開けっ広げな性格から、食事に関しては大食堂をつくり自分も其処で仲間と同じものを食べている。
同じ釜の飯を食べてくれる軍事最高顧問さま、だからこそガウェイは騎士たちは勿論、国民からも人望が高かった。
*
そんなガウェイが離宮の正門に帰った時には、わらわらわらわらとまるで菓子に群がる蟻の如く騎士たちが次々と現れる。
筋肉達磨もいれば細マッチョもいるし、申し訳なさげに貧民階級の人も彼を迎えに来る、流石だ。
そんな様子だから、レガンとフルレトは目を円くして、さっそく此処に来たことを後悔しているようだった。
なにせガウェイが広場からヒュンベリオン城へ向かった時も驚愕して「やはり断るか」と二人で相談していたぐらいだ。
森育ちの田舎っこには刺激が強いだろうと思う。
でもオレがガウェイにどんどん付いて行ったから、彼等も付いてこざるを得なかったらしい。
いやでも、ガウェイって本当に良い奴だからね。
「お帰りなさいませっ!!」
「お疲れ様です!!」
口調は丁寧だが、体育会系のあの力強い挨拶をして歓声のように響きあう離宮の入り口で、オレは『聖王』として慣れてるとはいえ苦笑した。
ガウェイの方も慣れたもので紅水晶で建てられ精緻な意匠が施されている巨大な門の横に佇んで、俺たちを奥へうながしてくる。
彼の燃えるような紅の髪と翻る紅の長衣…射竦めるような覇気の溢れた金色の瞳。
銀と赤の鎧に太陽の光が反射して、その光景の美しさに息を飲むほどだ。
そして紅水晶の門が彼という存在を引き立たせる…やはりこの離宮は彼に相応しい。
だが彼に見とれるばかりでは居られない。
というのもガウェイがいるから咎められたりしないが、周囲からの興味の視線が無数に飛んできて非常に居心地が悪いからだ。
レガンは深く溜息を零し、フルレトは一瞬、周囲に獣独特の威嚇の視線を流した。
うん、咽喉を鳴らさなかっただけでも良しとしよう!
だが彼等はそれだけで腹をくくったらしく俺たちは紅玉の離宮の門をくぐったのである。
*
「俺の客人だ丁重にもてなしてくれ」
そういってガウェイは少し着替えてくると言い置いて俺たちを侍従へ預けた。
それはいいんだが、通された北の間の豪奢な部屋にレガンとフルレトが"初めての部屋で怯えるネコ並"にウロウロとし始めたのにオレはちょっと困った。
ちなみに侍従は俺たちを通して世話をしようとしてくれたのだがレガンとフルレトが三人だけでちょっと話したいことがあるからと追い出されていた。
戸惑っていたので可哀相だ。
最初、俺も三人だけで話すこともあるだろうと思ってたんだが、レガンとフルレトは獣人らしく『此処がある程度、安全だ』と思えないと落ち着けないらしい、ホント獣人って面白い。
魔法で隠してる尻尾と耳があったらきっと面白かっただろうに…残念だ。
「楽にしたら?」
フードを取って衣装箪笥の中へ入れながらオレはブーツも脱いでスリッパにして椅子にかける。
ちなみにレガンとフルレトは未だにフル装備です、お前等落ち着けと言いたいが、言っても変わらない気がするので止めた。
オレはそのまま椅子の隣りの机に置かれていた菓子と茶に手を伸ばす…あれだよね旅行先の部屋で最初に食べるよね。
「紅茶美味しい」
俺が紅茶飲んだら匂いに釣られたのだろうか、やっとレガンとフルレトも荷物をおいて椅子に座ってくれました。
***
荷物を置いて人心地つくと、コンコンとノックの音がして「どうぞ」と応えると門扉が開いてガウェイが現れた。
鎧を脱いだ彼は紅の長衣を纏い、腰に黒の剣帯をして焔の魔剣・ガラティーンを差した姿で部屋に入ってくる
彼はレガンとフルレトが外套を羽織ったままでいることに気付いて苦笑したが、何も言わずに、
「少し早いが夕飯の準備が出来たらしい食堂まで案内する。話し合いはもう良いのか?」と尋ねてきた。
二人が警戒していることは分かっているが、それを無理にほぐそうとしない所が逆に彼の優しさだろうと思う。
「大丈夫だ」
それにレガンも外套をバサッと脱いで立ち上がる。
宿を提供してくれるガウェイに礼を失しないよう、直ぐに外套を脱ぎフルレトもレガンにならったことで、ガウェイはニッと深く笑った。
離宮の内装は落ち着いた"紅大理石″と呼ばれる石で作られている。
この石は大理石の色味より薄く紅がはいっており、程々に頑丈だが、ある一定の圧をかけると割れるから建築資材として用いられやすい石だ。
紅玉の離宮の由来は正門の紅水晶の門によるが、離宮内部にも″紅″の名を関する石がふんだんに使われている。
其の紅大理石で造られた廻廊を俺たち三人はガウェイに案内されながら進む。
此処は北の宮で、東西南北の宮から一番近い中央に大食堂を設けたのだとガウェイは快活に笑った。
それにレガンとフルレトは黙って聞き入っている、おそらくガウェイの人となりを見ているのだ。
そしておそらくガウェイも…このようなことを話すことで少しずつ自分を知って貰えるように行動しているのだろうと思った。
精緻な象嵌が施された天窓から差し込む夕焼けの光…金色の光が白薄紅の大理石を鮮やかに染めていた。
どれくらい歩いただろうか、遠くからでも楽しそうな喧騒が届いてきた、大食堂からの声がもれて響いているのだろう。
「この時間は他の奴等も食堂にいるが気の良い奴等ばっかりだから仲良くしてやってくれ。」
ガウェイの笑った声が彼等を大切に思っていることが知れて、俺もつい笑っていた。
身分が全然違うのにガウェイは分け隔てが無い、そこは本当に彼のいいところだ。
***
大食堂には本当に多くの兵たちや如何にも貧しげな人たちが食事していた。
フードを取った俺の容姿に息を飲むのを感じたがガウェイがいるから、その視線はそんなにあから様でもない。
ただ興味がある程度だろう。
だが百人以上はいるだろう彼等をガウェイが養っているのだ…もっと給与あげても良いかもしれない。
以前それとなく宰相のツキュールを通して打診した時もあったが、でもガウェイは断った。何事も過ぎれば良くないと。
食堂の明るい灯りに照らされる食事はビュッフェ形式で好きな物を好きなだけ食べて良いらしい。
「食堂は夜11時から朝6時の時間帯以外は開いてるかた好きな時に言って食べてくれ」とガウェイは言った。
それにレガンとフルレトは目をむく、獣人の生活様式は基本的には自給自足だから『来れば食べられる』に驚くのは無理はない。
「流石、都は違うな」とフルレトが言っているが、これはどこも普通だ。
「おいおい何処もこんなもんだぞ」
流石にガウェイも笑ってる。
彼は周りの騎士たちに手をあげて挨拶しながらも言葉を続ける。
「他意はないがお前等どこの田舎から来たんだ食堂なんて何処にでもあるぞ。」
レガンとフルレトは息を飲み、レガンが「遠いところだ」と何とも曖昧な返事にガウェイは気にもしないで「そうか」と応えている。
むしろ国の重臣であるのに大食堂を作って他の者とで食事を共にしてるガウェイが一般的には変わっているのだが、彼等はその事には気付かない。
そして更にレガンとフルレトが驚いたのは…食堂に少なからず獣人が居たことだ。
「彼等は?」
つい逸るように尋ねるフルレトにガウェイはニッと笑う、
「ああ俺の部下だ、良い奴だぞ。」
ガウェイはどこまでも朗らかで彼の表情からも彼等を誇りに思っていることが知れる。
「失礼、貴方は…獣人のことはどう思っているんだ」
今度はレガンがフルレトが言葉を紡ぐ。声音が固く、一見すれば獣人を嫌っている人のようにも見えるが、それが違うことは俺が知っている。
ガウェイは少しその金色の瞳を細めてレガンを図る様に向き直った、彼の動きに合わせて紅の長衣の裾が翻る。
「獣人?それが関係あるのか?みんな一緒だ。」
食堂の真中で立ち止まっているのだから目立つ。
それには頓着することなく、だがガウェイは幾分言葉を選んで続けた。
「勿論、彼等を取り巻く情勢は理解しているつもりだが…それが人を尊重し関係を築くことに何ら躊躇いなど無い。
むしろ彼等は自分の境遇に甘んずることなく道を切り開く誇り高い者たちだ。」
それは当たり前だろうというような流れで話されるから、レガンもフルレトも何も言い返さず、ただ聞いていた。
人に住処を追われ、殺され、迫害され、狩られながら流浪し、また奴隷にされる彼等にガウェイのひらかれた考えはどう映ったのだろうか。
・・・願わくば、獣人たちにとって、これが幸福へ続く出会いであれかしと願わずにはいられないのだった。
陽気な騎士達はレガンやフルレトの想いすら受け止めて陽気に食事をし、酒をかわし歌った。
その中心にはやはり紅の髪を持つ青年がいるのだ。
大食堂の中央で机を合わせた簡易的な舞台の上で彼が剣舞を見せてくれた時には喝采が湧いた。
人を巻き込み、人を従え、人を好み、人に好まれるガウェイらしい。
どれくらいの時間が経ったのか食事から段々と宴の様相となったのは致し方がない。
レガンもフルレトも獣人の騎士たちに話を聞いたりとスッカリ安心しているようで慣れないお酒に大分酔っている。
だが時刻はもう食堂が閉まる時間が迫っていた。
「お前の連れは酒が弱かったのか?」
そんな時にガウェイが人の輪から外れて明らかに酔っているレガンとフルレトを見て笑っていた。
きっと打ち解けてくれたのが嬉しかったのだろう。
レガンとフルレトは顔をあげ、「「酔ってない」」典型的な酔っぱらいの台詞有難うございます。
声はしっかりしているが顔は赤い、立ち上がったらふらつきそうだ。
「んー近くの部屋も空いてるから其処で今日は寝た方が良いだろ、あまり動かすのもな。」
ガウェイは慣れているのか、周りの騎士たちにテキパキと指示を飛ばしている。
レガン達は「酔ってない!」とか言っていたが、これはお世話になった方がいいと判断した。
「スミマセンお願いします…また朝にね。」
そして俺はレガンとフルレトと分かれた。
***
紅大理石の廻廊をガウェイと並んで歩く。
コツコツと静謐な音、ガウェイの焔の魔剣から明るく零れる燐光が薄暗い廻廊で幻想的で綺麗だった。
「明日は出ていくのか?」
そして歩きながらガウェイは尋ねてきた、先を歩く彼の顔は見えない。
少し酔ったふわふわの心地が気持ちいい俺はなんも考えずに思ったままを口にする。
「いえもし良ければ、今日明日と泊めて頂けたら嬉しいです…レガン達も貴方を信用したようですし。」
奴隷オークションの2日目、3日目を終わって獣人を助けたら聖都に帰るからね!!そんなつもりだったのだが立ち止まっていたガウェイに俺はぶつかりそうになった。
「ガウェイさん?」
訝しげに声をかけると、振り返ったガウェイは「ずっと此処にいればいい」と言った。
「えっでもそんな訳には…だって…」聖王だし。だが俺の言葉を紡がせないように広い腕の中で掻き抱かれる。
「お前の意思を枉げたい訳じゃないんだ、けどな離れたら…助けられないんだぞ。」
それはどういうことなのか問う前に抱きしめられた腕はほどかれ、見上げると切なく微笑むガウェイがいた。
微かに彼の大きな手のひらがオレの頬を撫ぜた。
「お前は本当に似てるぜ」
誰に問う前にガウェイはまた歩き出してしまう…だから俺は部屋に辿り着くまで聞くことは出来なかった。
***
その日は土砂降りの雨が降っており、ガウェインはちょうど遠征をしている時に、その報を貰った。
「…アーサーが死んだ?」
それは到底、受け入れられぬ報告なのに、傷だらけでランスロットが支配しているキャメロット城から抜け出したガウェインの部下は泣きじゃくりながら報告した。
グゥエン王妃と密通していたランスロットはアーサーを裏切るだけでは飽き足らず、狂気に落とし殺したのだと。
「申し訳もっ申し訳もございませぬっ!!!!」
号泣する部下に、現実なのだと、これは現実なのだと突きつけられる。
ガウェインの体中が震えた。あまりの怒りと悲哀で。
『アーサーは俺の主だ。だからオマエは俺より先に死ぬなんてことはねぇよ…俺が守るからな。』
そう告げれば王は儚く笑った。嬉しそうにはにかんで、でも微笑んだ。
遠い情景がガウェインの瞳を焼いて、思わず顔を覆う。
「ああああああああああああああああっ」
これは現実なのか、こんなものが現実なのか。
騎士たる自分か何故ここにいるのだ、アーサーの側に侍ることも出来ず、此処になぜ自分はいるのだ。
こんな未来など信じないっ!!
ガウェインは直ぐに剣を握り締める、アーサー王に下賜された魔剣を握り締めて必死に自分を立て直した。
『ガウェイン』と自分を耳に残る声を覚えている。
「すぐに全軍に伝えよ、急ぎキャメロットに帰還する!!!早駆けを行うから付いて来れぬ者は後から来いっ!!!」
そして土砂降りの雨の中、ガウェインの遠征隊はその場を発った。
先すら見通せぬ闇のなかを強行に早駆けを行うから屈強な騎士であっても次々と脱落していった。
自身も息すら出来ぬほど疲弊し何も食事を取らずに、ただただガウェインは馬を駆ける。
(そんな事がある訳がねぇんだ!!アーサーが死ぬはずがないっ!!!!
だって誓った…俺は剣を捧げた主を命果てるその時まで守ると誓ったっ!!)
気力だけで馬を操り、馬もよくそれに付いて来てくれた。脳裏に浮かんだ面影を頼りに気力を奮い起こす。
だが何日も走り続け、人を切り捨てながらガウェイが帰り付いた時にはキャメロット城は…ランスロットによって占拠されていた。
なぜ離れることなど出来たのだろう、アーサーの側を。
離れている間に殺された、俺の剣の主。
どんなにか苦しかったか、怖かったか、絶望したか。
側に侍ることも出来ずに・・・離れたくなどなかったのに。
雨が濡れそぼった衣と重くなり汚れた鎧を纏った馬上で慟哭した・・・ランスロットの旗が翻るキャメロット城など見たくもないのに。
アーサー…なぜ俺はお前の側を離れたのだ。
側にいればっお前を独りで死なすこともしなかった。
きっと最期まで側にいただろうに。
「離したくなど、なぃ…」
喘ぐように自分の口から出た言葉にガウェイはハッと目を覚ました。
瞳を開ければ其処は見慣れた自室だったが、夢と現実とが曖昧で忙しなく動く心臓が生きていることをコチラが現実だと突きつけてくる。
「ハァッ…」
上半身をベッドから起こすと、変な汗をかいているのが分かる、そして頬が濡れていることも…夢見が悪かった。
分かっている…あれは前世の記憶だ…アーサーの死を知った時の記憶。
胸が先程まで感じていた悲哀と絶望を覚えている。
深夜の時分だ、きっと誰も起きていまい…だからこそガウェイはベッドから起き出し、夜着のまま燭台に灯りを燈すと足音を忍ばせて部屋を出ていった。
北の宮へ。
ガウェイが住まう東の宮から直ぐの…本来は北の方、つまり正妻が入る宮へ彼は向かったのだった。
そんな彼の屋敷は崖の上に聳え立つヒュンベリオン城内に位置しており、有事の際にはすぐに駆けつけられるようになっている。
…というのも破格の待遇で城内の離宮一つが彼に与えられているためだ。
本来ならその離宮は『聖王』が結婚して生まれた『皇子皇女』が入る離宮だが。
何百年にも亘る『聖王』の治世において彼が未婚のため、広大な無人の離宮の扱いに困った『聖王』がその一つをガウェイに下賜した。
同様に聖王旗下の騎士たちは『聖王』から一定の信頼を得ると離宮を与えられ、その宮の規模やヒュンベリオン城内での宮の位置によって騎士のステータスは内外においてある意味図られている。
『聖王』が住まう『天空の尖塔』と呼ばれる城の最深部から、与えられた場所が近いか遠いかで『聖王』の信頼が見えるのだという。
今のところ『皇子皇女』が本来用いる程の離宮を与えられているのはガウェイを含めても数えるほどしかいない…そこからも彼の権力が現れているといえる。
そして『聖王』はガウェイには質実剛健な紅玉の離宮を与え、彼の炎のような髪に似合うと尊んだ。
紅玉の離宮ではガウェイが主に使っている東の間を中心に、東西南北に大きく分かれる造りとなっており、ガウェイは西と南の間は他の騎士達に解放していた。
それは彼自身が大変苦労し今の地位を築いたことから他者のためになればと彼が始めたことで、安い給与の部下たちや、軍部最高顧問であるガウェイ直属の騎士は勿論、日を区切って貧民に対しても職を探すまで衣食住を世話したりというようなことをしている。
広く門戸を開放して多くの人が住むことを良しとするのは軍事機密漏洩の危険があるという声は勿論上がったが、ガウェイ自身が屋敷で一切仕事をしないということ徹底して貫いたため、その声は封じられた。
ガウェイは紙一枚であろうとも仕事関係の書類は家に持ち込まずに執務室で終わらせる。
それは彼自身のためでもあるし、彼が守る弱い立場の者たちのためでもあるとガウェイはよく理解していた。
また彼の開けっ広げな性格から、食事に関しては大食堂をつくり自分も其処で仲間と同じものを食べている。
同じ釜の飯を食べてくれる軍事最高顧問さま、だからこそガウェイは騎士たちは勿論、国民からも人望が高かった。
*
そんなガウェイが離宮の正門に帰った時には、わらわらわらわらとまるで菓子に群がる蟻の如く騎士たちが次々と現れる。
筋肉達磨もいれば細マッチョもいるし、申し訳なさげに貧民階級の人も彼を迎えに来る、流石だ。
そんな様子だから、レガンとフルレトは目を円くして、さっそく此処に来たことを後悔しているようだった。
なにせガウェイが広場からヒュンベリオン城へ向かった時も驚愕して「やはり断るか」と二人で相談していたぐらいだ。
森育ちの田舎っこには刺激が強いだろうと思う。
でもオレがガウェイにどんどん付いて行ったから、彼等も付いてこざるを得なかったらしい。
いやでも、ガウェイって本当に良い奴だからね。
「お帰りなさいませっ!!」
「お疲れ様です!!」
口調は丁寧だが、体育会系のあの力強い挨拶をして歓声のように響きあう離宮の入り口で、オレは『聖王』として慣れてるとはいえ苦笑した。
ガウェイの方も慣れたもので紅水晶で建てられ精緻な意匠が施されている巨大な門の横に佇んで、俺たちを奥へうながしてくる。
彼の燃えるような紅の髪と翻る紅の長衣…射竦めるような覇気の溢れた金色の瞳。
銀と赤の鎧に太陽の光が反射して、その光景の美しさに息を飲むほどだ。
そして紅水晶の門が彼という存在を引き立たせる…やはりこの離宮は彼に相応しい。
だが彼に見とれるばかりでは居られない。
というのもガウェイがいるから咎められたりしないが、周囲からの興味の視線が無数に飛んできて非常に居心地が悪いからだ。
レガンは深く溜息を零し、フルレトは一瞬、周囲に獣独特の威嚇の視線を流した。
うん、咽喉を鳴らさなかっただけでも良しとしよう!
だが彼等はそれだけで腹をくくったらしく俺たちは紅玉の離宮の門をくぐったのである。
*
「俺の客人だ丁重にもてなしてくれ」
そういってガウェイは少し着替えてくると言い置いて俺たちを侍従へ預けた。
それはいいんだが、通された北の間の豪奢な部屋にレガンとフルレトが"初めての部屋で怯えるネコ並"にウロウロとし始めたのにオレはちょっと困った。
ちなみに侍従は俺たちを通して世話をしようとしてくれたのだがレガンとフルレトが三人だけでちょっと話したいことがあるからと追い出されていた。
戸惑っていたので可哀相だ。
最初、俺も三人だけで話すこともあるだろうと思ってたんだが、レガンとフルレトは獣人らしく『此処がある程度、安全だ』と思えないと落ち着けないらしい、ホント獣人って面白い。
魔法で隠してる尻尾と耳があったらきっと面白かっただろうに…残念だ。
「楽にしたら?」
フードを取って衣装箪笥の中へ入れながらオレはブーツも脱いでスリッパにして椅子にかける。
ちなみにレガンとフルレトは未だにフル装備です、お前等落ち着けと言いたいが、言っても変わらない気がするので止めた。
オレはそのまま椅子の隣りの机に置かれていた菓子と茶に手を伸ばす…あれだよね旅行先の部屋で最初に食べるよね。
「紅茶美味しい」
俺が紅茶飲んだら匂いに釣られたのだろうか、やっとレガンとフルレトも荷物をおいて椅子に座ってくれました。
***
荷物を置いて人心地つくと、コンコンとノックの音がして「どうぞ」と応えると門扉が開いてガウェイが現れた。
鎧を脱いだ彼は紅の長衣を纏い、腰に黒の剣帯をして焔の魔剣・ガラティーンを差した姿で部屋に入ってくる
彼はレガンとフルレトが外套を羽織ったままでいることに気付いて苦笑したが、何も言わずに、
「少し早いが夕飯の準備が出来たらしい食堂まで案内する。話し合いはもう良いのか?」と尋ねてきた。
二人が警戒していることは分かっているが、それを無理にほぐそうとしない所が逆に彼の優しさだろうと思う。
「大丈夫だ」
それにレガンも外套をバサッと脱いで立ち上がる。
宿を提供してくれるガウェイに礼を失しないよう、直ぐに外套を脱ぎフルレトもレガンにならったことで、ガウェイはニッと深く笑った。
離宮の内装は落ち着いた"紅大理石″と呼ばれる石で作られている。
この石は大理石の色味より薄く紅がはいっており、程々に頑丈だが、ある一定の圧をかけると割れるから建築資材として用いられやすい石だ。
紅玉の離宮の由来は正門の紅水晶の門によるが、離宮内部にも″紅″の名を関する石がふんだんに使われている。
其の紅大理石で造られた廻廊を俺たち三人はガウェイに案内されながら進む。
此処は北の宮で、東西南北の宮から一番近い中央に大食堂を設けたのだとガウェイは快活に笑った。
それにレガンとフルレトは黙って聞き入っている、おそらくガウェイの人となりを見ているのだ。
そしておそらくガウェイも…このようなことを話すことで少しずつ自分を知って貰えるように行動しているのだろうと思った。
精緻な象嵌が施された天窓から差し込む夕焼けの光…金色の光が白薄紅の大理石を鮮やかに染めていた。
どれくらい歩いただろうか、遠くからでも楽しそうな喧騒が届いてきた、大食堂からの声がもれて響いているのだろう。
「この時間は他の奴等も食堂にいるが気の良い奴等ばっかりだから仲良くしてやってくれ。」
ガウェイの笑った声が彼等を大切に思っていることが知れて、俺もつい笑っていた。
身分が全然違うのにガウェイは分け隔てが無い、そこは本当に彼のいいところだ。
***
大食堂には本当に多くの兵たちや如何にも貧しげな人たちが食事していた。
フードを取った俺の容姿に息を飲むのを感じたがガウェイがいるから、その視線はそんなにあから様でもない。
ただ興味がある程度だろう。
だが百人以上はいるだろう彼等をガウェイが養っているのだ…もっと給与あげても良いかもしれない。
以前それとなく宰相のツキュールを通して打診した時もあったが、でもガウェイは断った。何事も過ぎれば良くないと。
食堂の明るい灯りに照らされる食事はビュッフェ形式で好きな物を好きなだけ食べて良いらしい。
「食堂は夜11時から朝6時の時間帯以外は開いてるかた好きな時に言って食べてくれ」とガウェイは言った。
それにレガンとフルレトは目をむく、獣人の生活様式は基本的には自給自足だから『来れば食べられる』に驚くのは無理はない。
「流石、都は違うな」とフルレトが言っているが、これはどこも普通だ。
「おいおい何処もこんなもんだぞ」
流石にガウェイも笑ってる。
彼は周りの騎士たちに手をあげて挨拶しながらも言葉を続ける。
「他意はないがお前等どこの田舎から来たんだ食堂なんて何処にでもあるぞ。」
レガンとフルレトは息を飲み、レガンが「遠いところだ」と何とも曖昧な返事にガウェイは気にもしないで「そうか」と応えている。
むしろ国の重臣であるのに大食堂を作って他の者とで食事を共にしてるガウェイが一般的には変わっているのだが、彼等はその事には気付かない。
そして更にレガンとフルレトが驚いたのは…食堂に少なからず獣人が居たことだ。
「彼等は?」
つい逸るように尋ねるフルレトにガウェイはニッと笑う、
「ああ俺の部下だ、良い奴だぞ。」
ガウェイはどこまでも朗らかで彼の表情からも彼等を誇りに思っていることが知れる。
「失礼、貴方は…獣人のことはどう思っているんだ」
今度はレガンがフルレトが言葉を紡ぐ。声音が固く、一見すれば獣人を嫌っている人のようにも見えるが、それが違うことは俺が知っている。
ガウェイは少しその金色の瞳を細めてレガンを図る様に向き直った、彼の動きに合わせて紅の長衣の裾が翻る。
「獣人?それが関係あるのか?みんな一緒だ。」
食堂の真中で立ち止まっているのだから目立つ。
それには頓着することなく、だがガウェイは幾分言葉を選んで続けた。
「勿論、彼等を取り巻く情勢は理解しているつもりだが…それが人を尊重し関係を築くことに何ら躊躇いなど無い。
むしろ彼等は自分の境遇に甘んずることなく道を切り開く誇り高い者たちだ。」
それは当たり前だろうというような流れで話されるから、レガンもフルレトも何も言い返さず、ただ聞いていた。
人に住処を追われ、殺され、迫害され、狩られながら流浪し、また奴隷にされる彼等にガウェイのひらかれた考えはどう映ったのだろうか。
・・・願わくば、獣人たちにとって、これが幸福へ続く出会いであれかしと願わずにはいられないのだった。
陽気な騎士達はレガンやフルレトの想いすら受け止めて陽気に食事をし、酒をかわし歌った。
その中心にはやはり紅の髪を持つ青年がいるのだ。
大食堂の中央で机を合わせた簡易的な舞台の上で彼が剣舞を見せてくれた時には喝采が湧いた。
人を巻き込み、人を従え、人を好み、人に好まれるガウェイらしい。
どれくらいの時間が経ったのか食事から段々と宴の様相となったのは致し方がない。
レガンもフルレトも獣人の騎士たちに話を聞いたりとスッカリ安心しているようで慣れないお酒に大分酔っている。
だが時刻はもう食堂が閉まる時間が迫っていた。
「お前の連れは酒が弱かったのか?」
そんな時にガウェイが人の輪から外れて明らかに酔っているレガンとフルレトを見て笑っていた。
きっと打ち解けてくれたのが嬉しかったのだろう。
レガンとフルレトは顔をあげ、「「酔ってない」」典型的な酔っぱらいの台詞有難うございます。
声はしっかりしているが顔は赤い、立ち上がったらふらつきそうだ。
「んー近くの部屋も空いてるから其処で今日は寝た方が良いだろ、あまり動かすのもな。」
ガウェイは慣れているのか、周りの騎士たちにテキパキと指示を飛ばしている。
レガン達は「酔ってない!」とか言っていたが、これはお世話になった方がいいと判断した。
「スミマセンお願いします…また朝にね。」
そして俺はレガンとフルレトと分かれた。
***
紅大理石の廻廊をガウェイと並んで歩く。
コツコツと静謐な音、ガウェイの焔の魔剣から明るく零れる燐光が薄暗い廻廊で幻想的で綺麗だった。
「明日は出ていくのか?」
そして歩きながらガウェイは尋ねてきた、先を歩く彼の顔は見えない。
少し酔ったふわふわの心地が気持ちいい俺はなんも考えずに思ったままを口にする。
「いえもし良ければ、今日明日と泊めて頂けたら嬉しいです…レガン達も貴方を信用したようですし。」
奴隷オークションの2日目、3日目を終わって獣人を助けたら聖都に帰るからね!!そんなつもりだったのだが立ち止まっていたガウェイに俺はぶつかりそうになった。
「ガウェイさん?」
訝しげに声をかけると、振り返ったガウェイは「ずっと此処にいればいい」と言った。
「えっでもそんな訳には…だって…」聖王だし。だが俺の言葉を紡がせないように広い腕の中で掻き抱かれる。
「お前の意思を枉げたい訳じゃないんだ、けどな離れたら…助けられないんだぞ。」
それはどういうことなのか問う前に抱きしめられた腕はほどかれ、見上げると切なく微笑むガウェイがいた。
微かに彼の大きな手のひらがオレの頬を撫ぜた。
「お前は本当に似てるぜ」
誰に問う前にガウェイはまた歩き出してしまう…だから俺は部屋に辿り着くまで聞くことは出来なかった。
***
その日は土砂降りの雨が降っており、ガウェインはちょうど遠征をしている時に、その報を貰った。
「…アーサーが死んだ?」
それは到底、受け入れられぬ報告なのに、傷だらけでランスロットが支配しているキャメロット城から抜け出したガウェインの部下は泣きじゃくりながら報告した。
グゥエン王妃と密通していたランスロットはアーサーを裏切るだけでは飽き足らず、狂気に落とし殺したのだと。
「申し訳もっ申し訳もございませぬっ!!!!」
号泣する部下に、現実なのだと、これは現実なのだと突きつけられる。
ガウェインの体中が震えた。あまりの怒りと悲哀で。
『アーサーは俺の主だ。だからオマエは俺より先に死ぬなんてことはねぇよ…俺が守るからな。』
そう告げれば王は儚く笑った。嬉しそうにはにかんで、でも微笑んだ。
遠い情景がガウェインの瞳を焼いて、思わず顔を覆う。
「ああああああああああああああああっ」
これは現実なのか、こんなものが現実なのか。
騎士たる自分か何故ここにいるのだ、アーサーの側に侍ることも出来ず、此処になぜ自分はいるのだ。
こんな未来など信じないっ!!
ガウェインは直ぐに剣を握り締める、アーサー王に下賜された魔剣を握り締めて必死に自分を立て直した。
『ガウェイン』と自分を耳に残る声を覚えている。
「すぐに全軍に伝えよ、急ぎキャメロットに帰還する!!!早駆けを行うから付いて来れぬ者は後から来いっ!!!」
そして土砂降りの雨の中、ガウェインの遠征隊はその場を発った。
先すら見通せぬ闇のなかを強行に早駆けを行うから屈強な騎士であっても次々と脱落していった。
自身も息すら出来ぬほど疲弊し何も食事を取らずに、ただただガウェインは馬を駆ける。
(そんな事がある訳がねぇんだ!!アーサーが死ぬはずがないっ!!!!
だって誓った…俺は剣を捧げた主を命果てるその時まで守ると誓ったっ!!)
気力だけで馬を操り、馬もよくそれに付いて来てくれた。脳裏に浮かんだ面影を頼りに気力を奮い起こす。
だが何日も走り続け、人を切り捨てながらガウェイが帰り付いた時にはキャメロット城は…ランスロットによって占拠されていた。
なぜ離れることなど出来たのだろう、アーサーの側を。
離れている間に殺された、俺の剣の主。
どんなにか苦しかったか、怖かったか、絶望したか。
側に侍ることも出来ずに・・・離れたくなどなかったのに。
雨が濡れそぼった衣と重くなり汚れた鎧を纏った馬上で慟哭した・・・ランスロットの旗が翻るキャメロット城など見たくもないのに。
アーサー…なぜ俺はお前の側を離れたのだ。
側にいればっお前を独りで死なすこともしなかった。
きっと最期まで側にいただろうに。
「離したくなど、なぃ…」
喘ぐように自分の口から出た言葉にガウェイはハッと目を覚ました。
瞳を開ければ其処は見慣れた自室だったが、夢と現実とが曖昧で忙しなく動く心臓が生きていることをコチラが現実だと突きつけてくる。
「ハァッ…」
上半身をベッドから起こすと、変な汗をかいているのが分かる、そして頬が濡れていることも…夢見が悪かった。
分かっている…あれは前世の記憶だ…アーサーの死を知った時の記憶。
胸が先程まで感じていた悲哀と絶望を覚えている。
深夜の時分だ、きっと誰も起きていまい…だからこそガウェイはベッドから起き出し、夜着のまま燭台に灯りを燈すと足音を忍ばせて部屋を出ていった。
北の宮へ。
ガウェイが住まう東の宮から直ぐの…本来は北の方、つまり正妻が入る宮へ彼は向かったのだった。
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