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第2話 遊園地で仲良し作戦!
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「うーん……」
今日もいつものように学校から帰ってきて夕食を済ませたぼくは、自室のベッドに寝っ転がりつつ、スマホとにらめっこしていた。
……突然ですが、ぼく櫻木 碧は今、すんごく悩んでいます。
大神 怜央先輩が友沢 幸人先輩に告白していた場面を目撃してから一週間。てっきりあの2人はめでたく付き合い始めたとばかり思っていたのだけれど、それらしい素振りは全くない。
それどころか……。
『櫻木くん!今日のお昼は一緒にどうかな?』
『櫻木ちゃんって甘いもの好き?購買のホイップいちごサンド、おすすめだぜ!奢るから一回食べてみなって!』
お昼休みになると、2人揃ってぼくのところへお昼ご飯のお誘いに来るし……。
『櫻木くん、この後一緒に勉強しない?わからないところがあったら教えるよ』
『お前なぁ、学生は遊んでなんぼだろ!クレープ買いに行こうぜ、櫻木ちゃん!』
放課後になると、2人揃ってぼくのところへ寄り道のお誘いに来るし……。
……と、まあこんな感じで、先輩たちは何故かお互いのことはそっちのけでぼくにばかり構っている。一体何故……?
もしかして、ぼくが2人のことを言いふらしたりして邪魔しないように、警戒してる?あの時、『先輩たちの仲を邪魔するつもりはない』って言ったのになー……。
それとも、案外2人ともウブだったりして。まだ素直になれないから、ぼくでワンクッション置いているとか……。
いや、それならぼくじゃなくてもいいだろうし、さすがに考えすぎかなー……。
何にせよ、このままの状態では先輩たちの関係が進むのかどうか心配になってくる。何よりも、推したちの間に挟まるのは、見守る側としてはタブー行為……。
「どうにかして、先輩たちの興味をぼくからお互いの方に移す方法ないかなー……」
うんうん悩みながら、ぼくはスマホの画面をスワイプする。すると、とあるネット記事の見出しが、ぼくの目に飛び込んできた。
戸棚のお菓子を見つけた子供の如く、心の底からワクワクが湧き上がってくる。
「これだ!!」
_______
「レーブ・パラダイス?」
「はい!」
翌日のお昼休み、一緒にお昼ご飯を食べていた友沢先輩は、僕の口から出たワードを聞いて目を瞬かせる。
首を傾げてしばらく思案していたようだったが、ハッとした様子で『ああ!』と声を上げた。
「たしか、今話題の遊園地だっけ?名前だけならぼくも聞いたことあるよ。それで、そのレーブ・パラダイスがどうかした?」
「実はですね、昨日面白いサイトを見つけたんですよ!」
ぼくはスマホを取りだし、お目当てのネット記事のサイトを画面に写して、友沢先輩に見せた。
そのネット記事には、『隠れラーピッドちゃんで永遠の愛を』という見出しがついていた。
ラーピッドちゃんとは、レーブ・パラダイスのマスコットキャラクターだ。天使の羽が生えて、弓矢を持ったうさぎ……つまり、キューピッドのうさぎ。だから名前も、うさぎのラビットとキューピッドを組みあわせて、ラーピッドということらしい。
で、レーブ・パラダイスには、各所に隠れラーピッドちゃんと呼ばれる、ラーピッドちゃんのマークが隠されているらしい。それを見つけたカップルは、ずっと仲良しでいられるのだとか……。
まあ、よくある恋愛のジンクスってやつだ。
「へぇ、たしかに面白い話だね。宝探しみたいで、ちょっと楽しそうかも」
ぼくの話を聞いた友沢先輩は顔をほころばせる。落ち着いた大人っぽい人だと思っていたけど、無邪気な子供っぽいところもあるんだと、ぼくは思わずにやけてしまった。
それを誤魔化すように、ぼくは話を続ける。
「他にも、月末にはペアでダンスを踊るイベントがあったり、フードエリアにはカップル向けのお菓子やご飯があったり……レーブ・パラダイスは今、恋人の聖地として人気らしいんですよ!」
ふんす、と鼻をならし、ちょっとだけ得意げになりながら、ぼくは友沢先輩にレーブ・パラダイスをアピールした。
……そう、これはぼくの作戦だ。カップルにおすすめのスポットを、世間話を装いながら友沢先輩にすすめ、『怜央と一緒に行きたいな』と大神先輩とのデートを意識させる。そして大神先輩をデートに誘うように仕向ければ、2人はデートを通して仲を深められるってわけ!
「…………そうだね」
相槌をうちながらぼくの話を聞いてくれた友沢先輩は、顎に手を当てて何かを考え込む仕草を見せた。
すると、しばらく間を開けたあと、ふ、と爽やかに微笑んで言った。
「それじゃあ、今度の休みに2人で行こうか」
「!はい!ぜひ2人で!」
ぼくは食い気味に頷いた。やった、作戦が成功したんだと胸を踊らせる。
「ぼくと櫻木くんで」
「友沢先輩と大神先輩で!」
「「……えっ?」」
……同時に出たお互いの異なる答えを聞いて、ぼくたちはお互いを見つめたまま、ぽかんと口を開けて固まっていた。
__キーンコーンカーンコーン。
そんなぼくたちをほったらかしにするように、昼休み終了を告げるチャイムが鳴った。
今日もいつものように学校から帰ってきて夕食を済ませたぼくは、自室のベッドに寝っ転がりつつ、スマホとにらめっこしていた。
……突然ですが、ぼく櫻木 碧は今、すんごく悩んでいます。
大神 怜央先輩が友沢 幸人先輩に告白していた場面を目撃してから一週間。てっきりあの2人はめでたく付き合い始めたとばかり思っていたのだけれど、それらしい素振りは全くない。
それどころか……。
『櫻木くん!今日のお昼は一緒にどうかな?』
『櫻木ちゃんって甘いもの好き?購買のホイップいちごサンド、おすすめだぜ!奢るから一回食べてみなって!』
お昼休みになると、2人揃ってぼくのところへお昼ご飯のお誘いに来るし……。
『櫻木くん、この後一緒に勉強しない?わからないところがあったら教えるよ』
『お前なぁ、学生は遊んでなんぼだろ!クレープ買いに行こうぜ、櫻木ちゃん!』
放課後になると、2人揃ってぼくのところへ寄り道のお誘いに来るし……。
……と、まあこんな感じで、先輩たちは何故かお互いのことはそっちのけでぼくにばかり構っている。一体何故……?
もしかして、ぼくが2人のことを言いふらしたりして邪魔しないように、警戒してる?あの時、『先輩たちの仲を邪魔するつもりはない』って言ったのになー……。
それとも、案外2人ともウブだったりして。まだ素直になれないから、ぼくでワンクッション置いているとか……。
いや、それならぼくじゃなくてもいいだろうし、さすがに考えすぎかなー……。
何にせよ、このままの状態では先輩たちの関係が進むのかどうか心配になってくる。何よりも、推したちの間に挟まるのは、見守る側としてはタブー行為……。
「どうにかして、先輩たちの興味をぼくからお互いの方に移す方法ないかなー……」
うんうん悩みながら、ぼくはスマホの画面をスワイプする。すると、とあるネット記事の見出しが、ぼくの目に飛び込んできた。
戸棚のお菓子を見つけた子供の如く、心の底からワクワクが湧き上がってくる。
「これだ!!」
_______
「レーブ・パラダイス?」
「はい!」
翌日のお昼休み、一緒にお昼ご飯を食べていた友沢先輩は、僕の口から出たワードを聞いて目を瞬かせる。
首を傾げてしばらく思案していたようだったが、ハッとした様子で『ああ!』と声を上げた。
「たしか、今話題の遊園地だっけ?名前だけならぼくも聞いたことあるよ。それで、そのレーブ・パラダイスがどうかした?」
「実はですね、昨日面白いサイトを見つけたんですよ!」
ぼくはスマホを取りだし、お目当てのネット記事のサイトを画面に写して、友沢先輩に見せた。
そのネット記事には、『隠れラーピッドちゃんで永遠の愛を』という見出しがついていた。
ラーピッドちゃんとは、レーブ・パラダイスのマスコットキャラクターだ。天使の羽が生えて、弓矢を持ったうさぎ……つまり、キューピッドのうさぎ。だから名前も、うさぎのラビットとキューピッドを組みあわせて、ラーピッドということらしい。
で、レーブ・パラダイスには、各所に隠れラーピッドちゃんと呼ばれる、ラーピッドちゃんのマークが隠されているらしい。それを見つけたカップルは、ずっと仲良しでいられるのだとか……。
まあ、よくある恋愛のジンクスってやつだ。
「へぇ、たしかに面白い話だね。宝探しみたいで、ちょっと楽しそうかも」
ぼくの話を聞いた友沢先輩は顔をほころばせる。落ち着いた大人っぽい人だと思っていたけど、無邪気な子供っぽいところもあるんだと、ぼくは思わずにやけてしまった。
それを誤魔化すように、ぼくは話を続ける。
「他にも、月末にはペアでダンスを踊るイベントがあったり、フードエリアにはカップル向けのお菓子やご飯があったり……レーブ・パラダイスは今、恋人の聖地として人気らしいんですよ!」
ふんす、と鼻をならし、ちょっとだけ得意げになりながら、ぼくは友沢先輩にレーブ・パラダイスをアピールした。
……そう、これはぼくの作戦だ。カップルにおすすめのスポットを、世間話を装いながら友沢先輩にすすめ、『怜央と一緒に行きたいな』と大神先輩とのデートを意識させる。そして大神先輩をデートに誘うように仕向ければ、2人はデートを通して仲を深められるってわけ!
「…………そうだね」
相槌をうちながらぼくの話を聞いてくれた友沢先輩は、顎に手を当てて何かを考え込む仕草を見せた。
すると、しばらく間を開けたあと、ふ、と爽やかに微笑んで言った。
「それじゃあ、今度の休みに2人で行こうか」
「!はい!ぜひ2人で!」
ぼくは食い気味に頷いた。やった、作戦が成功したんだと胸を踊らせる。
「ぼくと櫻木くんで」
「友沢先輩と大神先輩で!」
「「……えっ?」」
……同時に出たお互いの異なる答えを聞いて、ぼくたちはお互いを見つめたまま、ぽかんと口を開けて固まっていた。
__キーンコーンカーンコーン。
そんなぼくたちをほったらかしにするように、昼休み終了を告げるチャイムが鳴った。
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