44 / 118
ミツハナ脱退編
席替え再び
しおりを挟む
「じゃあ、席替えを始めます。前回と同じようにあみだくじね。席替え委員は……」
あけみっちがサッチの方を見る。
「須藤さんと藤木さん、お願い」
「はーい」
サッチがいつもの調子で軽く返事をし、前に出る。藤木さんは少し緊張した表情で前に出た。
「それでは、窓側の一番前の人から名前を書いていってください」
どんどんと名前が埋まり、俺が三つ残ったうちの一つに名前を書く。別にどこでも良いのだが、悩んだふりをした。
「はい。では結果を発表します。あけみっちが番号札を渡しますのでそれが新しい席です」
あけみっちが窓際前列から順に番号札を渡していく。
一喜一憂する声が教室に響く中、ヒデキがこちらを向いたが気づかないふりをした。
俺はあけみっちから『6』と書かれた札を渡された。窓側の一番後ろだ。これで全員の番号が決まった。
帆乃花ちゃんが『5』、友巴ちゃんが『12』だ。つまり、俺の前が帆乃花ちゃん、隣が友巴ちゃんだ。
で、俺の今に席にヒデキが座り、その隣に藤木さん、ヒデキの前にはサッチだ。
ここまでは出来レースで、あとは本当に運だ。
その運によって俺の斜め前の席になったのは、明るい小太り男子であった。帆乃花ちゃんの隣が男子とは……。
今や浮かれた小太りとなった男子が帆乃花ちゃんに愛想を振り撒く。
はぁー、ストレスがたまる。
「じゃあ資料のの五十一、二ページを開いて。そこから江戸時代のSDGsについて三十分でまとめるように」
しまった。今日はの日本史の資料集を持ってくる日だった。
机の中にひょっとして入ってないか……。
「どうした、梅谷?」
退職も近いであろう年齢の先生が、めざとく俺の行動に気づく。
「すみません……資料集を忘れました」
「仕方ないなぁ。隣に見せてもらえ」
友巴ちゃんを見ると、にこりと微笑みかけてくる。
か、可愛すぎる。
これからずっと教科書とか資料集とか忘れることにしよう。
机を右にずらし友巴ちゃんの横につく。
一つの資料集を見ながら二人で勉強なんて幸せだ。
その日の帰りだ。
「シュウゴ。ちょっと付き合え」
笑顔というか、にやけ顔のヒデキに呼び止められた。
「俺、くじ運めっちゃ良くねえか。隣に藤木、前に須藤だぜ。乳デカツートップに囲まれてるなんて超ラッキーこの上ない」
「ああ。良かったな」
あみだくじが、運ではなくて、仕組まれていることはまだ知らないようだ。
「お前も、森崎が隣、佐原が前だろ。前回といい運が良いよな。しかしお互い、斜め前が男子というのはいただけないな。せめて地味でも女子が良かったぜ」
「まあ、そこは運だからな」
俺は友巴ちゃんと帆乃花ちゃんがまわりにいればそれで満足だ。そう思った。が、すぐにヒデキの言葉を思い知らされることになる。
次の日、ヒデキのやつは教科書を忘れたとか言って、隣の藤木さんに見せてもらっていた。それはいい。ご勝手にどうぞ、だ。
許せないのは、明るい浮かれ小太り男子だ。こいつ、性格も愛嬌もいい。だが、教科書を忘れたと言って帆乃花ちゃんに見せてもらうのは許さーん!
あけみっちがサッチの方を見る。
「須藤さんと藤木さん、お願い」
「はーい」
サッチがいつもの調子で軽く返事をし、前に出る。藤木さんは少し緊張した表情で前に出た。
「それでは、窓側の一番前の人から名前を書いていってください」
どんどんと名前が埋まり、俺が三つ残ったうちの一つに名前を書く。別にどこでも良いのだが、悩んだふりをした。
「はい。では結果を発表します。あけみっちが番号札を渡しますのでそれが新しい席です」
あけみっちが窓際前列から順に番号札を渡していく。
一喜一憂する声が教室に響く中、ヒデキがこちらを向いたが気づかないふりをした。
俺はあけみっちから『6』と書かれた札を渡された。窓側の一番後ろだ。これで全員の番号が決まった。
帆乃花ちゃんが『5』、友巴ちゃんが『12』だ。つまり、俺の前が帆乃花ちゃん、隣が友巴ちゃんだ。
で、俺の今に席にヒデキが座り、その隣に藤木さん、ヒデキの前にはサッチだ。
ここまでは出来レースで、あとは本当に運だ。
その運によって俺の斜め前の席になったのは、明るい小太り男子であった。帆乃花ちゃんの隣が男子とは……。
今や浮かれた小太りとなった男子が帆乃花ちゃんに愛想を振り撒く。
はぁー、ストレスがたまる。
「じゃあ資料のの五十一、二ページを開いて。そこから江戸時代のSDGsについて三十分でまとめるように」
しまった。今日はの日本史の資料集を持ってくる日だった。
机の中にひょっとして入ってないか……。
「どうした、梅谷?」
退職も近いであろう年齢の先生が、めざとく俺の行動に気づく。
「すみません……資料集を忘れました」
「仕方ないなぁ。隣に見せてもらえ」
友巴ちゃんを見ると、にこりと微笑みかけてくる。
か、可愛すぎる。
これからずっと教科書とか資料集とか忘れることにしよう。
机を右にずらし友巴ちゃんの横につく。
一つの資料集を見ながら二人で勉強なんて幸せだ。
その日の帰りだ。
「シュウゴ。ちょっと付き合え」
笑顔というか、にやけ顔のヒデキに呼び止められた。
「俺、くじ運めっちゃ良くねえか。隣に藤木、前に須藤だぜ。乳デカツートップに囲まれてるなんて超ラッキーこの上ない」
「ああ。良かったな」
あみだくじが、運ではなくて、仕組まれていることはまだ知らないようだ。
「お前も、森崎が隣、佐原が前だろ。前回といい運が良いよな。しかしお互い、斜め前が男子というのはいただけないな。せめて地味でも女子が良かったぜ」
「まあ、そこは運だからな」
俺は友巴ちゃんと帆乃花ちゃんがまわりにいればそれで満足だ。そう思った。が、すぐにヒデキの言葉を思い知らされることになる。
次の日、ヒデキのやつは教科書を忘れたとか言って、隣の藤木さんに見せてもらっていた。それはいい。ご勝手にどうぞ、だ。
許せないのは、明るい浮かれ小太り男子だ。こいつ、性格も愛嬌もいい。だが、教科書を忘れたと言って帆乃花ちゃんに見せてもらうのは許さーん!
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、孝之は高校三年生、十七歳。妹の茜は十五歳、高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる