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ミツハナ脱退編
やっぱり三人デート
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「今日もご褒美なしだね……」
「えー」
帆乃花ちゃんの言葉に友巴ちゃんと一緒に声を出す。
「シュウゴくん、熱で学校休んでた分を取り返さないと明日からのテスト、やばいでしょ」
「そ、そうなんだけど……」
テストで良い点数取るためにも、性欲を、いや活力を満たしたい。
「私も今回やばそうだし頑張ろっと……」
友巴ちゃんがボソッとつぶやいた。
あー、これではあけみっちに教わったテクニックの披露は持ち越しだ。
こうして、ご褒美を我慢した甲斐もあり期末テストの出来は上々であった。
テストから解放され、流石の帆乃花ちゃんも浮かれている。
「ねえねえ、週末は三人で遊びに行こうよ」
「いいねー。二人にプレゼントでもらった服で行こうかな」
ヒデキは藤木さんと夢の国に行っているのに勉強なんてやってられない。
友巴ちゃんも当然ながら賛同し、映画を観たり、ショッピングしたりすることになった。
三人でデートだ。
秋晴れの土曜日。駅前で二人を待っていると、何故か帆乃花ちゃんはスーツケースをゴロゴロと引きづり合流した。
まさか今から夢の国に?
「帆乃花ちゃん、おはよう」
「おはよう、シュウゴくん。相変わらず早いね」
女子を待たせないのが俺の信条だ。
「どうしたの、その荷物?」
「ん? ちょっとね。トモハちゃん、まだ来てないし、ちょっとコインロッカー探してくるね。時間がきたらごめん」
「それはいいけど」
これで友巴ちゃんもスーツケースで来たら俺にサプライズで、お泊まり旅行?
そんなわけもなく、友巴ちゃんは普通のお出かけルックで登場した。
「シュウゴくん、おはようー」
「おはよう、友巴ちゃん」
「まだ五分前だからホノカちゃんは来てないみたいだね」
「帆乃花ちゃんならもう来てるけど、荷物を入れるコインロッカー探してるよ」
「荷物? 今日って荷物がいるような予定だったっけ?」
「んー。ないと思うけど」
そう話していると、帆乃花ちゃんがポシェット一つで戻ってきた。
「おはよう、トモハちゃん。お待たせしてごめんね。じゃあ行こうか」
友巴ちゃんは、帆乃花ちゃんのスーツケースを直接見たわけではないし、俺はすでにスーツケースケースのことを聞いたばかりだ。なので、帆乃花ちゃんの謎のスーツケースのことは聞かずに歩き出した。
サスペンスドラマなら、スーツケースの中身は死体となるが、そんなわけがあるわけない。
まあ、また後でさりげなく聞いてみよう。
俺たちはショッピングモールに併設されている映画館で十時上映開始の映画を一本観た。
ジャンルは胸キュン恋愛映画ではなくてハリウッドのド派手なアクションものだ。
友巴ちゃんはイケメン俳優が出ているからという理由で、帆乃花ちゃんはストレス発散にスカッとしたいという理由で観たがっていた映画だ。俺はホラーものでなければコメディでもサスペンスでもミステリーでもオッケーだ。
席は俺を真ん中に左が友巴ちゃん、右が帆乃花ちゃん。二人に挟まれて観る映画は格別である。
「マイク様、めっちゃかっこよかった~。惚れるわぁ」
「私は、カーチェイスのシーンが迫力あってドキドキしちゃった」
「俺はめちゃくちゃ可愛い二人に挟まれてドキドキした」
「ははっ。上手いこと言うね、シュウゴくん。で、映画の感想は?」
友巴ちゃんがズイっと顔を寄せ聞いてくる。
顔をそんなに近づけられると、映画の感想、考えられないんですけど……。
お昼はショッピングモールに入っているファミレスでとることにした。
俺が座る場所だが、ボックスシートなら、二人の正面真ん中に座れば良いが、椅子席だとどっちの正面に座れば良いのかいつも悩む。よって椅子をどかせない場合は二人が座る前にサッサと奥に座る。どう座るかは二人にゆだねるのが一番良い。
今回は帆乃花ちゃんが俺の正面に座ることになったようだ。
映画を観て、ドキドキしたとさっきは言っていたけど、その言葉とは裏腹にどこか帆乃花ちゃんの表情に陰があるような気がする。何かあったのだろうか……。
この間、熱で倒れた時に迷惑をかけたという理由でここはご馳走することにした。
好きなものを頼んでいいよと声をかけると、その陰も消え、遠慮がちに大好きなパスタを帆乃花ちゃんは注文した。気のせいだったか。
その後は、ゲームセンターでUFOキャッチャーをしたり、ココアマンションで使えそうなグッズを百均で見たりして三人で時間を過ごした。
途中で帆乃花ちゃんはトイレに行くと言って五分ほどいなくなったが、その間は、友巴ちゃんと二人カラオケをした。
今日は勉強はしないということで、駅で解散だ。
駅に着くと、友巴ちゃんの乗る電車がちょうどホームに来たところであった。
友巴ちゃんは「また明日、学校でね」と言い走り去った。
俺は改札を通ろうとしたが、帆乃花ちゃんは通ろうとしない。そう言えばスーツケースをコインロッカーに預けていたな。
「じゃあ、シュウゴくんもここでバイバイだね」
「うん、じゃあまた学校で」
改札を通った後、振り返ると何だか元気のない帆乃花ちゃんの背中が見えた。
俺は、再び改札を通った。
「どうしたの?」
帆乃花ちゃんの背中に声をかける。
「うわっ、びっくりした。シュウゴくんまだいたの?」
「ちょっと帆乃花ちゃんが気になって」
「……」
帆乃花ちゃんは、黙ったままコインロッカーからスーツケースを取り出した。
「実は、家出してきたの」
「い、家出?」
サッチならともかく、帆乃花ちゃんが家出?
「家出って、これからどうするの?」
「……とりあえず、ココアのマンションに行くつもり」
帆乃花ちゃんは顔を伏せた状態でそう言った。
ココアマンションなら、一通りの生活道具は揃っているし、他の男どもが近づいてくることはないから安心だ。だが、何があったか知らないけど帆乃花ちゃんの心が心配だ。
「俺も一緒にマンションに行くよ」
「でもシュウゴくんの時間が……」
「大丈夫。帆乃花ちゃんがマンションに着いたら帰るから」
俺は、左手で帆乃花ちゃんのスーツケースを持ち、右手で帆乃花ちゃんの手を握った。
「えー」
帆乃花ちゃんの言葉に友巴ちゃんと一緒に声を出す。
「シュウゴくん、熱で学校休んでた分を取り返さないと明日からのテスト、やばいでしょ」
「そ、そうなんだけど……」
テストで良い点数取るためにも、性欲を、いや活力を満たしたい。
「私も今回やばそうだし頑張ろっと……」
友巴ちゃんがボソッとつぶやいた。
あー、これではあけみっちに教わったテクニックの披露は持ち越しだ。
こうして、ご褒美を我慢した甲斐もあり期末テストの出来は上々であった。
テストから解放され、流石の帆乃花ちゃんも浮かれている。
「ねえねえ、週末は三人で遊びに行こうよ」
「いいねー。二人にプレゼントでもらった服で行こうかな」
ヒデキは藤木さんと夢の国に行っているのに勉強なんてやってられない。
友巴ちゃんも当然ながら賛同し、映画を観たり、ショッピングしたりすることになった。
三人でデートだ。
秋晴れの土曜日。駅前で二人を待っていると、何故か帆乃花ちゃんはスーツケースをゴロゴロと引きづり合流した。
まさか今から夢の国に?
「帆乃花ちゃん、おはよう」
「おはよう、シュウゴくん。相変わらず早いね」
女子を待たせないのが俺の信条だ。
「どうしたの、その荷物?」
「ん? ちょっとね。トモハちゃん、まだ来てないし、ちょっとコインロッカー探してくるね。時間がきたらごめん」
「それはいいけど」
これで友巴ちゃんもスーツケースで来たら俺にサプライズで、お泊まり旅行?
そんなわけもなく、友巴ちゃんは普通のお出かけルックで登場した。
「シュウゴくん、おはようー」
「おはよう、友巴ちゃん」
「まだ五分前だからホノカちゃんは来てないみたいだね」
「帆乃花ちゃんならもう来てるけど、荷物を入れるコインロッカー探してるよ」
「荷物? 今日って荷物がいるような予定だったっけ?」
「んー。ないと思うけど」
そう話していると、帆乃花ちゃんがポシェット一つで戻ってきた。
「おはよう、トモハちゃん。お待たせしてごめんね。じゃあ行こうか」
友巴ちゃんは、帆乃花ちゃんのスーツケースを直接見たわけではないし、俺はすでにスーツケースケースのことを聞いたばかりだ。なので、帆乃花ちゃんの謎のスーツケースのことは聞かずに歩き出した。
サスペンスドラマなら、スーツケースの中身は死体となるが、そんなわけがあるわけない。
まあ、また後でさりげなく聞いてみよう。
俺たちはショッピングモールに併設されている映画館で十時上映開始の映画を一本観た。
ジャンルは胸キュン恋愛映画ではなくてハリウッドのド派手なアクションものだ。
友巴ちゃんはイケメン俳優が出ているからという理由で、帆乃花ちゃんはストレス発散にスカッとしたいという理由で観たがっていた映画だ。俺はホラーものでなければコメディでもサスペンスでもミステリーでもオッケーだ。
席は俺を真ん中に左が友巴ちゃん、右が帆乃花ちゃん。二人に挟まれて観る映画は格別である。
「マイク様、めっちゃかっこよかった~。惚れるわぁ」
「私は、カーチェイスのシーンが迫力あってドキドキしちゃった」
「俺はめちゃくちゃ可愛い二人に挟まれてドキドキした」
「ははっ。上手いこと言うね、シュウゴくん。で、映画の感想は?」
友巴ちゃんがズイっと顔を寄せ聞いてくる。
顔をそんなに近づけられると、映画の感想、考えられないんですけど……。
お昼はショッピングモールに入っているファミレスでとることにした。
俺が座る場所だが、ボックスシートなら、二人の正面真ん中に座れば良いが、椅子席だとどっちの正面に座れば良いのかいつも悩む。よって椅子をどかせない場合は二人が座る前にサッサと奥に座る。どう座るかは二人にゆだねるのが一番良い。
今回は帆乃花ちゃんが俺の正面に座ることになったようだ。
映画を観て、ドキドキしたとさっきは言っていたけど、その言葉とは裏腹にどこか帆乃花ちゃんの表情に陰があるような気がする。何かあったのだろうか……。
この間、熱で倒れた時に迷惑をかけたという理由でここはご馳走することにした。
好きなものを頼んでいいよと声をかけると、その陰も消え、遠慮がちに大好きなパスタを帆乃花ちゃんは注文した。気のせいだったか。
その後は、ゲームセンターでUFOキャッチャーをしたり、ココアマンションで使えそうなグッズを百均で見たりして三人で時間を過ごした。
途中で帆乃花ちゃんはトイレに行くと言って五分ほどいなくなったが、その間は、友巴ちゃんと二人カラオケをした。
今日は勉強はしないということで、駅で解散だ。
駅に着くと、友巴ちゃんの乗る電車がちょうどホームに来たところであった。
友巴ちゃんは「また明日、学校でね」と言い走り去った。
俺は改札を通ろうとしたが、帆乃花ちゃんは通ろうとしない。そう言えばスーツケースをコインロッカーに預けていたな。
「じゃあ、シュウゴくんもここでバイバイだね」
「うん、じゃあまた学校で」
改札を通った後、振り返ると何だか元気のない帆乃花ちゃんの背中が見えた。
俺は、再び改札を通った。
「どうしたの?」
帆乃花ちゃんの背中に声をかける。
「うわっ、びっくりした。シュウゴくんまだいたの?」
「ちょっと帆乃花ちゃんが気になって」
「……」
帆乃花ちゃんは、黙ったままコインロッカーからスーツケースを取り出した。
「実は、家出してきたの」
「い、家出?」
サッチならともかく、帆乃花ちゃんが家出?
「家出って、これからどうするの?」
「……とりあえず、ココアのマンションに行くつもり」
帆乃花ちゃんは顔を伏せた状態でそう言った。
ココアマンションなら、一通りの生活道具は揃っているし、他の男どもが近づいてくることはないから安心だ。だが、何があったか知らないけど帆乃花ちゃんの心が心配だ。
「俺も一緒にマンションに行くよ」
「でもシュウゴくんの時間が……」
「大丈夫。帆乃花ちゃんがマンションに着いたら帰るから」
俺は、左手で帆乃花ちゃんのスーツケースを持ち、右手で帆乃花ちゃんの手を握った。
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