もう我慢しなくて良いですか? 【連載中】

青緑 ネトロア

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第一部

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精神的に弱り、身体も度重なる地面からの攻撃によって痛み、意識を朦朧とさせる彼らは徐々にエスカレートする攻撃に戦々恐々としていた。

痛みに耐えかね、隙を窺って逃げ出そうとする者も現れたが、足首に巻きつかれて引き戻されてしまう。
そんな者たちを見せられた彼らは逃げる気力も戦う気力も削がれ、次第に身を寄せ合うようになる。

『もう少しかな? なかなか力加減が難しいね。』

その様子を遠くから眺めていた鷲に似た風貌の鳥…ネリはそう呟きながら執拗に彼らを追い詰めていく。
木々はネリが様子を見えるようにそっと枝を揺らし、空からはポッカリと開けたように見えている。

ネリは彼らが集まりだした頃から眺め、獲物を狙う狩りのようにじっくりと待ち続けていた。
彼らが集まり終えたのを見据えると、その周囲の木々に命じ、殺傷能力を控えた物理的な攻撃を行われた。

その短い時間で起きた事態の収束は、彼らの中から気絶者が出る事で終わりを迎えたのだった。

もう誰かを害そうとする気も失い、学園という環境で培ってきた地位に縋っていた執着心も失った彼らはその日を境に学園を去る事を決意した。


所変わって、教師の集まった集会でリーティ講師を含めた複数の教師は頭を抱えていた。

リーティ講師は担当する学年で発生した中退者と欠席者が続出で憂鬱になっている。
他の教師は上の学年から急な中退や療養者が発生し、その中で彼らの貴族家から支援を受けていた教師は学園に於ける研究が頓挫することに声なき悲鳴を上げながら項垂れていた。

そうして学園は当分の間、諸事情による休校を決意したのだった。


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