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落ちこぼれ
しおりを挟む寺田 輝明は普通の高校生として平日は過ごし、休日は陰陽師として依頼を随伴してこなす日々を過ごしていた。
幼い頃から両親も親族も含めて陰陽師を輩出している家系だと説明され続けてきたが、初めて実感したのは自身の中にある血液とは違った物体を感じた瞬間だった。
「輝明。それが陰陽師に必要な魔力だ。」
その時から輝明の日常は変わり、立派な陰陽師になる為に他の陰陽師や両親に連れられて魔族を退治するのを手伝う中での指導が始まった。
だが指導期間の最終日を過ぎると、否応なく代々契約してきた式神と対面するが、式神からの評価はとにかく悪く契約する事が出来なかった。
ーー『これは弱過ぎる。我の条件に合わぬし、成長の兆しはないであろう。』と。
両親は諦め切れず、親族の注意も無視して個人指導を止める事はなかった。
「その手の包帯、なに? どっか怪我したのか?」
「うんうん。怪我してないんだけど、親が外すなってさ。」
「ふーん。」
日頃から遊んでいた友人達も、陰陽師としての指導が激しくなるにつれて輝明の側を離れていく事が度々起こっていた。
終いには両親から修行だと言われて取らずにいた包帯を見た知人や友人に痛い厨二病だと勘違いされた挙句、とうとう孤独になってしまった。
そして何処から噂が耳に入ったのか、担任の教師から注意を受けて、両親は修行を断念した。
だが決断した時には遅く、中学校では孤独になり、高校を他の地区に移住せざるを得なくなった。
「ごめん。一緒の高校は無理っぽいんだ。」
「何処の高校に行くの?」
「ここから離れた聖覇高校に行こうと考えるとこだよ。」
「そうなんだ。じゃあ、これからも一緒だね!」
「は?」
近所だった幼馴染に別れを伝えたのだが、両親の仲が良かったからなのか移住も高校も同じになってしまった。
後から親に聞けば、幼馴染の家も陰陽師の家系だそうで、寺田家よりも優秀だという。
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