少女、街を出る【完結】

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少女と出会い

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 暗い森の中を歩き続けていた。

 道の先がふと気になって草を掻き分けて歩んでいくと、大木のそばで伏せている、星の光に輝く大きな狼を見つけた。

 狼は伏せているだけでも自分より身体が大きいのに、自分は一切怯えも怖さも感じられない。

 目を瞑って伏せ続ける狼に自分は歩み寄っていると、狼が目を開けた。

『このような場所に来るとは、物好きな少女もいたものだ。 お前はなぜ近づいてきた。 我が怖くないのか?』

"........."

『...まあ良い。 これも良い縁だ、お前に加護を与えよう。 お前に危険が及んだ時、我が探しやすいために。』

"........."

 そうして少女が目を覚ました時には大木のそばには何もおらず、ただ木の麓で寝転んでいた。

 周囲をぐるりと見渡しても、何もいないことを知った少女は森を離れたのだった。

 ただ、少女の目が少しだけ変わっていたことに気付かないまま...。
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